学長・野風草だより

No.524

No.524 2014年11月15日(土)

高校生たちの熱い、17歳からのメッセージ

 今年も全国からたくさんのメッセージが寄せられました。最終審査に残った文章を読ませていただくと、若い人たちの情熱が、もがきが、そして生きてることへの感謝がひしひしと伝わってきます。こうして大学生になる前の人たちのメッセージを読むことで、大学での学生たちへの教育にも大変参考になります。ご支援いただいた読売新聞はじめ関係者の皆さまに感謝申し上げます。
 9月30日の読売新聞にグランプリなど主な受賞作品は掲載しましたが、11月15日には大学にお越しいただいて表彰式を行いました。一人ひとりお名前を呼んで、賞状と記念品をお渡ししました。車いすの高校生さんにも直接お渡しすることが出来ました。皆さんの晴れ晴れとしたお顔を見ていると、今まで続けてきて本当に良かったなと思いました。故郷の愛媛県の高校生さんが来ていましたので、後の懇親会で少しばかり伊予弁でお話をしました。引率されてきた先生に、私の卒業したゼミ生で愛媛県で高校の先生をしてるのがいますよと話したところ、お知り合いだったのでびっくりしました。以下は、パンフに書きました私の挨拶文です。

「変わらないメッセージ、淡いメッセージ」
 17歳からのメッセージは、今年で14回目となりました。全国から2万7千通のメッセージが寄せられました。応募していただいた高校生の皆さん、ありがとう。ご指導いただいた先生方に心より感謝申し上げます。インターネット、スマフォの急速な普及を若い皆さんがどのように捉えているか、今回はテーマに、「インターネットが変えたこと」を設定しました。残念ながらグランプリ作品は出ませんでした。まさに現在進行形の状況ですので、案外難しかったのかもしれませんね。
 これまで通りの「今までの自分、これからの自分」、「今、これだけは言いたい」のテーマでは、グランプリ作品はじめ受賞されたメッセージには、17歳の若くて強い気持ちがあふれていました。自分自身の内面や、まわりの人たちとの関係を見つめながら、ある方向へと変えていきたいという願いを感じることが出来ました。最近の若者は内向き志向だ、外のグローバルな世界へ飛び出す気概がないと、大人たちは嘆きます。しかし、不安や不満を抱えながら生きている自分の現実を見つめなおすことを抜きにして、外国語やスマフォといった通交手段を駆使しても、外で語る内容を持ちえません。

 ある方向は今後変わるかもしれませんし、変わっていいのでしょう。さて、その方向の芯棒にある、変わらないものは何でしょうか、それを求め続けてほしいと思います。初代学長の黒正巌博士は、「道理は天地を貫く」と言いましたが、その「道理」です。芯棒などなくて、辛抱するだけかもしれませんけど・・・
 もう一つ、強いメッセージ性は若さの特権ですが、「淡いメッセージ」もあってもいいのではないでしょうか。周囲の人たちや周りの自然環境との「間柄」をありのままに素直に受け取る。私の方から熱を放射するのではなく、周囲からの熱を感受するのです。そこから新しい方向性が生まれてくる可能性があります。「天地」を感じるです。

 紀元前5世紀頃、インドの仏陀や中国の孔子、ギリシアのソクラテスが世界各地で同時に生まれ、それまでの有限な世界から無限の世界へと船出する不安感・恐怖感から、人間はどのように生きていけばいいのかを考えました。21世紀、グローバル化の中で資源や環境の有限性はもちろん、人類の生命種としての有限性も自覚され始めました。有限の閉塞感・虚無感を受け止めながら、有限な世界を肯定する新たな「地球倫理」とはどのようなものか、若い一七歳の皆さんとともに考えていきたいと思います。