学長・野風草だより

No.675

No.675 2016年2月3日(水)

春隣→節分→立春大吉

 春隣という季語があります。冬が終わり、春の気配を感じる時の言葉です。今冬は暖冬でしたので、節分はちょうど季節の変わり目の感じですね。樹々の花は、敏感に感じ取り、梅やマンサクがはや満開に近く咲いています。
 節分には、恵方巻を買って南南東に向かって食べ、イワシを焼きました。昔々、故郷の松山ではイワシの頭を柊の枝に刺して、台所の外に掛けていたのを思い出します。そして吉田神社の福豆で、「鬼は外、福は内」の豆まきを行いました。自宅の界隈で節分というと、吉田神社の火炉祭が有名ですが(野風草だよりNo.39)、今年は趣を変えて、須賀神社と聖護院に出かけてみました。

 須賀神社は、「懸想文(けそうぶみ)」で有名です。今でいうラブレターのようなものですが、写真のような烏帽子、水干で布で顔を隠した二人組が、梅の枝と懸想文を持って、参詣客に売り歩くのです。江戸時代にはけっこう各所でやられていたようですが、今はこの須賀神社が有名らしいです。これを鏡台や箪笥の抽斗に入れておくと、衣装持ちになり、容姿が美しくなり、良縁に恵まれるという縁起物です。うちの娘たちにも一応買ってきて、入れておきましたが・・・

 須賀神社の向かい側には、聖護院(しょうごいん)があります。地名として、聖護院大根や聖護院八つ橋で有名です。ここは本山修験宗の総本山です。昔、聖護院の借家に住んでいた時には、法螺貝の響きが聞こえてきたものです。節分祭では、何十人もの山伏姿の修験者が法螺貝を吹き鳴らしながら、練り歩きます。女性もいます。そして、山伏問答があり、桃の木でできた弓で矢を放って鬼を退散させたあと、大護摩供をして一年の無病息災を祈るという行事です。白煙がもうもうと上がり、迫力があります。宸殿にもお参りして、無病息災、家内安全、天下泰平を祈りました。
 翌日は立春。春の到来です。福寿草が土中から出てきて、黄色い蕾を見せています。あずき色の沈丁花も、もうすぐ開きそうです。