学長・野風草だより

No.451~460

No.451 2014年4月5日(土)

関西六大学野球で始球式

 関西六大学野球の春のリーグが開幕しました。順番で連盟会長の仕事が回ってきました。一番の大役は、開幕戦での始球式です。1週間前に望月学生部長と練習して、山なりの投球でストライクを狙おうと思っていました。さて、当日、思うようにはいきませんね。マウンドがえらく高く感じられて、ワンバウンドになってしまいした。右の写真がその時の様子です。
 試合は、昨年秋リーグで優勝した大阪商業大学に、1対9で負けてしまいました。今後の奮闘を期待したいものです。
当日はチアリーダー部の女子学生、いつも応援してくれている卒業生の峯山さんらと声援しました。以下は、関六のパンフレットに書いたあいさつ文です。

○「六魂球心」の「野球道」を
 「(正岡)子規は腕をぐるぐると回しながら、平岡(熙(ひろし))たちの所に寄り、選手の一人からグローブを受け取った。グローブは高級品ゆえに誰もが持つことはなかった。キャッチャーはマスクをしているが、これとて平岡がアメリカの運動具商スポルディング商会に手紙を出し、ようやく送ってきたものだった。子規はプレートが埋め込んであるピッチャーの定位置に行った。マウンドというものはまだなかった。」(伊集院静『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』2013 講談社 10頁)
 私の故郷である松山弁全開の『ノボさん』を読んでいると、野球が日本に導入されたばかりの明治21年(1888)の様子が描かれています。今では想像がつきませんね。正岡子規(1867~1902)は野球が大好きで、バッター(打者)、ランナー(走者)、フォアボール(四球)などの訳語を作ったことでも知られています。平成14年(2002)には、草創期の野球の普及に貢献したことが評価され、野球殿堂入りを果たしています。
野球が輸入されて100年以上が過ぎ、今や国民的スポーツとして定着し愛され、逆にアメリカに渡る日本人選手も数多くいます。こうしてグランド、ベンチ、バックネット、スタンドの人たち、関六ファンが一体となり、プレーし、サポートし、応援できることの幸せを思います。野球は、まさに日本文化の一つといってもいいでしょう。
 子規の句に、「春風や まりを投げたき 草の原」とあります。2014年度春季リーグが開幕しますが、春風に揺られながら、野球を楽しみたいものです。キャッチャーが得意だった子規は、「球受ける 極秘は 風の柳かな」と詠んでいます。「球」は「魂」。「六魂球心」。6つの魂が寄り集まって一つになる。「球心」は「求心」。球(魂)を追いかけながら、まっすぐな心を求めていく関六ならではの「野球道」。風に揺れる柳のようなしなやかさは、精神論一辺倒、監督や上級生の言いなり、シゴキなどとは無縁です。「風柳」(風流)な日本文化を、関六は目ざしてほしいものです。「子規はいつも懸命にプレーした。・・・週に一度、グラウンドにローラーをかける時も率先してそれを曳いた。」(『ノボさん』11頁)
 日頃より関六を支えて下さっている関係者の皆さまに、深く感謝いたします。今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。