学長・野風草だより

No.715

No.715 2016年7月1日(金)

籠谷公司先生による国際ワークショップ

 6月30日から2日間、本学において第3回東アジア安全保障ワークショップ(East Asian Security Workshop)が開催されました。これは、籠谷公司准教授(経済学部)がサントリー文化財団から研究助成を受けて企画された国際ワークショップです。神戸大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校、シドニー大学、高麗大学校、成均館大学校、華東師範大学、香港大学といった世界の大学から研究者が集い、8つの報告について議論されました。こうした国際的な会議、研究会が本学で開かれることは、素晴らしいことです。今後とも国際化に向けて、こうした集まりが引き続き開かれることを期待します。以下は、私が挨拶した内容です。

Good morning everyone! I am Mitsutoshi Tokunaga and the president of Osaka University of Economics.
      Welcome to Osaka, Japan. I am very glad that our school hosts the 2016 East Asian Security Workshop and we have researchers from different countries in the Asia-Pacific region to discuss their papers. I hope the first day of the meeting went well.
      In the last twenty years, North Korea engaged in the development of nuclear weapons and China pursued military expansion to enhance its influence in the region. Especially, China’s ambition caused territorial disputes in East China and South China Seas. Japan is also confronting territorial disputes with China, Russia and South Korea. We notice that the media covers military actions more often and political tensions can cause the rise of nationalism.
      Given such a difficult situation, we really need to understand the dynamics of international disputes to pursue peace in the region. The Suntory foundation supported Professor. Kagotani to hold the workshop and produce the research outcomes using rigorous scientific methods. I hope that you have great discussions and your research helps for securing peace in the region.

○籠谷先生のコメント
 近年、日本と隣国の間では領土を巡る争いが激化し、政策担当者や地域研究者の注目を集める一方で、政治学者による厳密な社会科学の手法を適用した東アジアの安全保障研究は未だに十分な成果を上げてはいません。それゆえ、政策論議が十分な根拠に基づかず、国家間の関係性を不必要に緊張させかねない状況にあります。今回のワークショップは、そのような問題点を解決する糸口を提供するためにあったように思います。
 私は、「日本は『普通の国』へ戻ろうとしているのか――周辺諸国による脅威と国会審議」と題する報告をしました。外的脅威が増えた際に、外務大臣と防衛大臣のどちらがより多くの質問を受け、政策決定の議論に関わるのかという点に注目し、日本政府が安全保障の問題を外交と軍事力のどちらで解決を図ろうとしているのかを問いかけました。そして、近年は外交による平和的解決を図ろうとする傾向が強くなってきているという分析結果を提示しました。
 また、イギリスで一年間の語学留学を終えた私のゼミの学生が、当日の助手としてワークショップに参加してくれました。彼の語学留学の成果は素晴らしいもので、研究成果や議論についてのメモをしっかりと取り、世界から集まった学者たちと普通に会話を楽しんでいるようでした。大学の国際化が頻繁に取り上げられる中、本学の学生が国際環境の中で対応している姿に感銘を受けました。本学の国際化が少しずつでも進展していること知ることができて、うれしく思いました。