学長・野風草だより

No.865

No.865 2018年5月10日(木)

サンフランシスコの旅

 アメリカの大学とは、メンフィス大学との交流が途絶えて(野風草だよりNo.409599)、現在交流がありません。新たに開拓するために、西海岸のカリフォルニア大学(U.C)デービス校と U.C.バークレー校を訪問しました。ニュージーランドのワイカト大学(野風草だよりNo.444)とカナダのヨーク大学(野風草だよりNo.689)の交流でお世話になっている曽我部知子さんと現在デービス校にお勤めのカラムさん、Dr. Calum MacKechnieのご紹介です(野風草だよりNo.830)。国際交流担当の崎田洋一常務理事と教学・国際部の黒正洋史部長に加え、曽我部さんがアテンドとして同行して下さり万端のお世話をしていただきました。
 5月4日、いざ関西空港からサンフランシスコへ向けてと思いきや、飛行機のトラブルで2時間待ち・・・何となく先が思いやられます。実はU.C.デービスには、1998.5.29~6.5まで行ったことがあるのです。経済学部の同僚が、長期留学の下調べで行くのに同行したのです。実に20年ぶりです。留学生寮に泊めてもらったのですが、全く何も思い出せませんでした。日系3世のFujimoto教授とお話したのですが、今回は連絡が取れませんでした。
 サンフランシスコでは、フィッシャーマンズワーフで名物のクラムチャウダーを食べておきました。1925年創業の老舗のレストランで、遠くに有名なゴールデンゲートブリッジが見えました。その後、ミッション・ディストリクトというヒスパニック系の居住地を訪ねました。ちょうどお祭りが行われていて、通りは出店やバンドの音楽・ダンスなどで賑わっていました。家の壁、塀などには、メキシコの壁画運動の影響で様々な絵が描かれていました。とくに市当局による再開発による立ち退きや地上げへの抵抗の様子などは、印象的でした。

 サンフランシスコ空港からデービスまでは、列車のBART、AMTRAKを乗り継いで2時間半ほどかかります。サンフランシスコは朝晩寒いくらいでしたが、デービスは暑い暑い、カリフォルニアの青い空です。着いた夜は「MIKUNI」という日本料理店でお寿司を食べました。不思議ですね。この店の名前は、美味しくて覚えていたんですよね。郊外の店やったと思っていましたが、市内の中心部でした。場所は変わっていないとのこと。やはり美味しかったです。その後、地元のビールが飲めるバーで、カラムさん一家と歓談しました。
 翌日は、相手側のエクステンションセンターのスタッフと交渉です。DeanのDr. Paul M. McNeil氏をはじめ多くの幹部の方と懇談できました。ある女性スタッフは、日本の小中高の教員に英語を教えるために何十回と日本に来ており、堺にも来たことがあるというのです。崎田さんもびっくりでした。大変友好的にすすみ、交流協定が結べれば、来年度15~20人ほどを受け入れてくれることになりました。ラッキー!!!
 U.C.デービスのキャンパスは、bigというよりhugeです。ほんまにとてつもなく広いのです。そしてデービスの町はこじんまりとして大学の町といってもよく、安全です。大都会のサンフランシスコへも遠くありません。留学生寮が完備されていますし、ホームステイの制度もあります。来年たくさんの学生を送れることを願っています。

 翌日は、カラムさんが大きめのレンタカーを借りてくれて、バークレーまで走りました。今年2018年は創立150周年で、日本の大政奉還の時に作られた伝統ある大学です。写真の時計塔Sather Towerは、1915年に建設されました。ちょうど3時でしたので、鐘が響き渡りました。エレベーターでてっぺんまで昇り、見渡せば、ここのキャンパスも巨大です。塔の前の赤レンガの建物は、1873年に建てられた一番古いもので、今も現役です。屋上は、映画メアリーポピンズで使われたそうです。
 世界のあらゆるランキングでトップ10に入っている超名門校です。ちょっとびびりましたが、エクステンションセンターのスタッフは、ここもまた友好的で、無事に交渉がすすみました。ありがたいことです。やはり西海岸の大学だと留学しやすいのではないでしょうか。学生の皆さん、ちょっと勇気を出して、チャレンジしてみてください。

 これで公式の仕事は終わりました。アメリカで5泊、機中泊2泊、さすが年寄りには疲れました。サンフランシスコまで戻り、最後の晩餐はハーバーに面したレストランで、珍しいペルー料理をいただきました。今回の飛行機での読書は、原尞の私立探偵沢崎シリーズ6冊を読みました。ハードボイルド小説で、レイモンド・チャンドラーに心酔する原尞の文体とストーリーは、機中でも寝させません。1988年から始まるシリーズは、長編5作、短編集1冊しかなく、超寡作です。最新作の長編5作目の『それまでの明日』(早川書房)は2月に出たばかりで、14年ぶりです。
 『さらば長き眠り』(1995)を読んでいると、吸殻で「BARCLAY」(277頁)と出てきました。これって、ひょっとして、バークレーと関係するんやろか?「BERKELEY」、綴りが違うな・・・煙草屋を2軒回りましたが、もう売られていないとの事でした。でも、楽しい思い出ができました。チャンドラーの『長いお別れ』(清水俊二訳 1976)、『ロング・グッドバイ』(村上春樹訳 2010)を読んでいます。
 ご同行いただいた、崎田さん、黒正さん、曽我部さん、アメリカでお世話になったカラムさんご一家、そしてお世話になった大学関係者の皆さまに、心から感謝いたします。