学長・野風草だより

No.349

No.349 2013年4月1日(月)

大経大FAMILYとなった新入生の皆さんへ、贈る言葉

 入学された新入生の皆さん、おめでとうございます。また、本日ご臨席賜りましたご父母、関係者の皆さまに対しましても、心からお慶び申し上げます。
 大阪経済大学は、おかげさまで昨年、創立80周年を迎えました。この3月の卒業生で79期生、8万9千人の卒業生がいます。大経大を卒業したことを誇りに、大経大PLIDEを持って、社会の各方面で活躍しておられます。卒業生みんなが新入生の皆さんに期待してくれています。
 キャンパスを歩いていて、随分ときれいな建物が多いなと思ったかもしれません。80周年記念事業で次々と建て替えてきました。そして、最後が今工事中の建物です。皆さんが講義やゼミで使う8階建ての本学のシンボル棟・学生棟で、この秋には完成します。10月4日には杮落としの記念講演として1階ホールの大経大フォーラムでテレビ大阪の夜11時からのワールド・ビジネス・サテライトのコメンテーターとして活躍されているエコノミストの伊藤元重東京大学教授をお迎えして、講演会を催します。是非聞いてみてください。新しい、NEW大経大の主人公として勉学やクラブ、サークルなどの課外活動に励んでいただきたいと思います。

Ⅰ 大経大の教育の特徴
 本日は2つのことをお話しします。一つ目は、本学の教育の特徴です。私はこれを「ゼミの大経大」、「マナーの大経大」、「就職の大経大」とまとめています。本学での教育は、今まで聞いたことがなかったかもしれませんが、ゼミナールと呼ばれる教員と学生15~20名ほどがクラスのような形で学ぶ少人数教育が基本となります。3学部では1年生から基礎ゼミに入って大学での勉強の仕方、本の読み方、討論や発表の仕方を学び、2年生の秋学期からは専門のゼミで、それぞれの先生が研究されている専門的な分野を勉強していきます。本学には世界で日本で活躍されている先生方がたくさんいます。そして、4年生で卒業論文という作品で4年間の勉強してきた成果をまとめます。本学の専門ゼミの所属率は昨年度で96%であり、また西日本のゼミ大会などでもグランプリを獲得するなど高く評価されています。ゼミを通じて、先生とぶつかり合い、ゼミの仲間と助け合い、4年間を充実したものにして下さい。それが大経大STYLEです。ただし言っておくけど、昨年度の卒業率は、83%、4年で卒業するストレート卒業率は80%です。4年後、卒業式に一緒に出られるのは100名中80名ほどなんです。途中で怠けると、卒業は難しいですよ。

 「マナーの大経大」、私たちは1人前の社会人としてマナーを在学中に是非身に付けてほしいと願っています。たとえば、あいさつ、お互い会えばおはよう、こんにちはとあいさつをする、学外の人が来ていたらかるく会釈する、歩きたばこをしない、学内で自転車を乗り回さない、そして授業中は私語をしない、当たり前ですよね。大学生になったからといって、未成年の方はアルコール厳禁です。一気飲みなんてアホなことせんといてください。春と秋には1か月間、クラブの学生たちが中心となってマナーアップキャンペーンをしています。毎回延べ900名ほどの学生が参加してくれています。自分たちのキャンパスなんだから、みんなで気持ちのいいキャンパスを作っていきたいものです。マナーを身に付けるうえで、新入生の皆さんにとくにお勧めしたいのは、クラブやサークルにどんどん入って欲しいということです。昨年度でスポーツ系、芸術系、学術系のクラブには約20%、サークルには37%入っており、約半数の学生が活動しています。今新入生の勧誘活動を先輩たちが一所懸命やっていますので、興味関心のあるクラブ・サークルを覗いて下さい。


 「就職の大経大」、入学した皆さんの最終的な関心は、やはり就職だろうと思います。おそらく皆さんは、大経大は就職に強いとお聞きになっているかと思います。9万人近くの卒業生がいて、関西を中心として全国で活躍してくれており、皆さんにとって強力なサポートをしてくれます。ただ正直言うて2008年のリーマンショック以来、やや就職の大経大に陰りがあるのは事実です。昨年度の就職希望者に対して内定率は84%で、2007年度の92%をまだ回復できていません。ただし、進路支援センターの職員さんたちによる学生たちの状況の把握率は100%近くあり、昨年度は延べで9400件近くの就職相談にのっています。是非1年生の時でも、これから就職に向けて何をしたらいいかなど、基礎ゼミの先生だけでなく進路支援センターの職員さんにも尋ねてみて下さい。
 「ゼミの大経大」、「マナー大経大」、「就職の大経大」、これが大経大の教育STYLEです。

