学長・野風草だより

No.294

No.294 2012年10月15日(月)

追悼・成田一徹(2)(切り絵作家・本学卒業生)

 亡くなられた本学卒業生で切り絵作家であった成田一徹さんの追悼の続きです(野風草だよりNo.284)。
 成田一徹さんの切り絵作品展が9月に大阪の帝国ホテルで開かれました。お誘いを受けていたのに、残念!無念!本学の80周年学生企画「ロッキング・オン大K大」の学生たちが訪ねて、生前の成田さんにインタヴューしてくれていました。ありがとう。現役生たちの訪問を受けて、成田さんもさぞ喜んでおられたでしょう。以下は、その時の学生たちの感想です。

○学生 井上 祐貴さん
 インタビューで、冷静に、かつ、熱く切り絵の魅力を語る成田さんがすごく印象的でした。良い冊子を作って切り絵の魅力、成田さんの思いを広めることができたらと思いながら作業頑張っています。ご冥福をお祈りしています。

○学生 村瀬 亜沙美さん
 大経大80周年学生企画のインタビューをきっかけに成田さんと出会うことができました。
切り絵を世界でアートにするという、これからのお話をされている時のキラキラした笑顔がとも印象的で素敵でした。ご冥福をお祈りします。

○学生 山田 経太さん
 成田さんの穏やかな表情の中に切り絵に対する熱い思いや信念がインタビューを通じてひしひしと伝わってきました。趣味を職業に変えられてからの生き方や職人魂を語る姿がとても印象的でした。ご冥福をお祈り申し上げます。

 成田さんから最新刊の『カウンターの中から』を署名入りで頂戴しました。バーで飲みながら、今度こんな本を出したので差し上げますと、恥ずかしそうに言われました。あとがきにこうあります。「いつの頃からか、カウンターの内側からバーの情景を描きたいと思うようになった。しかしそこはバーテンダーの聖域。無謀な掟破りの発想だった。30年間、あまたのバーを切り絵という技法で描いてきたが、すべてカウンターの外側、つまり客側からのよそゆきの風景だった。・・・視点を180度移した、裏側から見た風景があっていい。内側から見える新しい景色、人、世界観を夢みて、カウンターという高い高いハードルを越えてみる。」新しい挑戦をされていたんですね。

 内側からバーテンダーが差し出すグラス。ご縁があって、私は本で紹介されている2軒のバーで時々飲んでいます。どちらのバーにも、本に掲載されている切り絵の作品が壁に飾られています。成田さんはよく飲みに来られていましたと、お二人のバーテンダーが懐かしそうに思い出を語って下さいました。下の写真の『酒場の絵本』は、アマチュア時代の1985年に自費出版されたものです。まだサラリーマンをしながら切り絵をされていましたので、署名が本名の「成田徹」となっています。
 謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