学長・野風草だより

No.450

No.450 2014年4月1日(火)

新入生1910名を迎えての入学式

 桜が咲き、晴天に恵まれて、学部・大学院合わせて1910名の新入生を迎え、入学式が行われました。今回は3月末に調査旅行した北海道・中標津の三友牧場の話などを織り交ぜて、式辞を述べました。情報社会学部の新入生代表の宣誓を最後に紹介しておきます。「おかげさま」なんて言葉が出てきたので、どこで知ったのと聞くと、学長の「野風草だより」を見たとのことでした。ありがとう。

 入学された新入生の皆さん、おめでとうございます。また、本日ご臨席賜りましたご父母、関係者の皆さまに対しましても、心からお慶び申し上げます。
Ⅰ 夢を造る
 私は長年農業の経済や歴史の研究をしていますが、つい先日、北海道の有名な酪農家、山形県の日本一のスイカの名人に会ってきました。関西ではもう桜の季節ですが、北海道はまだ根雪が随分と残っていました。お二人の話で共通するのは、牛さんもスイカも自分自身で育つ力、生きる力を持っているということでした。農家が技、テクニックで自分の思い通りに、またマニュアルに従って一儲けしようと企むと、病気になったりして余計に金がかかるようになる。「技」が「災い」の元なんだと言われていました。農業は作るのではなく育てるのです。牛もスイカも生きものです。皆さんも私も生きものです。農業と教育には同じ原理が貫いているんじゃないでしょうか。皆さん自身が生きる力を持っています。私たちはそっと手を添えじっと待ちながら、皆さんの生きる力をこの大学で伸ばしていってほしいと思っています。どの方向をめざして伸びていくのか、決めるのは皆さん自身です。
 酪農家の所には、岩手県の19歳の青年が酪農の研修に来ていました。2年間学んでから北海道で新規就農を目ざすらしいです。山形県では、18歳のトマト農家の息子さんに会いました。埼玉県の日本一のトマト作りの名人に研修に行き、いずれ農家を継ぐ決意を語ってくれました。「夢」。皆さんの夢は何でしょうか。同じ18、19歳で、皆さんは大学生となります。お父さん、お母さんも期待していることでしょう。この4年間で何を学び、どのように自分自身を伸ばしていき、人生の夢を作っていきますか?入試のマークシート式の問題のように、正解は一つではありません。一人ひとり違っていていいのです。この大経大で、自分なりの夢、その基礎、芽を作っていきませんか。

Ⅱ 学生として勉強する
 私は夢を作っていくために、2つだけお願いしたいと思います。一つは、当たり前ですが勉強をしっかりしてほしいということです。皆さんの仕事は、学生として勉強することです。124単位取得して、卒業しなければなりません。「ゼミの大経大」。本学での教育は、今まで聞いたことがなかったかもしれませんが、ゼミナールと呼ばれる教員と学生15~20名ほどがクラスのような形で学ぶ少人数教育が基本となります。1年生から基礎ゼミに入って大学での勉強の仕方、本の読み方、討論や発表の仕方を学び、2年生の秋学期からは専門のゼミで、それぞれの先生が研究されている専門的な分野を勉強していきます。そして、4年生で卒業論文という作品で4年間の勉強してきた成果をまとめます。ゼミを通じて、先生とぶつかり合い、ゼミの仲間と助け合い、4年間を充実したものにして下さい。ただし言っておくけど、昨年度4年間で卒業するストレート卒業率は84%でした。4年後、卒業式に一緒に出られるのは100名中80名ほどなんです。途中で怠けると、卒業は難しいですよ。

Ⅲ 大人へと旅をする
 2つ目は、「旅」をしてほしいということです。文字通りの旅もあります。グローバル化の時代です。学生時代に1年間留学してみるのも、いいんじゃないでしょうか。アメリカやカナダの英語圏だけでなく、中国やアジアの各国に行くのも面白いかもしれません。グローバル世界で活躍する力をつけてみて下さい。日本の各地を訪ねるのも楽しいもんです。
クラブやサークルで自分の特技や趣味を伸ばす旅もいいかもしれません。友達作りの旅でもあります。昨年度でスポーツ系、芸術系、学術系のクラブには約20%、サークルには37%入っており、約半数の学生が活動しています。今新入生の勧誘活動を先輩たちが一所懸命やっていますので、興味関心のあるクラブ・サークルを覗いて下さい。
入学した皆さんの最終的な関心は、やはり就職だろうと思います。おそらく皆さんは、大経大は就職に強いとお聞きになっているかと思います。本学は81年の歴史で9万人をこえる卒業生がいます。関西を中心として全国で活躍してくれており、皆さんにとって強力なサポートをしてくれます。アルバイトをしながら、大人の世界、社会の覗く旅もいいかもしれません。でもやり過ぎると、大学に来なくなり卒業が危なくなってしまいすよ。
小説を読んだり、映画を見たり、音楽を聴いたりしながら、精神の旅をすることも大事かもしれません。今まで知らなかった世界を探検しながら、自分の世界を広げていく。こうした「旅」は、皆さんを「大人」「社会人」へと育てていってくれます。HELPと正直に言ってください。本学には保健室や心理カウンセラーのいる学生相談室があります。遠慮なく訪ねて下さい。ゼミの先生や教務部や学生部のカウンターで職員さんと相談してください。私たち教職員は、一人ひとりの学生さんと正面を向きあう覚悟を持っています。

Ⅳ 初代学長黒正巌博士の「道理は天地を貫く」
 最後にちょっと難しい言葉を一つだけお伝えして、終わりにします。本学の前身である戦前の昭和高等商業学校の校長先生で、戦後1949年に本学の初代学長を務めた黒正巌博士の言葉に「道理貫天地」というのがあります。これは世界で、日本でオンリーワンの大経大オリジナルの言葉です。この言葉を刻んだ石碑がキャンパスにありますから、あとで見つけてください。
道理とは何か、人の生きる道、理。いかに生きるか、いかに死ぬるか。実は先ほどから述べている夢、勉強、旅は、この道理と関係しているのではないでしょうか。道理は、世界をそして目に見えない天地をも貫いているんだ、と黒正博士は言われたのです。繰り返しますが、各人各様の解釈でかまいません。正解はありません。それが大学で学ぶということです。死ぬまでわからないかもしれません。それもおもしろいんじゃないかな。「道理は天地を貫く」、大経大でしか学べないこの言葉、覚えていてほしいのです。

あらためて新入生の皆さん、おめでとう。以上で、皆さんへのお祝いのメッセージといたします。ありがとうございました。

○新入生代表 情報社会学部・井上雄介君の宣誓
 春の訪れとともに、私達は、今日ここに、大学生としての第一歩を踏み出すことができました。
 今、私達新入生一人ひとりの胸の中に抱く思いはさまざまですが、この歴史ある大阪経済大学において、それぞれの目標達成のため、目の前の課題に真摯な姿勢で取り組み、「おかげさま」の心を持って、日々精一杯努力していくことを誓います。