学長・野風草だより

No.434

No.434 2013年11月23日(土)

日本語の手書きの文化を守る17歳からのメッセージ

 17歳からのメッセージも13回目を迎えました。1回目が7400ほどの応募で始まり、14000、23000と増えて、以後は3万前後で推移するようになり、高校でもすっかり定着してきたようです。主催者として、本当にありがたいことです。今年は表彰式の前に初めてですが、お世話いただいている関西の高校の先生6名ほどにお集まりいただき、高校現場でどのように活用されているか、指導はどのようにされているか、今後の希望などをお伺いしました。次回に活かしていきたいと思います。審査いただいた近藤直美先生はじめ教員の皆さま、学生の審査員の皆さん、ありがとうございました。

 今年の表彰式は、新しいD館の教室で行いました。そして、懇親会は8階の記念ホールでした。高校生の皆さんにも大変好評でした。受賞作品は後援いただいている読売新聞にはもちろん掲載されていますが、受賞した高校生の地元でも話題となり、地元の新聞に掲載されることも多々あるようです。今回は、高知新聞を紹介しておきます。以下は、受賞作品集に寄せた私の挨拶文です。


■高知新聞記事 2013年11月22日

 全国から2万7千通のメッセージが寄せられました。応募していただいた高校生の皆さん、ありがとう。ご指導いただいた先生方に心より感謝申し上げます。17歳からのメッセージは、今年で13回を数えます。始めた当時と比べ、インターネットの急速な普及、そしてケータイからスマフォへと、若い皆さんを取り巻く環境はどんどん変わってきています。気持ちも考え方も変わってきているかもしれません。
 ところで、第1のテーマと第3のテーマのグランプリは、主張したい点は違っていますが、「方言」を取り上げたものでした。それぞれの地域の風土と歴史に根ざして育まれてきた「方言」は、お互いの通交する手段が変わっても、変わらない「伝統」を体現しているのではないでしょうか。
 この17歳からのメッセージの特徴は、ずっと手書きが原則です。パソコンで「打つ」ことが当たり前となっている現在、手書きは時代遅れかもしれません。しかし、幼い時に初めて字をまね書きするのは手書きですし、大学でもまだまだノートに手書きが主流です。
 およそ三千数百年前に中国で漢字が生まれ、千百~千二百年前に日本でカタカナ・ひらがなが生み出されてこの間、手書きの文化は未だ廃れていません。こうした手書きの「伝統」を守っていきたいものです。私のゼミでは、卒業論文はパソコンで横書きに打ちますが、最後に1枚、小学校から大学まで16年間「勉強」した総括として、「大学生活をふり返って」、「社会へ旅立つ気持ち」を「手書き」で「縦書き」で書いてもらっています。
 世の中には、変わっていくものと変わらないものがあります。それを見極めながら、変わらないものの中から、「日本語(方言)」や「手書き」の他にも、変えてはいけないものを発見し守っていくことに、この17歳からのメッセージが少しでも貢献できれば、ありがたいと思います。グローバル化がすすむ21世紀の世界の中で、日本文化の意義を考え、世界へ発信していきたいものです。
 本学は昨年創立80周年を迎えました。初代学長の黒正巌博士は、「道理は天地を貫く」と言われました。日本で、世界で大経大しかないただ一つの言葉、大経大オリジナルです。私はメッセージを寄せていただいた2万7千人の若い皆さんに、「道理は天地を貫く」という古今東西を貫く人類の知恵をメッセージとしてお贈りしたいと思います。