学長・野風草だより

No.366

No.366 2013年5月22日(水)

地元学で東淀川区の企業、区長とつながる

 経済学部の山本俊一郎先生と原田多美子客員教授により、地元学の講義が行われています。これは2010年度より始めた経済学特殊講義がさらに発展したものです。これまで地域とつながることを目的に、防災・防犯や高齢者福祉などに取り組んできました(野風草だよりNo.67301)。今後どのようにして地元企業の産・東淀川区の官・大阪経済大学の学が協働して、地域住民とともに地域作りが行えていけるかを模索するものです。折しも文部科学省の地(知)の拠点整備事業(Center of Community)が進められていることでもあり、まさに時宜にかなった講義といえるでしょう。
 22日には、金谷東淀川区長にお越しいただき、自身のこれまでの行政経験からなぜ公募区長になったか、区の仕事をどのように進めようとしているか、大学に何を期待するかなどを詳しくお話しいただきました。今後とも大阪市・東淀川区とつながりながら、「地域を育て、地域に育てられる大学」をめざしていきたいと思います。金谷区長、ありがとうございました。

 5月8日には、大学から歩いて5分の地元企業を訪ねました。ボンボン菓子の生産で全国の7割を占める会社が地元にあるとは驚きで、学生たちと一緒に訪ねました。会社は家族中心でやられており、社長、奥様、娘さんからお話を聞かせていただきました。工場には長年にわたり独自の工夫をされた機械が並び、日本酒ボンボン、焼酎ボンボン、ワインボンボンなど次々と不可能と思われていた製品を開発したとのことで、糸田川さん家族の情熱を感じることが出来、感動しました。いろいろと試食させてもいただき、ウィスキーボンボン、懐かしい味でした。学生たちも熱心に聞き入り、質問もしていて、うれしくなりました。これからの大阪経済大学の目指すべき方向を確信させていただきました。糸田川さん、お忙しい中ありがとうございました。山本先生、原田先生のご尽力に感謝いたします。受講生の皆さん、頑張ってください。

○丸赤製菓 糸田川 明彦社長のコメント
 先日はお忙しい中、お越し頂き有難う御座いました。拙い内容でしたが、ボンボンの事を、学生さん達に知って頂く機会を頂き感謝いたします。
 私は家業である砂糖菓子の製造を物心つく頃から見てきました。両親や住込みの従業員が朝早くから夜遅くまで働いていた戦後の昭和20年代。自身も高校、大学と在籍しながら製造を手伝い、親の背中を見ながら、大した指導も継承も受けず青春時代を過ごしたように思います。ボンボンの製造は全身粉まみれになり、高温多湿、時間の制限と3Kの代表のようなもので、50社程あった同業者も現在4社くらいに減りボンボン専業では弊社だけになりました。二代目となり何とか『ボンボンなら丸赤製菓』と菓業界では認識していただけるようになり、一方で後継者が育たず廃業も覚悟していましたが、時代も変わり女子力も強くなり、娘たちが何とか継いでくれることになり希望を持ちました。
 今回、経大生の皆様と意見交換する機会に恵まれ、色々なご質問にお答えしながら、ウイスキーボンボンを食べたことのない世代にも広め、まだまだ頑張って製造したい気持ちになりうれしく思える一日でした。皆様ありがとうございました。

○受講生の経済学部3回生 大沢健太朗君のコメント
 今日は地元学の授業の一環として、丸赤製菓・糸田川商店様へ取材に行かせていただきました。こちらの企業はボンボン菓子の生産で、日本の約7割のシェアを占めている企業です。それだけのシェアであれば、大きな工場で生産を行い、かつ多くの人材を雇用していると考えがちですが、今回の取材では決してそうではないということが分かりました。お店の外観を見ただけはそれほど大きな工場とは思いませんでしたが、それでも家族や少数の従業員だけでお店を経営し、多くの企業の生産を一生懸命請け負っていました。そこには小さい規模ならではのメリット、デメリットがあり、経済や経営の新たな視点を僕たちに見せてくれました。