学長・野風草だより

No.587

No.587 2015年5月1日(金)

ソーシャル・ビジネスのアバンティ・渡邊社長のお話し

 アバンティの渡邊智恵子社長には、昨年11月の産業セミナーで講演していただき、私は大変感動しました(野風草だよりNo.528)。その時、比叡山のお札が入った「幸せ御守」をいただき、カバンの中にぶら下げています。そして「はてにゃん」のマークが入ったオーガニックコットンのタオルを東日本大震災の復興を支援する「東北グランマの仕事づくり」プロジェクトチームで製造していただき、産業セミナーの参会者に配布していただきました。こうしたちょっとしたグッズが思い出をつなげてくれます。
 今年になって、是非どんな会社か知りたいと思い、アポを取って新宿御苑近くの本社をお訪ねしました。(株式会社アバンティ)1階の店舗PRISTINEには素敵な小千谷縮の反物がありましたが手が出ず、オーガニックコットンのタオルを買いました。色が茶色っぽいには、綿の繊維そのままで白く染色していないからです。渡邊さんや会社の方々、そしてお客さんともお会いして話が弾んで行方が分からなくなり、なぜか渡邊さんが古くからお付き合いのある方のロックのライブに行ってしまいました。まあいいさ、これも旅の思い出です。

 5月1日、渡邊さんが来られるということで、ワクワクして待っていました。非常勤の山岸裕先生がリスクマネジメントの授業でお呼びしたのです。こうした学生たちのとの素晴らしい出会いを作ってくださった山岸先生に心から感謝いたします。「人は何のために生きるのか」のテーマで、2コマ分、たっぷりとお話しいただき、学生たちからの質問にも丁寧に答えていただきました。
 アバンティの基本理念は、「敬天愛人」。天をうやまい、天が人を愛するように(ここが大事、天を敬い人を愛するではない)、人を愛するです。経営理念は、オーガニック製品を通して、地球環境の保全と社会貢献をする。ここがソーシャルビジネスたる所以です。行動基準は、社会倫理に照らし、人として正しいと思うことを実践する。関わる全ての人々が利益を分かち合う、「四方良し」の精神を実践するです。「売り手良し、買い手良し、世間良し」の近江商人の「三方良し」に、「作り手良し」を加えているのです。これは、「遺伝子組み換えをしていない・児童労働に関わっていない・労働者の人権を守る・化学薬剤を使用しない」という、農業・製造現場で働く人たちを考えてのことです。

 私にとっても素晴らしいひと時でしたが、受講していた学生さんたち150名ほどにとっても知的刺激と感動をいただいたひと時ではなかったでしょうか。途中休憩や終了後に、多くの学生さんが渡邊さんと話していたことからもわかります。こんな出会いの場を提供するのが、大経大の教育なんだと思いを強くしました。改めて山岸先生と渡邊様に感謝いたします。
 私が一番印象に残った言葉は、「想いが形になるには、その想いが高く強くなければならない」、「気高くとは志の高さをいう」です。ありがとうございます。60歳を過ぎて(私と同年!)、その気持ちを持続され、ソーシャルビジネスを継続させている生き方に触れることが出来た幸せに感謝いたします。

○渡邊智恵子さんのコメント
 新幹線の車窓からは新緑から深緑に変わって行くエネルギーを感じながら、新大阪に着いたらもう夏の暑さでした。川を埋め立てて作ったという新幹線の陸橋をくぐり抜け、海抜2mの看板が目につき、地震があったら液状化現象でこの辺りはまずいなと思いながらタクシーを降りたら今までの世界とは全く別世界、ソフィスティケートされた大阪経済大学の玄関でした。
 横断歩道に初老のガードマンが安全を確認してくれ、その向こうにはニコニコ顔で迎えてくれた後藤さん、大きな樹の下、木洩れ陽の注ぐ守衛室では窓が大きく開かれ「ようこそおいでくださいました。お待ち申しておりました」と言わんかなスタッフのおもてなし。黒正巌先生の銅像の横には花壇が広がり、お水を撒いて手入れをしているガーディナーもいて、全てが人間的で暖かくて優しくて、感動もんでした。

 D33教室ではこの特別講義を企画してくださった山岸先生がたくさんの学生達と私を待っていてくれました。念願叶ってこの授業ができました、立ち見が出るくらいにしたいですといってくださり、学校外までお誘いしてくれた山岸先生には本当に感謝です。仕事が人生と思っている私の話が学生達に何かの刺激になったらと思い、すこし力んだところはあったかなと思います。この私がすこしでもお役に立つのでしたら、なんでも言ってください!聞いてください!そんな気持ちでした。でもたくさん出してくれた質問にはほとんど答えられなかったのが残念です。そのためのPARTⅡを用意して欲しいです。手弁当で参ります。

 お忙しい徳永学長が二時限の授業を最後まで聴いてくださり、授業の内容のフィードバックとアドバイスもしてくださいました。私のこれからの大学での授業にはとても有益でありました。学生達が分かるから中規模のこのサイズがちょうど良いですと言われた学長、感動しました。今までに大学での特別授業をさせていただくことは相当にありましたが、このように徳永学長はじめ、そして担当の山岸先生のような細心に渡っての人間的で暖かいおもてなしを受けたのは初めてでした。
 授業だけにとどまらず、学生達の就職活動、社会に出てどのように自分の夢を叶えていくかを親身になって考えているということが、至る所で感じられました。学内の何処でもが開かれた雰囲気が漂い、緊張感がほぐれました。このような大学が増えたら日本の未来はもっと明るくなると感じました。このような機会を与えていただきました事を心から感謝いたします。

○担当した山岸 裕先生のコメント
 渡邊さんが社会起業家として取り上げられていたNHKの番組を観てから5年近くの時間が経ちましたが、渡邊さんをうちの学生たちに是非会わせたいという思いをやっと実現することが出来て、長年の宿題をやっと終えた気分です。多くの学生たちが、就職活動をするにあたって自分が何をしたいのかわからないと言いますが、自分のしたいことに本当に出会ったら、そのときは心と体が震えるから必ずわかるものだと思います。それがわからないのは、しなければならないことばかりに流されて心と体が喜ぶ感性を眠らせてしまっているからなのかもしれません。
 そんな感性を目覚めさせるための刺激を与えてくれる人として渡邊さんはうってつけの方でした。今回の講演をきいてそんな感性が眠りから覚めた学生が一人でもいたらとても嬉しく思います。そしてきっといるだろうと確信できる講演会でした。講演をしてくれた渡邊さんはじめ、お手伝いいただいたみなさん、本当にありがとうございました。

○受講生の山下彩雅さんのコメント
 渡邊さんの講演を振り返えって、本当に夢のような貴重な時間だったと感じています。現在、就職活動をしている中で私が忘れかけていた「自分の大切にしたいことは何なのか」ということを、改めて考えることができた日となりました。渡邊さんのお話の中で心に響いた言葉がたくさんあります。「“想い”が形になるためには“想い”が強くなくてはならない。」この言葉を大切にし、日々目標と熱い“想い”をもって気高い生き方をしていきたいと考えました。自分に正直に、慌てず進んでいきます。講演会を開催してくださった大阪経済大学と山岸先生、そして自分と向き合わせてくれた渡邊さんに本当に感謝しています。本当にありがとうございました。