学長・野風草だより

No.716

No.716 2016年7月29日(金)

全学FDのトリは「英語で授業を」

 春学期は、本村光江委員長のもとFD委員会のご努力により、全学FDが熱心に行われ、たくさんの教職員が参加して、研究・教育能力の向上に努めました。6月17日(金)は近畿大学の世耕石弘氏による「知と汗と涙の近大流コミュニケーション戦略」(54名出席)(野風草だよりNo.702)、7月15日(金)は大学入試センターの山地弘起氏による「アクティブラーニングとその実践」(38名出席)、そして7月22日(金)は大阪大学の川嶋太津夫氏による「学士課程教育とキャリア教育」(41名出席)でした。
 最後のトリは、経済学部の籠谷公司先生と本村光江先生による「英語で授業を行うために~模擬講義を通して~」でした。出席は51名!の多さ。これはお昼の軽食を用意したからではなく、国際化に対応する英語の授業の必要性を皆さんが感じ取っているからだろうと思います。昨今、外国からの本学への留学生が減少傾向にあり、その一因として英語で学ぶことのできる科目の少なさが挙げられます。留学生に選ばれるため、そして協定大学との交流促進のため、英語での授業を増やすことが求められています。模擬講義を通して、その秘訣や課題を共有し、英語による授業のイメージをつけてもらうことで実施に向けての障壁を下げ、また、日本人学生にもわかり易い授業ができるようにすることが目的でした。

 籠谷先生は、現在全学で唯一の英語での講義「Japanese Politics」をやっていただいています。無理にお願いして引き受けてていただき、感謝するばかりです。「0→1」はとても大きな意味を持ちます。模擬講義では、「The 1955 System : One-Party Dominance by the LDP」をテーマに、ハーバード大学の「白熱教室」並みの講義がすすみます。出席した先生たちにもどんどん質問の矢が飛んできます。でも、先生方も英語でちゃんと答えてました。やる!!!私は目を合わせないように、俯いていました・・・・30分ほどの講義が終わって、ほっ・・・・でも、素晴らしかったです。
 続いて、本村先生が「日米欧動物福祉事情」の講義での体験を模擬講義としてやっていただきました。「野良猫頭数抑制」のテーマで、初めに予め収録したビデオを流し、その後先生がまとめながら、学生たちに質問していく形式でした。こうした学生たちに関心のある身近なテーマでやっていくのは、英語の力量をつけていくのに効果的だと思いました。

 本学では、英語圏に1年間留学する先生はたくさんいらっしゃいます。また、英語で外国のジャーナルに投稿して掲載されている先生も数多くいらっしゃいます。英語での講義をできる先生方は、潜在的に相当数いらっしゃいます。そうした「英語力」を是非、「英語での講義」に活かしていただきたいと熱望します。一人で15回すべてでなくてもOK。数人でのオムニバス、15回のうち何回かは英語で、1回の講義時間中に英語で2,30分とか、いろいろなやり方が考えられます。今後ともご相談しながら、英語での講義を進めていければ思います。
 もちろん、英語のみを強調するのではありません。多様な研究のあり方を認めなくては、「英語帝国主義」に陥っていきます。「英語・国際・グローバル」を叫べば、済むのではありません。何をさておいても「研究」がベースになることは言うまでもありません。現在は大学教育の抜本的な改革が求められていますが、個々の先生方の「研究」を活かした「教育」が大学教育の王道であり、その一つとして「英語での教育」を進めていければと思います。さらにはそうした努力をしていただける先生方への補助や褒賞も検討していかなくてはなりません。

○全学FD委員長の本村光江先生のコメント
 春学期は全4回の全学FDフォーラムを開催しました。大学の広報、キャリア教育に関するフォーラムでは、近畿大学の世耕石弘広報部長、大阪大学高等教育・入試研究開発センター長の川嶋太津夫先生にお話しを伺いました。日本の大学が直面している課題に対して、危機感をもって取り組む必要性をあらためて認識する貴重な機会となりました。また独立行政法人大学入試センターの山地弘起先生には、アクティブラーニングを体験するという機会をいただきました。
  春学期最後のFDフォーラムは「英語で授業を行うために〜模擬講義を通して」というテーマで開催されました。経済学部で英語による専門科目を提供していただいている籠谷先生とともに英語での模擬授業を行った後、英語による授業提供の可能性と課題について議論する機会となりました。籠谷先生のフロアを巻き込んだ講義展開はまさにアクティブラーニングそのもので、参加された教員の中には自分もやってみたいと刺激を受けた方々も少なくなかったのではないでしょうか。さらに昼の時間帯にランチを提供することで、カジュアルな雰囲気が生まれたように思います。新しいFDフォーラムの形として今後定着していくことを期待しています。