学長・野風草だより

No.818

No.818 2017年9月8日(金)

フランス・カンペール市を訪問

 フランスのブルターニュ地域圏にあるカンペール市のEMBA-ISUGA(欧亜高等管理学院)と本学は、交流協定を結んでいます。マガリー・ケルヴィニオ学院長と日本語学科の山本惠子先生は、昨年6月に本学に来られ(野風草だよりNo.707)、本年4月から8月まで2名の女子学生が留学に来てくれました(野風草だよりNo.793806)。この6月にお二人は再び来日され、留学中の2名と、2名をゼミに受け入れていただいた山本俊一郎教授とともに会食をしました。その際、強く強くカンペールに来てくださいと懇請されました。日程をやりくりして9月2~8日、遂にカンペール市を訪問することができました。
 伊丹―羽田―パリと乗り継いで、モンパルナスの宿で一息つきました。セーヌ川、ノートルダム大聖堂、ルーブル美術館、エッフェル塔、凱旋門、コンコルド広場、オペラ座、サクレ・クール寺院、モンマルトルの丘など観光名所を走り抜けて、バーカフェで食事をしました。飲みつけないワインを飲んでみました。
 パリからカンペール市までは、特急で4時間弱です。駅で迎えに来ていただいたお二人の姿を見た時、ああー無事に来られたと、一安心しました。

 カンペール市は人口6万4千人ほどの地方都市ですが、文化・芸術都市に指定されているにふさわしく、落ち着いた清潔な街でした。街の中心には聖コランタン大聖堂のカテドラルが聳え立ち、その周辺に名物のクレープを食べさせてくれるレストラン、手描きの陶器やブルターニュの民族衣装の土産物屋さん、ファッションブランドのArmor・luxの販売店などが立ち並んでいます。街を流れるオデ川に掛かる橋にはほとんど、ゼラニウムなど色とりどりの花が飾られていて心なごみます。
 一つ驚いたのは、1532年にフランスに統合されるまで、ブルターニュ王国というのがあり、今もなおその文化が継承されていることでした。ブルトン語が存続していて、メガネケースに描かれているように国旗があります。ネクタイの柄は、ブルターニュ王国の紋章で、この地域では有名なフランソワ・ル・ヴィレックのデザインによるものです。これは私がネクタイ好きなのをケルヴィニオ学院長が知っていて、プレゼントしてくれたものです。翌日、EMBA-ISUGAに赴いた時、これを締めていくと大変歓迎されました。写真の右端のミニボトルは、近くで醸造されている世界で唯一の蕎麦のウィスキー「EDDU」です。

 学院の入学式に出席し、下手な英語であいさつしました。以下の通りです。大講堂に120名ほどの入学生が集まり、日本からも13名の入学生がいました。他に韓国、中国、フィリピン、ネパール、チベットなどアジア各地から来ていました。宿舎を見せていただきましたが、一人部屋でこざっぱりしていて快適に暮らせそうでした。授業も英語での講義が主で、英語のトレーニングクラスもあるそうです。学院全体が大変友好的で温かみがあり、ぜひ本学からも留学してほしいと思いました。

Good morning. Ladies and Gentlemen. Congratulation for entrance to EMBA-ISUGA. In magnificent Entrance Ceremony of EMBA ISUGA, it gives me a great pleasure to extend, on behalf of Osaka University of Economics, my cordial greetings to Prof. Dr. Magali KERVINIO, senate and the people of the esteemed Institute.

I am Professor, Dr. Mitsutoshi Tokunaga, the president of Osaka University of Economics. Our University enjoys a close, long-lasting friendship with Your Institute, that is proud of its glorious tradition and highest quality educational circumstance. There have frequent close missions between both of us. Last year and this year Prof. Dr. Magali KERVINIO and Prof. Dr. Keiko Yamamoto visited us to have constructive discussion with our faculty members on the further fruitful relationship between both of us. As a true friend of EMBA ISUGA, it is gratifying for me to witness a dramatic expansion in every sphere of our bilateral relations. I would like to take this opportunity to express my firm determination to strive toward further promoting this remarkably cordial relationship, while wishing senate and the people of EMBA ISUGA excellent health and prosperity.

