学長・野風草だより

No.327

No.327 2013年1月25日(金)

渡邉正英先生の「サンディェゴ便り」

 海外留学している渡邉正英先生よりお便りをいただきました。これまでにも山本俊一郎さんのポーランド便り(野風草だよりNo.212)、重光美恵さんのトルコ便り(No.213)、森詩恵さんのイギリス便り(No.230)と紹介してきました。渡邉先生の行かれているサンディェゴは、随分とあったかそうです。ご家族もお元気そうです。ただ、語学はこなかなか上達しなくて、子供がうらやましい。悔しながら、あっという間に抜かれてしまった感があります・・・とのことです。日系の人が作って経営している農園があり、有名店の料理人もこぞって使うほどで、味は日本のものとそう変わらないそうです。

 こんにちは。経済学部の渡邉です。2012年4月よりカリフォルニア大学のサンディエゴ校(UCSD)に来ています。こちらの生活もはや10か月が過ぎようとしています。サンディエゴはロスから車で2時間弱のカリフォルニア最南端に位置し、ダウンタウンから車で30分ほどでメキシコとの国境です。気候はすばらしく、夏は日本のような暑さや湿気はなく、冬は日中20度近くまで温度があがり、一年を通じて非常に過ごしやすい気候です。サンディエゴは人口の面では全米7位の都市ですが、海と山に囲まれ自然も豊かで、治安も大変良く、人々は陽気で親切で、特に子供連れで住むには最適な場所です(シーワールドや動物園も有名)。カリフォルニアですのでワインにも期待していたのですが、最近はすっかり地ビールにはまっています。住んでいるところのまわりだけでも数か所の醸造所があるのはうれしい限りです。
 さて、肝心の研究ですが、こちらでは不確実性下における自然資源管理や環境変化の経済評価の研究に取り組んでいます。今の科学技術や知識では、将来の状態や環境政策の効果を正確に予測することができません。このような不確実性下において、現在直面する環境問題に対してどのような政策を行うべきか、また政策をどのように評価すればよいのか。この問題に対して理論的・実証的側面から研究を進めています。UCSDには環境経済学や不確実性下の意思決定論の分野で世界を代表する教授陣がおり、非常に恵まれた環境で研究できていることをうれしく思っています。受け入れはカーソン教授で、私の分野では第一人者的存在なのですが、大変気さくで、何のつてもなかった私の受け入れをメール一本で快く承諾していただき、本当に感謝しています。
 UCSDでは、計量経済、ミクロ理論、応用ミクロ、マクロ、環境経済、金融、開発などそれぞれの分野ごと週1回セミナーが開かれており、毎日どこかでセミナー報告が行われています。そこでは、内外の研究者が研究報告し、ディスカッションが行われます。私は来て間もなく自己紹介を兼ねて報告の機会をいただきました。報告の時、最初から痛いところをどんどん質問してくるカーボーイハットをかぶった年配の方がいて、誰なんだ?と思っていたら、後になってその人は教科書にも名前が出てくるような有名人とわかり、えらいところに来てしまったなと思いました。
 こちらに来てから、現地の人々や、様々な国の研究者たちとも知り合いになることができ、時には家族ぐるみの付き合いまでできたことは大変ありがたく思っています。カリフォルニア生活も残すところ2か月ほどになりましたが、(地ビールやワインもほどほどにしながら)悔いの残らないようにラストスパートをかけたいと思います。

(上の写真が経済学部の校舎で、少し歩くと海が見えます。2番目の写真のユニークな建物が図書館で、この最上階は見晴らしがいいのでよくそこで研究しています。下の写真は、大学の近くでサンディエゴの観光名所の一つであるラホヤの海岸線です。)