学長・野風草だより

No.435

No.435 2014年2月3日(月)

春来る、壬生寺の節分会

 春が待ちどおしいですね。暦の上では、節分、立春。いつもは近くの吉田神社に行くのですが(野風草だよりNo.39)、今年は四条大宮近くの壬生寺に出かけてみました。壬生狂言の「節分」を見るためです。近くには新撰組で有名な壬生屯所があります。参道を通ると、壬生狂言の公開中に毎日の序曲として演じられる「炮烙割り」の素焼きの炮烙があり、早速、「厄除開運」「家内安全」のお願いを墨で書いて奉納しました。

 節分中は、1~8時まで「節分」が演じられます。私は初めて見ましたが、感動しました。立派な舞台で、仮面劇が進行します。1回目は解説もなしで見ていたので、大まかな筋はわかりましたが、細かな所作の意味が分かりませんでした。それで、すぐに解説書を買い求めて、よく読んでから2回目を見ると、ナルホド、ナルホドでした。この壬生狂言は、寺を大いに興隆した円覚上人が正安2(1300)年に「大念仏会」という法会を行い、その際仏の教えを身振り手振りのパントマイム(無言劇)に仕組んだのが始まりとされています。江戸時代に入ると、庶民の娯楽として発展し、宗教劇だけでなく、能や狂言からも取材され、私も見たことがある「船弁慶」や「安達が原」など現在は30演目があります。

 解説書によると、「節分」は鬼(病気、災厄や貧困などの不幸)を招く甘い誘惑に負けずに、マメ(まじめ、こつこつ)と働くことによってこそ、福徳は得られるものであることを教えた狂言であるとのことです。鉦と太鼓、笛の囃子に合わせて、すべての演者が仮面をつけ、無言劇が粛々と進行します。ストーリーを知ると、一つ一つの所作の意味がわかって、能や狂言、歌舞伎とはまた違った味わい深い舞台でした。700年もの間、伝統を守り続ける地元に居住する「壬生大念佛講」の皆さまのご努力に心より敬意を表します。