学長・野風草だより

No.851~860

No.851 2018年1月23日(火)

私の音楽の旅

 2017年11月15日、北浜実践経営塾で、パナソニック株式会社の執行役員である小川理子様に、「テクニクスにおける感性価値創造への挑戦ー技術と心をつなげるー」のタイトルでご講演いただきました。私は所用のためお聞きすることが出来ませんでしたが、この1月23日にグランフロント南館のパナソニックセンターのオーディオルームで直接お話をお聞きすることが出来ました。小川様、ご多用の中ありがとうございました。
 実践経営塾の様子は、12月30日放映のMBS「ザ・リーダー」で一部紹介されました。創業者松下幸之助の教えで、「個性と感性を磨く」というのを大切にしていると言われました。自伝である『音の記憶』(2017 文藝春秋)で若い人へのレッスンとして、「自分の個性を磨く。弱みを知る。強みを知る」、「挑戦し続ける」、「他流試合をする」、「豊かに発想し、創造する」、「信念と情熱を持ち続ける」、「Keep Play! Don't Stop Play!」、「経験を通じてダイナミックスレンジを大きく」、「ものごとのバランスを感じるポジショニングを」、「直観(直感)力を信じる」、「専門性を尖らせつつ、全体を把握・構築」、「実相実質を見抜く」、「多様性を受容し、活性化した環境づくりを」、「日本文化(歴史、風土、社会文化など)を理解し伝える」をあげられています。学生の教育、リーダー論にも通じることですね。
 小川さんはジャズピアニストとしても著名な方です。その最初のデヴューは、曾根崎お初天神通りのニューサントリーファイブだったそうです。実は、私は2006年12月に大学の同僚に連れられて行き、その後も何回か行ったことがあるのです。自伝に出てくるドラマーにも会ったことがあります。ニューオリンズジャズのバンド「ラスカルズ」のCDも買いました。ご縁ってどこかでつながるんですね。

 私がよく聞いているお気に入りのCDを何枚か持っていき、パナソニックのオーディオルームで聞かせていただきました。すばらしい!!!まるで音が私を包み込んでくれるような感じです。ほしいな、こんなオーディオ、でもでも・・・・・私のステレオは、右の写真のようなものです。上のは私の部屋で聞いているもので、実は1986年に買ったものです。その頃はSONY全盛(LBT-V705)で、初ボーナスで奮発して念願のステレオが買えたのです。うれしかったな。あれから30年以上、CDデッキは壊れましたが別の付属品を買って、今も愛用しています。
 下の写真は、亡くなった次兄から2011年に譲ってもらったものです。大型のONKYOスピーカー、SANSUIのアンプ(AU-α907XR)で、エンジニアだった兄のこだわりです。リビングで聞くのですが、大音量で聞けないのが残念です。ただし、私はメカにはあんまし興味がなく、まあ聞ければいいかのレベルです。

 聞いている音楽も様々で、とくにこだわりはありません。若い時は中島みゆき、井上陽水、浜田省吾、五輪真弓などでしたが、その後もずっと聞いているのは、中島みゆきでしょうか。「私の声が聞こえますか」の1stアルバム(1976)から最近の41thアルバム「組曲」(2015)まで、けっこう聞いています。私と同世代でずっと活躍し続けて、年相応の気持ちを歌ってくれているのがうれしくて、聞いています。
 ジャズが好きになったのは、10数年前にラスカルズのライブを聞いてからです。その後欧米の有名なミュージシャンの演奏を聞きましたが、何となく違和感がありました。偶然聞いたのが、宮沢昭のテナーサックス、「山女魚」(1962、2007)でした。しびれて何度も聞きました。そこからピアノの渋谷毅とのデュオ「野百合」(1992)を知り、自宅近くのジャズバーで開かれた渋谷毅のソロライブに行ったのは、2007年12月のことでした。だんだん興が乗ってきて、酒を飲みながら演奏するリラックスした姿に、ちょっと驚きましたが、私もついつい飲んでいました。「essential ellington」(1999、2004)は、4人のバンドでの演奏です。それから木屋町のRAGでのソロ、バンドでのライブ演奏を何回も聞きました。

 あまり知られていませんが、大石学というジャズピアニストも好きです。「くり返されること」(2005)は、お気に入りです。近くの高野のジャズ喫茶「むーら」でのソロライブ、新世界や西宮北口などで聞きました(野風草だよりNo.344370)。やさしい人柄がそのまま音楽になった感じです。ボーカルでは、青江三奈のスモーキーボイスで、「The Shadow of Love」をよく聞きます。八代亜紀のジャズボーカルはいいよと人に勧められ、探していたら青江三奈のほうに惹かれました。
 クラシックは時折聞きますが、ここでも日本人演奏家が好きです。長岡京室内アンサンブルは、演奏を聞いて好きになり(野風草だよりNo.553649)、CDで聞いています。林光や武満徹の作曲、いいですね。加古隆は有名ですが、こちらもカルテットの演奏を直接聞くことが出来ました(野風草だよりNo.719)。熊野古道のアルバムなど好きです。
 日本の伝統音楽も聞きます(野風草だよりNo.174222)。とくに藤舎名生の一管(篠笛)は、天に突き抜けるような音で好きです。2011年12月に北大路の蕎麦屋さんで和蕎麦を食べてたら、何かしら玄妙なる音が聞こえてきて、これは誰ですかとお聞きしたら、教えてくれました。戸外で録音したCDでは、鳥や蝉の声、小川のせせらぎ、読経、鐘の音などと一体になっています。海童道(わだつみどう)の尺八は、友人のウーべ・ワルターさんに教えてもらいました(野風草だよりNo.493)。大地からわきあがってくるような尺八の響きに惹かれて、ウーべさんはドイツから日本にやって来ました。
 最後にボーカルでは、松田美緒(野風草だよりNo.800)の日本の歌とちあきなおみのファドを愛聴しています。どちらもしみじみとした伸びやかな歌声に癒されます。ちあきなおみの歌声を生で聞くことは出来ませんが、ファドのライブは何度か聞きました(野風草だよりNo.437)。いつか、ポルトガルへ行き、場末のバーで生のファドを聞いてみたいものです。
 私は出来る限り、生のライブを聞くようにしています。でも、パナソニックのオーディオルームで聞いた音楽は、臨場感一杯でした。小川さんは、音を聞いた瞬間に躍動感、エネルギー、生命力を感じさせるのが理想の音であり、同時にじわっーと心に残ってまた聞きたくなる、この二つを両立させることを追い続けてきたそうです。音楽には無限の力があると、断言されていました。ありがとうございました。