Ⅱ こころざし・おかげさま・道理は天地を貫く
 入学式の言葉などは、あとで思い出してもあまり覚えているもんじゃないですよね。何かお説教くさいこと言ってたなくらいのものかもしれません。そこで本日の2つ目の話として、覚えていてほしい言葉、日本語を3つだけ言います。
 一つ、こころざしです。皆さんのこころざしはどんなものでしょうか。そんなに大げさなことじゃなくてもいいんです。今、これからの学生生活の目標、4年間でしたいことは何だろうか、卒業する時これだけはやり遂げた、考えてみて下さい。友だち作ろう、バイトして遊ぼうでもええんよ。グローバル化の時代です。学生時代に1年間留学してみるのも、いいんじゃないでしょうか。アメリカやカナダの英語圏だけでなく、中国やアジアの各国に行くのも面白いかもしれません。グローバル世界で活躍する力をつけてみて下さい。
 こころは、どんな方向を指しているのでしょうか。こころがどこかを指すからこころざしです。大学生活の時だけではありません。社会に出ても、おそらく死ぬまで、こころざしというこころの方向は問われます。いえ、そもそもこころとは何でしょうか。これまでの入試のマークシート式の問題のように、正解は一つではありません。一人ひとり違っていてもいいのです。この大経大で、自分なりのこころざし、その基礎、土台を作っていきませんか。
 もちろん、簡単なことでないのはわかっています。これまでに体や心に傷、痛みを負っている学生さんもいるかと思います。大学に入ったから、すべてリセットして頑張ろうという気はありません。しんどかったら、しんどいと言ってください。HELPと正直に言ってください。本学には保健室や心理カウンセラーのいる学生相談室があります。遠慮なく訪ねて下さい。ゼミの先生や教務部や学生部のカウンターで職員さんと相談してください。私たち教職員は、一人ひとりの学生さんと正面を向きあう覚悟を持っています。私たちは逃げない。

 2つ目の言葉は、おかげさまです。若い皆さんはあんまし、言わなくなったかもしれませんが、私などは故郷の四国松山で今89歳になるおふくろからよく言われていました。「おかげさま」、私は母から教えられたこの感謝、祈りの言葉が、日本語で一番美しい言葉だと思っています。皆さんがこうして大学で学べるのもお父さん、お母さんのおかげです。高校の先生、友人たちのおかげかもしれません。今、おかげさまで、ありがとうございます、とそっとつぶやいてみて下さい。
  ところで、おかげさまの「かげ」とは、何なのでしょうか。実はよく考えてみると難しいのです。先ほど述べたこころざしの方向の最も遠くにあるものが、このかげなのだろうと、私は思っています。「光」と言ってもいいのかもしれません。光ははるか彼方から、そしてずっとずっと昔から私たちを照らしだしてくれているのかもしれません。それに気づいた時、かげは光に反転するのでしょう。かげから光へ、闇から一条の光へ、簡単なことではありません。そして、世界中でその光をどのように見てきたかは、地域によって異なります。日本列島には日本固有の光、日本文化の伝統があると、私は考えています。それが何か、これまた各人各様で構わないのです。大学とは、答えのない問題を考えていくところなのです。

  こころざし、おかげさま、この二つの言葉を、考えてみて下さい。最後にちょっと難しい言葉をお伝えして、終わりにします。本学の前身である戦前の昭和高等商業学校の校長先生で、戦後1949年に本学の初代学長を務めた黒正巌博士の言葉に「道理貫天地」というのがあります。これは世界で、日本でオンリーワンの大経大オリジナルの言葉です。この言葉を刻んだ石碑がキャンパスにありますから、あとで見つけてください。
  道理とは何か、人の生きる道、理。いかに生きるか、いかに死ぬるか。実は先ほどから述べているこころざし、おかげさまとは、この道理と関係しているのではないでしょうか。そして、この道理は、世界をそして目に見えない天地をも貫いているんだ、と黒正博士は言われたのです。何度も繰り返しますが、各人各様の解釈でかまいません。正解はありません。それが大学で学ぶということです。死ぬまでわからないかもしれません。それもおもしろいんじゃないかな。「道理は天地を貫く」、大経大でしか学べないこの言葉、覚えていてほしいのです。

  私のような者からすれば、皆さんは私の子供たちです。学生・院生合わせて新しく子供が1973人もできたことになります。若い教職員からすれば、かわいい弟や妹です。私たち大経大の全スタッフは皆さんを新しい家族、大経大FAMILYとして、心から歓迎いたします。大経大が皆さんにとって、第2のホーム、家庭になれたら、うれしい限りです。
  あらためて新入生の皆さん、おめでとう。一緒にゼミの大経大、マナーの大経大、就職の大経大で楽しくやっていきましょう。以上で、皆さんへのお祝いのメッセージといたします。ありがとうございました。