学長・野風草だより

No.696

No.696 2016年6月22日(水)

ゼミの教え子の北タイでの布教活動

 私の新入生特殊講義では、多方面で活躍する卒業生に来ていただき、講演をしてもらっています(野風草だよりNo.610605598など)。私の12期のゼミ卒業生である額賀潤二さんが、布教活動先である北タイから休暇で戻ってこられたので、6月8日の新入生特殊講義でお話ししてもらいました。彼には2010、2013年にも講演してもらっています(野風草だよりNo.388)。
 言葉だけではわかりにくいので、スライドを使いながら布教活動の様子を伝えてもらいました。「宣教師」というとフランシスコ・ザビエルを思い出す学生たちですが、あとで感想を聞くと、信じられない、このような先輩がいることを知って誇らしい気持ちです、といった感想を寄せていました。毎週水曜日の夜、ゼミの現役生と卒業生が集まっている近くの「セブン」にもご夫妻で来ていただき、交流を深めました。

 布教先では、牧畜などが盛んになってきているということでした。ちょうど6月中下旬に札幌へ行くというので、私の知り合いで中標津で「マイペース酪農」をされている三友盛行さんを紹介しました(野風草だよりNo.450684)。うまく日程が合い、訪問することになりました。前日、同窓会の北海道支部長で十勝の池田正勝さんから、三友牧場を紹介した北海道新聞が送られてきました。池田さんとは5月28日に開かれた同窓会理事会で、親しくお話していました。すぐにお電話して、中標津の三友牧場を訪ねてみませんかと言うと、是非にということになりました。

 こうして6月22日、札幌から十勝から車を飛ばして、私が調査させていただいている中標津の三友牧場で、三友夫妻、額賀夫妻、池田さんの5人が親しく懇談することになりました。額賀さんは、「北海道の大自然の中の牧場で、暖炉を炊いて温もった部屋で、まったく面識のない私たち5名が徳永先生を中心に集まっている光景に、なんとも不思議な感覚を覚えました。いろいろと御手配いただきまして、心より感謝申し上げます。」と言われていました。
 こうした私利私欲のない、「ゼニ・カネ」の絡まない、「世のため・人のため」の「つながり」こそが、明日の社会を作っていく原動力であり、大経大の「つながる力。No.1」の底力なのでしょう。皆さまとのご縁に改めて感謝いたします。

○北タイ チェンライ県宣教師 額賀潤二・ひとみさんのコメント
 この度は大阪経済大学での新入生特殊講義にて新入生の皆様に北タイでの活動の様子を紹介する時間をいただき、徳永先生と大阪経済大学に心より感謝申し上げます。私たちは北タイ、チェンライ県でキリスト教の宣教師として活動し、主に山岳地帯に住んでいる山岳民族のクム族の方々に聖書を教える働きをしております。
 クム族は焼き畑農耕民族で山の中に集落を築き、自給自足の生活をしておりましたが、現在は平和だった村社会も資本主義の影響を受け、物々交換の助け合いから貨幣中心の個人主義へと移行し、先祖から受け継いできた平和な村社会を失いつつあります。資本主義から見た彼らの生活は十分な食料と教育があるとは言えず、社会的弱者と呼び、多くの支援団体が彼らの生活を向上させようと介入します。NGO団体や宣教師の多くは、「お金」を使って彼らを助けようとします。しかし、多くの場合その「お金」によって、彼らの平和な村や人間関係が破壊されていきます。

 「お金」が定着してしまったクム族社会で村人は、「平和な昔に戻りたい」と言いますが、もう後戻りすることは出来ません。資本主義を受け入れつつ、昔のような平和な生活を取り戻すこと、それが私たちの目指す「自立支援」です。宣教師は聖書が語る神と平和について語りますが、それは平和のための一側面でしかありません。宗教的なことだけでなく、クム族が今の時代を生きてゆくために、村人と一緒に時間を使ってゆっくりと話し合い、共に失敗しながら希望を持って彼らと一緒にクム族の明るい将来を夢見ていきたいと思います。
 最後の写真は、村でヤギを丸焼きしているところです。