学長・野風草だより

No.571~580

No.571 2015年4月10日(金)

経済学部の林明信先生のバンクーバー便り

 経済学部の林先生から、お便りをいただきました。元気で留学生活を過ごされているようです。写真は上から、下宿先の近くにあるバス停の満開の桜、University of California, Irvineの交通研究セミナーでの発表の様子、カナダで見たオーロラです。






 私は2014年9月より、カナダのバンクーバーにあるUniversity of BritishColumbia(UBC), Sauder school of business にて客員教授として研究活動をしております。この便りを書く時点では、在外研究の期間が半分以上過ぎました。大経大の皆さんに簡単な途中報告をさせて頂きます。

現地での生活(雑談)
 バンクーバー(Vancouver)はカナダの第3都市で、人口は約60万人です。気候は温暖で過ごしやすいです。夏の平均温度は18度、冬は3度だそうです。この冬は雪が一回だけ降りました。ただ、11月から3月あたりまでは雨の日が多くて、研究にもってこいです(笑)。私は大学のキャンパス内にあるアパートを借りており、アパートの周りは3月中旬頃から桜が綺麗に咲いていました。
 バンクーバーは国際的な都市で、様々な文化、言語を持つ人々が住んでいます。ご存知のように、カナダの公用語は英語とフランス語ですが、中華系の移民の存在感がますます高まる中で、バンクーバー国際空港の案内等には、中国語も表示されており、またダウンタウンでは、デパートから小規模の店舗まで、その多くは中国語が通じる模様です。バンクーバーでは、公共交通機関が利用しやすく、禁煙もかなり厳しいため、運転をしないような嫌煙家にとっては良い環境です。また、治安がよく、親切な人が多いです。他方、少し意外に思ったのは物価の高さです。特に、家賃や食費をはじめ、数年ほど前から日本の大都市圏を超えたそうです。

研究環境と進捗状況

 在外研究の魅力の一つは、国際的に著名な(優秀な)研究者と定期的に対面しながら、研究の議論ができるという利点です。その議論の内容は、自分ではなかなか思いつかない発想も多く、大変刺激を感じさせられるものばかりです。私の例で言えば、受け入れ先のAnming Zhang教授は交通経済と政策、航空貨物物流、産業組織の研究分野において、国際的に高く評価されている研究者です。私が最近になって、論文を国際専門誌に公刊させ、またその論文が引用されるようになったのも、Anming教授の数々の論文と出会い、その研究内容に共感と感銘を受け、さらに彼本人から温かい指導と激励を受けたからこそできたのです。
 いつか、一緒に共同研究をして、共著論文の公刊ができたら・・とずっと研究の夢を見てきました。この度の在外研究のおかげで、この夢に一歩近づきました。今年1月に、彼との共同論文をまとめることができました。その論文を研究先のセミナーで、また3月にEconomics Department, School of Social Sciences, University ofCalifornia, Irvineの交通研究セミナーで発表することができました。現在、国際学会での報告および、国際雑誌への投稿作業を進めております。

帰国後の楽しみ
 研究の合間に、研究先の講義風景や教授の教え方についても注意を払っております。特に、現地の学生の学習熱心さに感心したことがあります。授業の後、学生が質問するのはもちろんのこと、場所に問わず、教授と学生が話し合いたり議論したりする場面もよく見かけます。また、土日でも、図書館で勉強する学生が多く見られます(特に試験期間中でもないと思います)。
 実はうちの大学にも、先生の質問を真剣に考えながら、授業に積極的に参加している勉強熱心な学生達がいました。特に、去年の春学期(在外研究の直前の学期)に一年生の経済学入門(前半の7回)を担当致しましたが、その時の受講生たちの勉強熱心さを時々思い出します。在外研究前の産業組織論と経済学入門の履修生で優秀な成績をとった受講生たちに、約束のカナダお土産を用意して、この秋学期に渡すことが楽しみです。また、北米の大学には少人数のゼミ教育の制度がないそうです。日本のゼミ教育は良い制度だと感じております。これからどのようなゼミ生と出会い、またゼミ生達にどのようなことを与えることができるか、UBCのキャンパスにいながら、時々考えております。最後に、大経大の学生会館の食堂に昼食を食べに行くことも楽しみの一つです。