学長・野風草だより

No.673

No.673 2016年1月13日(水)

産・官・学でコラボする山本俊一郎ゼミ

 「ゼミの大経大」がさらに発展しています。経済学部の山本俊一郎ゼミが、大阪市経済戦略局と市内のものづくり企業とコラボして、大学生ならではの企画提案をし、発表会が開かれました。目的として、大学生に対し、中小ものづくり企業の経営者やそこで働く社員の方々から、自社の事業内容や中小ものづくり企業で働くことの意義などを語っていただくことにより、自社のみならず中小ものづくり企業の魅力を発信し、大学生に中小ものづくり企業に対する理解を深めてもらうと掲げられています。ものづくり企業としては、学生の実態を知る、学生ならではの課題解決の提案を聞く、会社や従業員の成長機会になる、会社の知名度の向上につながるといったメリットがあります。学生たちにとっても、中小企業のとの出会いの場が出来、選択が広がる、働く上でのミスマッチが減る、今後の就活に役立つといったメリットがあります。具体的な活動の様子は、コンサスの土井さんが書いてくださっていますので、お読みください。学生たちは、緊張していましたが、学生ならではの視点から立派なプレゼンをしていました。
 私からは、次のような御礼の挨拶をいたしました。本学では「ゼミの大経大」を掲げて教育活動をしてきましたが、それが学内にとどまらず企業さん、行政の方々と協力して学外へとつながっていることをうれしく思います。青年、学生たちを一緒になって育てていくこと、今こそ求めれられています。近江商人のことわざに「三方良し」というのがありますが、売り手良し、買い手良し、世間良しに加えて、作り手良し、さらには環境良しが必要となってきた時代で、「五方良し」かもしれません。21世紀は大きな時代の転換点です。今までの拡大成長・利益至上主義から、「五方良し」への転換です。そこでこそ、若者たちのアソビ心、日本文化の自然との融和が必要となってくるのではないでしょうか。

○株式会社コンサス 代表取締役 土井靖士さんのコメント
11月のゼミに参加し私からの講演
 会社の社長と話す機会がないのか少し緊張した感じの大学生達。こちらが笑いを取ろうとする場面も真面目にメモを取り聴講、講演慣れしている私も少し戸惑いながらも愚直に(株)コンサスのいいところを話しました。むしろ課題がみつけにくい話になったかと・・ちょっと反省。学生たちは就職に関しての話になるとかなり興味をもったようでした。

12月の会社見学
 山本先生といっしょに会社に来ていただきました。2014年10月に竣工したばかりの本社工場、これを建てるまでの経緯と理由とコンセプトを説明後に私がオフィスの概要を製造本部長が工場の概要を説明しました。皆熱心にメモを取りながらの見学。お昼になっても見学継続、学生たちの熱心さにこちらも引っ張られいい刺激をいただきました。思ってた以上にきっちりとされているという感想、率直に嬉しく感じました。テーマは ①5S ②品質管理 ③従業員のモチベーション ④見える化 と決まり、1月の発表が増々楽しみになってきました。

1月の発表
 製造本部長・総務部採用担当と私の3人で参加し聴講させていただきました。3つの発表の中でトップバッター。自社の社員が発表するかのようなドキドキしながら聴講しました。日々の業務に追われているので気にかけなかったバルブ業界の現状の発表、自社の製品が置かれている現状分析を忘れていたことに気付き、まず自分が反省。社員のモチベーションアップに繋がる偉人達の言葉、その例が松岡修造の日めくりカレンダー(笑)、簡単に考えたほうが若者に響くのかと気づきもありました。遊び心と取り入れたものづくり。客先の仕様にあわせた工業製品をつくっている弊社にとって考えたこともない事。でも製造部長は嬉しそうな顔をしていました。利益だけでなく社員のモチベーションアップや企業のイメージアップの為にはこういうことも取り入れる必要もあるよね・・・と実感。MADE WITH JAPANのものづくりで配管インテリアや配管人形、配管楽器などなど「あつたらいいなの製品開発」の領域は広がりそうです。
 大学生からたくさんの気づきと元気、そして刺激をいただきありがとうございました。
 またこの取組の話をものづくり企業経営者に話すると羨ましがられました。機会があれば今後も参加したいと思う産学公連携の取り組みでした。

○コンサス班 原田涼平君のコメント
 今回の交流事業をさせて頂くまでは、中小ものづくり企業についてほぼ何も知りませんでした。社長さんからお話を伺い、「これからの日本のものづくり」という発表課題を頂き、工場見学もさせて頂きました。工場では、非常に高度な技術で配管を複雑に溶接しており、皆さんがものづくりに対するプライドをもって仕事をされている姿を見せて頂きました。その中で、私たちの班はプライドやモチベーションの向上方策に着目し、発表しました。この取り組みが、就職先の一つとして中小ものづくり企業を考えるきっかけになりました。

