学長・野風草だより

No.733

No.733 2016年9月16日(金)

9月の卒業生・修了生に贈る言葉

 本日は、皆さん卒業、修了、おめでとうございます。ちょっと遠回りしましたが、良かったですね。ご臨席いただきました保護者の皆さまはじめ、ご関係の方々にもお慶び申し上げます。
 1949(昭和24)年に新制の大学となった大阪経済大学の前身は、1932(昭和7)年に創立された浪華高等商業学校であり、その後1935(昭和10)年に昭和高等商業学校として再建されました。その初代校長となった黒正巌博士以来、「自由と融和」を建学の精神として受け継いできました。今年で創立84周年となり、2032年には創立100周年を迎えます。本日卒業・修了する86名の皆さんを加えて、卒業・修了生は9万4千名ほどになりました。本日から、皆さんもその仲間です。

学生たちの活躍① 準硬式野球部の全国制覇
 最近、うれしかったことを2つ紹介します。9月の3~5日と静岡県浜松市で、準硬式の全国大会があり、本学の準硬式野球部が全国制覇を成し遂げました。おめでとうです。初戦の神奈川大学には1対0で競り勝ち、次いで富山大学には9回表に0対2で負けていたのを追いつき、延長10回4対2の逆転勝ちです。準決勝では強豪の立教大学を、5対3で打ち破りました。決勝は、同じ関西のリーグ所属である近畿大学です。春のリーグ戦では大事なところで惜敗しています。9回表リードしていたのを追いつかれましたが、延長12回タイブレーク方式で4対3のサヨナラ勝ちをしました。
 職員さんと応援に行きましたが、一戦ごとに強くなっていくのを感じました。私は学長就任以来6年間、たくさんのクラブの試合の応援に行ってきましたが、競り負けることが度々でした。ここで踏ん張らんかいと地団太を踏んだものでした。それが最近、競り勝ち、逃げ切り、逆転勝ちする試合が多くなってきたのです。今回の準硬式野球部の全国制覇は、その典型です。
 浜松での試合でうれしかったのは、吹奏楽部総部とチアーリーダー部の学生たちが応援に駆け付けてくれたことです。彼らは硬式野球部の春のリーグ戦から応援に来てくれていますが、遠征は初めてです。50人ほどがOB・OGや選手のご父母の皆さんと、スタンドで一体となって応援しました。1対0で競り勝てたのは応援のせいもあったと思っています。相手チームはびっくりしたことでしょう。大学スポーツの素晴らしさを実感しました。お世話いただいた学生部のスポーツ・文化振興課の皆さまに感謝いたします。 

 昨年は、自転車部のサイクルサッカー班が全国・関西の学生関係の大会すべてで優勝しました。グランドスラムです。卒業生たちは今も競技を続け、そのうちの一人は香港でのアジア選手権で優勝しています。クラブの活躍をはじめ、ゼミ活動、就職活動などで、私は大経大生全体の実力が上がってきていることを実感しています。高校サイドや企業さんから高い評価を受けるようになってきています。どうか皆さん、これからの社会人生活において、大経大の卒業生・修了生であることに「自信」を持ってください。「大経大PRIDE」です。

学生たちの活躍② 北海道でのインターンシップ
 もう一つ、最近うれしかったことを紹介します。インターンシップの3名の学生が、遠く北海道の東川町の町役場で実習を受けていたことです。旭川市の東にある東川町は、農業と家具・木工の町であり、「写真甲子園」で知られる「写真の町」として有名です。上水道、鉄道、国道の3つの「道」がなく、普通なら過疎化が進んでもしかたがないところを、1994年の7000人弱の住民が、20年たった2015年には8000人を超えるまでに増加しているのです。その先頭に立っているのが、松岡市郎町長をはじめとする町役場の職員さんたちなのです。進路支援センターのご努力によるご縁で、インターンシップが実現して3名の学生が、東京の大学生たちと実習を行っていました。
 松岡町長、町役場の皆さんへの御礼と、3名の学生たちへの激励を兼ねて、3日間東川町をお訪ねしました。学生たちにどうしてここへ来たのかと尋ねてみると、北海道への憧れもあるが、何よりこうした元気な町づくりがどうして可能になったのかに興味があったとのことでした。3名の学生は、産業振興課、交流促進課、写真の町課で一所懸命に仕事をしていました。私は東川町で3日間過ごしてみて、自然の豊かな恵み、ゆったりとした時間の流れ、温かな人の付き合いを強く感じました。

 木工や家つくりをしている北の住まい設計社を訪ねると、オーガニックコットンを扱っている東京のアバンティの商品を置いていました。会社を起業した渡邉智恵子さんとは昨年来知り合いとなり、昨年の産業セミナーの講師や学内の講義にもお越しいただいています。東京の会社でもこれまた、今年初めて2名の学生をインターンシップで受け入れてもらいました。ありがたいことです。こうして、北海道、東京とインターンシップで大阪から飛び出す勇気を持っている学生さんたちが出てきてくれているのは、うれしい限りです。これから社会に出て行かれる皆さん、関西ももちろんいいんですが、若い時には是非とも関西から日本全国へ、そして海外へと飛躍していってほしいと思います。きっと若い皆さんにとって、新しい世界が開けていくと思います。

 一つ、ここで思わぬ出会いがあったことを紹介します。東川町のゆめぴりか東川米は、今年度の格付けで新潟県魚沼産のコシヒカリに次ぐ全国第2位の評価を得ました。ここの農業振興を引っ張っているJA組合長樽井功さんが、今から16年前に山形県村山市のスイカの名人と一緒に訪ねた人だったのです。すっかり忘れていて東川町は初めての訪問とばかり思っていましたが、農業調査ですでに訪ねたことがあったのです。お互い驚き思わずハグしてしまいましたね。
 こうしてご縁が巡り巡って広がっていきます。欲得や私利私欲の悪縁はその場限りで永く続きませんが、お互いを信頼し尊敬しあうご縁は一生の財産になっていきます。皆さん、是非ともいいご縁を大切にしていってください。私は2年前に89歳で亡くなった母親がいつも言っていた、「おかげさま」「おたがいさま」という言葉を、しみじみと思い出します。

道理は天地を貫く
 最後にちょっとだけ難しい言葉を一つだけお伝えして、終わりにします。本学の前身である戦前の昭和高等商業学校の校長先生で、戦後1949年に本学の初代学長を務めた黒正巌博士の言葉に「道理貫天地」というのがあります。これは世界で、日本でオンリーワンの大経大オリジナルの言葉です。
 道理とは何か、人の生きる道、理。いかに生きるか、いかに死ぬるか。古今東西変わらないものです。道理は、世界をそして目に見えない天地をも貫いているんだ、と黒正博士は言われたのです。各人各様の解釈でかまいません。正解はありません。「道理は天地を貫く」、大経大でしか学べないこの言葉を、頭の片隅でもいいから覚えていてほしいのです。きっと、皆さんのこれからの人生を支えてくれる芯柱になってくれると思います。

 あらためて卒業生、修了生の皆さん、おめでとう。以上で、皆さんへのお祝いのメッセージといたします。ありがとうございました。