学長・野風草だより

No.550

No.550 2015年1月23日(金)

「情」でつながる国際協力とボランティア

 2014年度「国際協力とボランティア」の報告会が開かれました(野風草だよりNo.32175330)。お世話いただいている原田多美子先生、受け入れていただいている兵庫県ユニセフ協会、緑の地球ネットワーク、PHD協会、富田林の自然を守る会、国際協力の会とよなか、ネパール野球ラリラグラスの会、アジア協会アジア友の会の皆さまに心より御礼申し上げます。今年も19名の学生が参加してくれていました。受入れ団体の概要、実習日程と内容、実習を通じての感想と今後の抱負を、パワポを使って各チームとも上手に報告されていました。ご苦労様でした。

 私からは次のような挨拶をさせていただきました。大阪発祥の古典芸能に文楽があります。昨年引退した浄瑠璃語りの7世竹本住大夫はそれまでの思い出を『人間、やっぱり情でんなぁ』(2014 文藝春秋)で語っています(野風草だよりNo.457)。日本人は自然と「情」が湧いてくるのではないかと言われています。古代の万葉集では、「こころ」は「心」、「情」、万葉仮名の3種でほぼ3分の1ずつ書かれている。「心」は自分の内側に向かう時に使われ、「情」は相手に流れて行く時と、使い分けがあったそうです(金子兜太『一茶句集』1983 岩波書店)。人情、情けなどはこの意味でしょう。

 ボランティアは、特別なことではなく、日本人の伝統的な心情なのではないでしょうか。皆さんの今回の体験もまた、こうした伝統を受け継いだものだと思います。今回の実習で感じたことを大切に温め続けてください。

○認定特定非営利活動法人「緑の地球ネットワーク」の河本公子さんのコメント
 毎年、実習生を受け入れさせていただいていますが、どの学生さんも真摯に実習に臨んでくださり、その姿にこちらも励まされています。最近はGENの活動に学生さんの参加が少なくなっており、どう活動に加わってもらうかが課題となっていますが、実習に来て下さることによってかつては学生だった私たちも“最近の若者”が何を考えているかを知る学びの場となっています。やはり若い人が活動に加わるだけでも場が活気づくのでとても貴重な存在です。
 ただ残念なことに短い期間なのでどうしても受け身の活動になってしまいがちなことです。今後はもっと学生さんが主体となって積極的に取り組める内容を盛り込んでいく工夫をしなければいけないと考えています。今後ともどうぞよろしくお願いします。

○NPO法人「ネパール野球ラリグラスの会」の鈴木秀利さんのコメント
 本会はネパールに野球を広める活動を行っているNPO法人です。大阪経済大学様とは2012年に野球道具をご寄付いただいたご縁もあり、今回、実習生を受け入れさせていただきました。実習では、伊藤伸高君と石本達哉君には書類の発送作業や野球交流会等に参加していただきました。このような実習生を受け入れるのは初めてでしたが、発表会での報告を聞き、両名とも会の活動を理解され、また、今回の実習がボランティアや国際交流の実際を学ぶ上での貴重な経験となったとのことで、嬉しく思います。私どもの活動の原点は大学生のボランティア活動です。学生の皆さんの今後のご活躍に期待いたします。

○公益社団法人「アジア協会アジア友の会」の熱田典子さんのコメント
 「国際ボランティア」の必要性を感じてくださったことを聞くことが出来とても嬉しかったです。現在、若い世代の活動人数が減っています。NGO団体としては是非ともみなさんが今回の実習を機に自分自身が出来る形でいいので、国際ボランティアを続けて行かれることを期待しています。又皆さんの学ばれている経済から国際ボランティアや国際協力を考えてみてください。今回の実習がスタートとしたら皆さん一人一人の力で、それがどのように発展していくかがとても楽しみです。
 国際社会、グローバル社会という言葉を日常的に聞くことが出来るようになった今日ですが、日常、真のグローバル的視野をもって過ごすことは難しいのが現状です。しかしながら私たちの暮らしは国際社会とのつながりを無視しては成り立たないのが現状です。みなさんはどのようなグローバル的視野を今回の実習を機に持たれたでしょうか。
 また人間力という言葉をよく聞きますが、私は、人間力というのは最終的には社会に役立つことが出来る力であると思います。“社会に役立つ”とは、どういうことなのか是非とも今回のボランティア体験実習で得たことを活かしていただき、自国を大切に想い世界の事を視野に入れながら、良い社会つくりのための担い手となってくださることを期待しています。
 「国際協力とボランティア」報告発表会にて学生の皆様がこれまでの学びと活動を通して身についたことを聞くことが出来、こちらも勉強になりました。有難うございました。私たちNGOにこのような機会をつくってくださった学長様、教職員の皆様、そして原田先生に感謝を申し上げ、結びといたします。
 右の写真は、ネパールの子ども達と植林活動(2015年1月)の様子です。