学長・野風草だより

No.591~600

No.591 2015年5月16日(土)

どんどん広がる音楽の世界

 5月の新緑の季節です。庭では、白い夏椿が咲いています。日本的風情があって、好きな花の一つです。今年はなんと200以上咲いてくれました。朝に開き夕方に落花する一日花ですが、今年は2、3日持ってくれています。朝起きると10くらい白い花が落ちており、拾い集めるのが日課です。日本石楠花、平戸つつじ、山法師、紫蘭・・・次々と咲きながら季節が動いていくのを感じます。トカゲがいっぱい出てきましたよ。「ピーチクピー」と鳴く小鳥は、何ていうのだろう?

 大阪音楽大学は本年、創立100周年を迎えます。おめでとうございます。大阪音大の卒業生・現役生などの歌手、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団、「ロッシーニの神様」と呼ばれる指揮者アルベルト・ゼッダの指揮で、イタリアのロッシーニ(1792~1868)のオペラ「ランスへの旅」を観劇しました。1825年に挙行されたフランス国王シャルル10世戴冠式のために、絶頂期のロッシーニが作曲した祝典的オペラで、ベルカント歌唱の饗宴と言われています。本格的なオペラを観劇するのは初めてでしたが、横に日本語の字幕が付きましたので、ストーリーもよくわかりました。

 ソロはもちろん、2~14重唱まで、人間の歌声の表情の変幻自在におそれいりました。重唱がとくに素敵でした。最後、私は感激してスタンディング・オベーションをしました。素人印象ですが、支配人のバリトンの田中勉さん、貫録があって良かったな。女将のソプラノの石橋栄実さん、全体をまとめていた感じ。騎士テノールの中川正崇さん、軽妙な感じを出しながら、すごく声が伸びていた。コリンナのソプラノの老田裕子さん、最後の第9曲でのソロ、素晴らしかった。外国人では、テノールのロシツキ―がいいなと思いました。すばらしいひと時で、感激して帰りの渡辺橋で一杯飲みながら、余韻を楽しみました。
 大阪音楽大学の中村孝義理事長からは、次のようなメールをいただきました。「オペラハウスを建ててから25年、やっと本物が育ってきた感じがします。何をするのにも時間がかかりますね。ゼッダさんを始め、多くの歌手たち、スタッフたちの努力のたまものである昨日のような演奏は、我々にだけではなく、多くの人々に、生きる喜びと勇気を与えてくれたように思います。 これこそが芸術が目指している所なので、今後も骨身を惜しまず努力を続けたいと思います。」
 素晴らしいひと時を与えていただいた大阪音楽大学に深く感謝いたします。

 京都市交響楽団は、新しい試みでファンを広げています。先日はジャズピアノの山下洋輔とのコラボでしたが(野風草だよりNo.574)、今回はBEGINのヴォーカル比嘉栄昇とのコラボでした。石垣島出身のBEGINの歌声が好きになったのは、2006年の教職員組合の夏の旅行で家族で石垣島を訪ねた時からです。夜の宴会でバスの運転手さんやガイドさんが、島唄や民謡、そしてBEGINの「オジー自慢のオリオンビール」などを歌ってくれたのを懐かしく思い出します。この日は、日本歌曲の「故郷」、「浜千鳥」、「琵琶湖周航の歌」、ちあきなおみがカバーした「黄昏のビギン」、堺正章が歌った「街の灯り」、比嘉が作詞作曲した「八重のふるさと」、「郵便ポストに投函した日」、「東京てぃんさぐ赤い花」、「まえの日」、そして「こころのこだま」でした。「こころのこだま」は、手拍子をしながら立ち上がって、観客全員で輪唱しました。アンコールでも歌いました。

 比嘉の歌声は、とても柔らくて伸び伸びとして会場全体に響き渡ります。オーケストラとの共演は初めてだそうですが、やさしい人柄がにじみ出ていて、一体感が醸し出され、違和感なく聞くことが出来ました。今回も記念にCD「えいしょうか その二」を買って帰り、楽しんでいます。次は、BEGINのライブを聞いてみたいもんです。