学長・野風草だより

No.861~870

No.861 2018年4月1日(日)

新入生に贈る言葉

 入学された新入生の皆さん、おめでとうございます。また、本日ご臨席賜りましたご父母、関係者の皆さまに対しましても、心からお慶び申し上げます。本日、ここに学部生・大学院生合わせて1937名の新入生を迎えられたことを、本当にうれしく思います。
 本学は、1932年の浪華高等商業学校に始まり、昭和高等商業学校、女子経済専門学校などを経て、1949年に現在の大阪経済大学となりました。2012年に創立80周年を迎え、今年で86年になります。皆さんが32、33歳ころになる2032年には100周年を迎えます。これまでに9万7千人を越える卒業生を輩出し、社会で活躍しています。2年後には10万人を越えます。今日から皆さんはその伝統を受け継ぐ、大阪経済大学の学生です。大阪経済大学の学生であることに誇り、“大経大PRIDE”をもって4年間を過ごしてほしいと思います。

スマホを持って旅に出よう
 3月末に台湾の協定大学を表敬訪問してきました。国立台中科技大学と台北の私立実践大学です。台中科技大学とは2007年以来、交流協定を結んでおり、行くと写真のように正門に歓迎の看板が置かれていて感激し、応用日本語学科の壁には本学の紹介がかけられていました。これまでに3名の本学学生が留学しており、今年2名の学生が秋から行きます。そして台中科技大学から合計20名の学生が本学にやって来ました。今年も4月から2名の女子学生が来ています。実践大学とは、始まったばかりで、開学60周年記念式典に招待されました。
 今日の入学式には特別ゲストをお迎えしています。フランスのパリの西、ブルターニュ地域にある欧亜高等管理学院(EMBA-ISUGA)のマガリー・ケルヴィニオ学院長さんです。本学と交流協定を結んでおり、昨年の4~8月に2名の女子学生が留学してくれました。9月にはこちらから私たちがお訪ねし、入学式ではご挨拶させていただきました(野風草だよりNo.818)。その返礼ということで、今日の入学式に合わせて、来日されました。あとで英語で歓迎のスピーチをしていただきます。昨日は京都で日本の古典芸能である能と狂言を鑑賞し、その後京の懐石料理を味わっていただきました。

 本学は世界の15ヶ国・地域、30大学と交流協定を結んでいます。皆さんが行こうと思えば、世界中の大学に留学することが出来ます。昨年度ではカナダへヨーク大学10名を含め11名、ニュージーランドのワイカト大学へ4名、アメリカと韓国へ各2名、オーストラリア、アイルランドと台湾へ各1名の計22名が行きました。1ヶ月ほどの短期研修では、夏のカナダ研修に17名、春のカナダ研修が10名、ニュージーランドが8名、スペインが5名でした。もっともっとたくさんの学生さんに行ってほしいです。是非E館1階の国際交流課を訪ねてみてください。
 大学としてジャンプアップ海外留学奨学金などで留学費用、学費などの一部を援助していますし、休学することなく留学先での取得単位を本学の単位に読み替えなどして便宜を図っています。少しは英語が出来ないと心配という人が多いと思います。でも大丈夫です。強力な助っ人がいます。なんや思いますか?皆さんおそらく全員がお持ちのスマホです。言葉も地図もすぐにわかります。あとは身振り手振りのパフォーマンスでいけます。必要なのはちょっとした勇気、チャレンジ精神、これだけです。皆さん、スマホを持って海外旅行に出よう!!!

長田弘『世界は1冊の本』
 ここで一つ、皆さんに詩、ポエムを読んでみます。「世界は1冊の本」である。私の好きな詩人である長田弘(おさだ・ひろし)の詩です。国語の教科書にも載っていますので、ご存知の方もいるかもしれませんね。

本を読もう。/もっと本を読もう。/もっともっと本を読もう。
書かれた文字だけが本ではない。/日の光、星の瞬き、鳥の声、/川の音だって、本なのだ。
ブナの林の静けさも/ハナミズキの白い花々も、/おおきな孤独なケヤキの木も、本だ。
本でないものはない。/世界というのは開かれた本で、/その本は見えない言葉で書かれている。(略)
人生という本を、人は胸に抱いている。/一個の人間は一冊の本なのだ。/記憶をなくした老人の表情も、本だ。(略)
200億光年のなかの小さな星。/どんなことでもない。生きるとは、/考えることができるということだ。
本を読もう。/もっと本を読もう。/もっともっと本を読もう。
                             
 皆さん、これからの大学生活で古今東西の知恵の塊である本を読んでみませんか。そしてこれから新しく経験するすべての世界が、本なのです。クラブやサークル、アルバイト、世界への旅、世界は1冊の本です。皆さんの青春を、大経大での4年間を、世界という本を読んで過ごしてみませんか。