○金井重要工業株式会社さんのコメント
 今回の取組に関して、学生に対して非常に高い目標を設定しました。それに対して学生は必死に考え、悩み、学生だからこそ出る回答を出してくれたことに非常に感心致しました。与えられた目標をそのまま達成するのではなく、自分たちなりに考え、答えを出すことは社会人においても非常に重要なことで、そのことをこのプロジェクトを通じて自ら答えを出したことは学生にとっても非常に貴重な経験だと思います。我々にとってもこの課題に対して凝り固まった考えで、取り組んでいたこともあり、新たな解決の手がかりを得たことは非常に貴重だったと感じます。

○金井重要工業班 一宮正寛君のコメント
 私は、今回の地元企業との交流会を通して、中小企業の方々と直にお会いしお話を伺う機会を持ったことで、中小企業が多くの企業を支える縁の下の力持ちであることや、中小企業にしかない良さや技術がたくさんあることがわかりました。また取り組みの内容については、課題に対して逃げずに根気よく向き合うこと、自身の考えの根拠を深く追求し説得力を持って周囲に訴えるプロセスを実体験を通じて学べたのでとても勉強になりました。 
 また、与えられた課題の中にある真の問題点を見つけだすこと。それをみんなと共有し議論することで一つの結論を導き出し、結論に至るまでのプロセスを分かりやすく発表できるよう作りこむ流れは、実社会に出てからもきっと役に立つ経験だと思います。またこれまでになかった視点で企業を見ることができたので、就活の対象を中小企業にも広げて、より自分にマッチした環境で最高のパフォーマンスを発揮できる仕事場を見つけたいと思いました。

○木村アルミ箔株式会社さんのコメント
 この度の大阪経済大学×ものづくり企業のコラボで実現致しました活動に参加出来ました事、誠に光栄に感じております。このプロジェクトの事業効果は学生と企業の成長であり、私共メーカー企業と致しましては当初戸惑いも御座いました。課題となるテーマに何を設定すれば相互的に成長できるのか。弊社の現状の課題は食品包装資材という事業ドメインの主力製品における成熟市場への課題と併行して新たな事業ドメインでもある食品食材をもうひとつの柱にしていくべく新たな市場発掘と製品開発が求められるという事です。
 学生の皆さんには敢えてメーカー企業の社員の立場に立って戴き新規市場のマーケットリサーチから製品開発プロジェクト、販売プロモーションのプロセスを体験して戴き、広い視野で社会へ出る一歩を踏み出して戴く喜びを感じて戴きたいと率直に感じ私自身も刺激を受ける事が出来ました。今回、3度に渡り、ゼミでの討論会、また弊社工場を見学戴き弊社をより一層知って頂いた上で個人個人が素直な発想で製品を開発してみようという姿を見て成長を目の当たり出来たことを嬉しく思います。
 学長様が仰られました転換期は、正にそう感じられます。遊び・ゆとり・日本らしさをこれからの新時代を生き抜く若い世代が自信に満ち溢れた人材に成る事が経済を明るく発展していくものと考えます。我々企業と致しましてもまだまだこんなニーズが有るんだ、消費者はこんなことを考えているんだという新しい発見を見出すことが出来て大変良い活動と成りました事を感謝し今後に生かしていければ幸いで御座います。

○木村アルミ箔班 西川茉那さんのコメント
 企業とのコラボ交流事業を体験する前は、ものづくりの中小企業に関する情報が少なく、就職することに不安がありました。しかし、交流をすることで中小企業ならではのアットホームな雰囲気や仕事に対するやりがいを感じ、多くのメリットを知ることができました。就職先の選択肢の幅が広がった気がします。また、企業見学の際に自らアポイントを取って訪問するという機会を与えてもらい、就職活動に対して意識ができた事がとても良かったです。


○大阪市経済戦略局産業振興部地域産業課 金﨑 孝之さんのコメント
 はじめに、今回私どもが企画させていただいた事業にご協力いただいた皆様に対し、この場をお借りしまして改めてお礼を申し上げます。
 今回の事業は、普段ものづくり企業と接する機会がない学生の皆様に少しでも関心を持っていただければと思い、企画させていただきました。
 短い期間の中ではありましたが、学生の皆様が企業から与えられた課題に真剣に向き合い、また実際に企業を訪問し現場を見たことで、ものづくり企業への理解を深めていただけたのではないかと考えております。
 事実、学生の皆様の最終発表の出来栄えは、私どもが想定した以上のもので、大変感心させられました。
 今後とも、このような取組を通じて、ものづくり企業の良さを発信していきたいと思っております。ありがとうございました。

○ゼミ教員 山本俊一郎先生のコメント
 交流事業が始まった当初は3企業からあたえられた課題に対して,ゼミ生もイメージがわかず,業界研究や先進事例のまとめに終始する状況が続いていました。しかし,実際に企業を訪問し工場見学を終えたあたりから,ゼミ生自ら企業の一員になった気持ちで考え,悩み,具体的な課題解決に向けて取り組むようになりました。この事業をつうじて,答えのない課題に日々立ち向かう企業活動の一端に触れることができ,卒業研究につながる有意義な活動となりました。今後も多様な企業と関わり合いながら,お互いに率直な議論を交わせる交流を継続していきたいと考えております。