学長・野風草だより

No.418

No.418 2013年9月24日(火)

美術の秋を彩る本学関係者の個展

 昨年亡くなられた切り絵作家の成田一徹さん(野風草だよりNo.284294328)の個展が神戸・元町でありましたので、9月21日のオープンに出かけてきました。会場は元町のアーケード街の海文堂書店です。元町は、学生時代に故郷の松山へ帰る時、神戸・中突堤から出る関西汽船に乗っていたので、懐かしく思いました。夜の10時に出る便、朝の5時に着く便でしたので、商店街は閉まっていてさみしい感じでした。今から40年も前の話です。その関西汽船も合併でなくなりました。海事関係、海の本の品揃えで有名だった海文堂書店さんも、9月末で店舗販売はなくなります。成田一徹さんの個展は、「新・神戸の残り香」と題して、神戸の古きよき香りを伝えるもので、海文堂さんの店じまいにふさわしものでした。

 切り絵は、2010~12年に神戸新聞に連載されたものを展示していました。神戸の長田のご出身ですので神戸への愛着はひときわ深いものがあったのでしょう。ええっ、こんなところがまだあるのといった感じで、まさに「神戸の残り香」を伝えてくれています。作品は、『新・神戸の残り香』(2013 神戸新聞総合出版センター)に収録されています。左ページに切り絵、右ページに成田さんの文章があります。詳細な年譜、追悼文もついています。ぜひご覧になってください。なお、前作の『神戸の残り香』(2006 神戸新聞出版センター)もまだあるようです。会場では、何点かの複製画を売っていました。私は成田さんの思い出のよすがとして、京都の都おどりの際に抹茶とお菓子を出す舞妓さんのを購入して、玄関に掛けています。

 9月24日には、湖西線の大津京近くで開かれていた神崎均さんの水彩画展に出かけてきました。私が28年前に勤め始めてから、随分とお世話になりました。独特の言い回しで、優しく叱られたことが多々ありました。若気の至りでした。思い出話に花が咲き、退職されてからもお元気で過ごされているのをうれしく思いました。会場には、滋賀、琵琶湖、京都の風景が巧みなタッチの水彩画で表現されています。京都は私の知っているところばかりで、神崎さんが描かれた時のお話を聞くのも楽しかったです。水彩画の1枚目はお住まいの堅田のなぎさ浜、2枚目は堅田の有名な満月寺浮御堂、3枚目は京都・白川沿いの二条から三条にかけての古い民家、4枚目は祇園の八坂の塔です。退職された職員さんもたくさん来られたとお聞きしています。大経大の発展にご尽力いただいた退職された教職員の、こうしたつながりを大切にしたいですね。

○神崎 均さんのコメント -初めて開いた個展-

 大阪経済大学を辞してから13年、時が経つのは早いものである。歳を重ね来年にはもう77歳となり喜寿を迎えようとしている。40年近く勤めた経大を辞した当時、プレッシャーからの解放と何の取り柄もない凡人がどのようにして、これからの人生を送れるのかいささか不安な思いが交差する時でもあった。
 自分に出来る事は一体何か、何かボランティアをとも考えてたりもしました。今思えばなかなか踏ん切りがつかなかったものである。ちょうど、その時期に龍谷大学のG先生の町歩き研究会(?)に誘われるままに参加することにした。

 これは古い町並みや建造物とその背景等の説明を受け、それらを後世に残していきたい趣旨の内容を考慮し見学しながら、参加者各人の気に入った建造物のある風景等をリポートあるいはスケッチをしながら最後に全員で高評しあうものであった。町並みや古い建造物を見て歩くことは自分の運動不足の解消、そして自身の趣味とも合致するようにも思え参加したような記憶がある。参加しているうちに仲間も増え月一回の例会も苦にならず楽しいものであった。そうこうするうちに代表者である先生のドイツ留学が決まり代表者不在となった。これらを機会にこの会も徐々に消滅していったように記憶している。




 その後、この会の参加者の中から油絵やクロッキーそして水彩画等いろいろと同好会が生まれたものである。必然的に自分はその中からスケッチ同好会に参加することにした。当初は20数名の大所帯であったが、今ではその数も半数の10名の後期高齢者ばかりの集団となり、足腰も弱く口だけは達者であることから近郊の風景ばかりを求め月に何回かスケッチに出かけている。指導者もなく各人の思いのまま、そして勝手気ままな自由奔放を楽しんでいるのが現状である。そうした我流作品も「塵も積もれば山となる」の例えの通り数が増えるばかりである。退職時に「スケッチの旅」を出したこともあり、その続編でもと考えてもみたが・・・・同好会や経大OBの友人達のご意見もあったことから、またギャラリー綾乃和さんのご厚意を得て、この際思い切って恥を覚悟で水彩画展を開くことした。

 さて、いよいよ初めての個展初日を迎えることになった。最初の訪問者はいったい何方であろうか?。不安と期待が入り交じる中、予期せぬこともあろうか大阪経済大学長徳永先生と崎田事務局長のお二人が一番乗り、万遍の笑顔で大きな花輪とともにお越し頂いたのには驚きと感激でいっぱいとなった。懐かしいお二人にお出会いできたこと、じっくりとご覧頂き、また経大の現状等いろいろとお話を頂くことが出来た喜びは何とも言えない感動であった。初日から”縁起が良いわい”その後はOBはじめ現役の皆が次々と来てくれて経大同窓会かと間違いそうな雰囲気を醸し出した日もあったようだ。案内も差し上げない大勢の方々の参加もあり心から感謝の気持ちを申しあげたいと思っております。本当に有り難うございました。 
 最後に、”ああ個展を開いて良かったなあ”大勢の皆に喜んで頂き、その上祝福までを受けたこと本当に素晴らしい思い出となった。そして、また懐かしい皆との出会いとコミニュケーションの大きな輪が出来たことに感謝しつつ、これからの人生を健康の許す限り水彩画を続けて行きたいと考えております。

2013年10月吉日  神崎 均