Let me explain about Osaka University of Economics. Osaka University of Economics dates back to the establishment of Naniwa Commercial High School, its forerunner, in 1932.In 2012, we celebrated the 80th anniversary of its founding. Now with four Faculties, Economics, Business Administration, Information Technology and Social sciences and Human Sciences, we are striving to upgrade the contents of the Faculties and graduate schools. As an educational institution, we will continue its efforts to meet the needs of society, based on our education philosophy of “freedom and harmony.” We have about 7500 students including graduate students.
"Having developed a mission statement in 2007, we have since strived to live up to it, with the motto: "Linking with society." What are the key concepts of education at our university?
"Education with love and high ideals" What are the characteristics of our education?" Seminar-based education," "manner education "and" career-oriented education "What types of individuals does we develop?" Individuals with down-to-earth attitude and a pure spirit" What type of university does OUE aim to be?No. 1 university in economics and business administration in Japan.

Finally, I sincerely hope that EMBA ISUGA and Osaka University of Economics will continue to cooperate and support each other on further developing other academic arrangements of mutual benefit, and that EMBA ISUGA will grow and prosper for many years to come.

 その後、カンペール市内を見学し、オデ川河畔のレストランで副学長も交え、ランチを頂きました。そして、夜はサントマリーンのヨットハーバーで、カンペール・コルヌアイユ商工会議所の副会頭で教育部門長のフランソワ・シャレール氏の招待によるディナーです。まるで映画に出てくるような入り江の風景に見とれました。ランチもディナーも、前菜・メイン・デザートからなり、それぞれを決めるのに20分くらいああだこうだと話し合い、決まれば次はワインの選択です。ここでもにぎやかに相談です。そしてゆっくりと料理が出てきて、ゆっくりとワインを味わいます。ランチもディナーもおよそ3時間くらいは楽しみます。日本のバタバタしているのとは、大違いです。これも「文化」だなと思いました。私は不躾でしたがワインがあまり飲めませんので、「1664」という450年も続いている古い銘柄のビールをもっぱら飲んでいました。それとデザートが超豪華なのに驚きました。これだけでもおなかが一杯になります。これまた不躾なのですがデザートはいつもパスしました。

 最後の日は、ケルヴィニオさんの車で、少し遠出をしてブルターニュ文化を楽しませてもらいました。ポンタヴァンでは画家のゴーギャンが一時住んだという家を訪ねました。ここでゴーギャンは有名な黄色のキリスト像を描きますが、実際に近くのトレマロ教会を訪ねモデルとなったキリスト像を見ることができました。
 ケーラスクヴィット村は、17、18世紀に作られた建物や施設がそのままで保存されていました。ああ、昔のフランス農村はこんなだったかと感慨新たでした。25年ほど前に読んだル・ロワ・ラデュリの『モンタイユー ピレネーの村 1294~1324』(1975原著 1990~91訳 刀水書房)を思い出しました。
 コンカルノーの漁港に行くと、海に向かって城壁が作られ、城壁に囲まれた街のメインストリートには土産物屋さんが立ち並んでいました。15、16世紀に作られたものだそうです。こうしていくつもの史跡などを見ていると、ブルターニュの歴史と文化の厚みを実感してきます。

 最後にケルヴィニオさんの自宅に招待していただきました。900坪!!!広大な庭でした。3人の娘さんが出迎えてくれました。歓迎の挨拶は、握手ではなく頬にキスし合うことです。生まれて初めて!!!ドキドキしました。
 最後の夜は、山本先生を招待して、感謝とお別れのディナーを開きました。翌日はお忙しいのに朝に学院の仕事を片付けて、駅まで見送りに来ていただきました。感謝感謝です。
 ケルヴィニオ学院長、山本先生はじめ学院の関係者の方々には万端のお世話をしていただきました。おかげさまで、フランス・カンペールの訪問の旅は、実り多いものとなりました。心から感謝申しあげます。同行していただいた崎田さん、黒正さんにはあれやこれやと面倒を見ていただきました。ありがとうございました。EMBA-ISUGAと本学の交流が、さらに深まっていくことを願っています。