黒正巌博士の「道理貫天地」
 最後に一つ言葉を贈ります。本学の前身である戦前の昭和高等商業学校の校長先生で、戦後1949年に本学の初代学長を務めた黒正巌博士は、「道理貫天地」、「道理は天地を貫く」と言われました。さらに「研学修道」、「学を研いで、学問に研鑽して、道を修める、道理を究めよう」と訴えられました。これらは世界で、日本でオンリーワンの大経大オリジナルの言葉です。
 道理、道とは何か、人の生きる道、理。いかに生きるか、いかに死ぬるか。これまた難しいですよね。正解はありません。各人各様の解釈でかまいません。それが大学で学ぶということです。高校までのA、B、C、Dの選択肢4つに必ず正解がある問題から、答えがなければEをマークする問題です。死ぬまでわからないかもしれません。それもおもしろいんじゃないかな。
 でもきっと古今東西そんなには変わらないものでしょう。中国の孔子は「一を以て之を貫く」、ギリシアの哲学者ソクラテスは「よりよく生きる」と言いました。「一」「よりよく」が「道理」「道」にあたるでしょう。

 正門の守衛室の横には、黒正博士の胸像と「道理貫天地」の石碑があります。チラシのバックにある大きな樹は、本学のメモリアルツリーである大樟の樹です。あとでみんなで一緒に歌う学歌の2番で「学徒師弟が幹負いもちて諸汗に、しっかと植えた融和のシンボル」というのは、この樹の事なんです。創立以来86年間、私たちを見守り続けてくれたのです。J館とB館の前にある大きな樹です。
 勉強しながら、本を読みながら、孔子の論語、ギリシア哲学のソクラテスの弁明など古今東西の古典を紐解きながら、クラブやサークルをしながら、アルバイトをしながら、友達と話しながら、世界を旅しながら、ぼっーと一人で考えながら、世界という1冊の本を読みながら、「道理は天地を貫く」、考えてみてください。大経大でしか学べないこの言葉を是非覚えていてほしいのです。

 私は道理とは、「おかげさま」「おたがいさま」ということではないかと考えています。故郷の松山で2014年に89歳で亡くなった母にいつも言われていた言葉です。「おかげさまで、何とかやれてます、生きて活かされています」と感謝し祈る。おれがおれがの「我」ではなく、「おたがいさま」と認め合い、労わりあう。リスペクトする。
 あらためて新入生の皆さん、入学おめでとう。これから私たち教職員と一緒に大経大での学生生活を作っていきましょう。以上で、皆さんへのお祝いのメッセージといたします。ありがとうございました。

○欧亜高等管理学院(EMBA-ISUGA)のマガリー・ケルヴィニオ学院長からの祝辞
It’s a privilege for me to share with you this important day: the school-year opening ceremony of your prestigious university. 
Again, I would like to thank Fujimoto-rijicho and Tokunaga-socho for their invitation, which I accepted with great pleasure.
My name is Magali KERVINIO and I am the university president of the EMBA Business School, a school based in Quimper, a city to the west of France, not far from Paris.

The EMBA Business School provides higher education specialized in trade and management. It is made of three faculties:
- International trade between Europe and Asia
- Trade transaction/Selling/Retail business in the fields of sport and fashion
- Corporate management
Our campus welcomes many foreign students, mainly from Asia: Japanese, Chinese and Korean.
They account for 25% of the total number of students, and are with us within the framework of an educational exchange program, from a few days to a few months. We signed more than thirty  university partnership agreements,  in Asia, twelve of them in Japan.
The EMBA Business School was the first high school in France,  to develop, a cross-cultural business training between Europe and Japan. 
Our campus, designed by a Japanese architect from Toyama, Mr. INABA Minoru, welcomes each year many Japanese students who come to discover the French culture and language, the French lifestyle,  the gastronomy and the wine, the luxury products, and some famous touristic sites, such as, the Mont Saint-Michel, and of course, Paris.
Native Japanese teachers help them during their stay. As a result, they can adapt more quickly to their new way of life and make friends with the French students, who are learning Japanese every day,  and thus, for 5 years.

Why did we choose Japan?
Your country is among the top economic powers, along with France.
Last December, your country, signed the most important Free Trade Agreement with Europe, which, inevitably, will strengthen the ties with France.
Your country is also the global benchmark for innovation and research, which contributes to the reputation of your universities.
The French people like Japan, and its cultural values, respectful of the traditions and, where there are harmony and quality of life.
This is therefore a long and beautiful story between the EMBA Business School and Japan, which goes on    with your prestigious university with who we signed an agreement in august 2016.
Two students from our school were lucky to come and study in your university last year. To consolidate the agreement between ourselves, we recently welcome the representatives of your university to meet our team and discover our campus. And we would now be very pleased to have some of your students in a near future.

I sincerely hope that EMBA business school and Osaka University of Economics will continue to cooperate and develop further their relationship and their friendly ties.