学長・野風草だより

No.1 ~ 10

No.1 2010年11月3日(祝)・5日(土)

同窓会総会での挨拶、教職員への所信表明

11月1日に学長に就任して、最初の大仕事は、3日の同窓会「大樟会」での挨拶でした。初めてのことですので、さすがにあがりました。喉がカラカラになりました。あとの懇親会では、卒業生の方から広島・西条の銘酒「賀茂泉」の樽酒がふるまわれました。写真は、理事長・同窓会長と鏡割りをしているところです。
11月5日には、教職員向けにC31教室で所信表明を行いました。150名ほどの方が聞いてくださったでしょうか。同内容を400名の非常勤教員、80名のパート・契約職員の方々にメールで送りました。警備・清掃の方にも手渡しました。経大の教育に係わる全スタッフの方々に、私の考え方・気持ちを知っていただきたいと思ったからです。下の写真は、C31教室で話しているところです。
3、5日ともほぼ同内容ですので、5日の分を以下に紹介します。なお、「学長メッセージ」もご覧いただけると幸いです。プロフィールには、私の個人的な紹介が載っています。

教職員をはじめとする全スタッフへの学長就任のご挨拶
2010.11.5 徳永 光俊

11月より学長に就任いたしました。初代学長黒正巌博士より数えて第13代目に当たります。重森前学長はじめ、関係者の皆さまのご努力、ご協力に感謝するとともに、今後さらに本学を発展させるために、全力を尽くす覚悟であります。経大で働く教職員、契約職員、パート職員のすべてのスタッフの皆さまのご支援、ご協力をよろしくお願い致します。
私は教学の代表として、是々非々を明らかにしつつ、法人代表の理事長と緊密に話し合いを重ね、理事会の協力を仰ぎながら、経大改革に取り組んで参ります。

I 経大改革の王道は何か――「愛と志のある教育」の充実
私はこの12年ほど、学内の様々な仕事を経験させていただきました(日本経済史研究所所長6年/学生委員長2年/経済学部長2年/教務委員長1年半)。その経験から感じているのは、「教育の充実」こそが経大改革の王道であるということです。大学間競争の中で、目先・他大学・時流に惑わされず、教育改革を着実に進めていくことです。そのためには、直接教育の現場に携わる経大で働くすべてのスタッフのしっかりとした協力体制による「現場からの視点」が大切です  最近の経大生は、5、6年前と比べても大きく変わってきています。80年の伝統と経験を活かしながらも、いま学んでいる「学生の目線」に立って、学生一人ひとりに目配り、こころ配りした「愛のある教育」が必要になってきています。また、グローバル化が進み、先が見通せない現代日本においてこそ、黒正巌博士の「道理貫天地」をキーワードに、経大は21世紀の日本を担う有為な人材を育てる「志のある教育」を目ざすべきです。

II 経大の教育の特徴は何か――「ゼミ・マナー・就職・80年の経大」
経大は、建学以来「自由と融和」、「人間的実学」を教育理念として掲げてきました。そして、2007年にミッション・ステートメントを決め、「つながる力No.1」を大学の内外に発信してきました。私はこうした伝統を受け継いでさらに具体化するために、次の4つをわかりやすく重点にして、改革をすすめていきます。
(1)ゼミの経大:経大の教育の柱は、1~4年生の一貫したゼミ教育です。1年生からの基礎ゼミに始まり、2年生秋からの専門ゼミ、そして4年間の総仕上げとしての卒業論文の執筆です。ゼミ中心の教育によって、4年間でのストレート卒業率、就職率のアップを実現させていき、一人ひとりの学生たちが「楽しく満足できる経大」にしていきます。
(2)マナーの経大:最近では社会人基礎力、学士力などが強調され、就職のためのスキルアップ、知識の増大が盛んに言われています。それらはこの就職難の時代に必要なものでしょうが、その前に「一人前の社会人としてのマナー」を身に付けさせることが大事です。
(3)就職の経大:進路支援センターがほぼ100%の学生を把握し、1年生からのキャリアサポートシステムで、就職指導を行ってくれています。これらに加えて、ゼミとさらに密接に連動した就職指導を進めていく必要があるでしょう。就職難の時代だからこそ、「就職に強い経大」の底力を見せて、多彩な職業人を養成していかなければなりません。
(4)80年の経大:各種のイベント、スポーツ振興、記念事業を実施し、在学している学生たちも積極的に参加して、「経大に愛着と誇り」を持てるようにしていきたいものです。現在すすめているキャンパス総合整備事業は、経大がさらに飛躍するために重要です。募金事業も同窓会と協力しながらすすめます。クラブ・サークル活動の活性化をはじめとして、学生たちの課外活動にも積極的に支援して参ります。

III 経大はどのような学生を育てるのか――「堅実で清新な学生」
2012年の創立80周年を迎えるこの機会に、私たちは建学の精神に立ち戻ってみるべきです。初代学長の黒正巌博士が言った「道理貫天地」です。これは、黒正巌博士が戦前、学徒出陣の学生たちに贈ったものです。いかなる困難に逢おうとも、道理は天地を貫くことに確信を持ち、生き抜けとのメッセージでした。
ギリシアのソクラテスは、「生きることでなく、よく生きることをこそ、何よりも大切にしなければならない」と言い、「吾が道は、一を以って之を貫く」と中国の孔子は言いました。そして、「道理は天地を貫く」です。古今東西の思想に通底する核心(よく・一・道理)は同じです。私は日本文化の歴史と風土に根ざして、現代的に次のように理解します。目に見えない「いのち」への畏怖、「おかげさま」という道理が天地を貫いている。
「道理」をどのように解釈するかは、人さまざまで良いのです。学生たちに4年間で、日本、世界で唯一の経大オリジナルのこの言葉の意味を深く考えて、人生の軸に据えることをすすめていきたいと思うのです。ゼミやマナーの教育を中心にしながら、他大学の学生とは一味違う、芯棒が一本通った「堅実で清新な学生」を育てていきたいと思います。

IV 経大はどのような大学をめざすのか――「経済・経営系の大学としてNo.1」
80周年はあくまで通過点であり、これからの経大は90周年、100周年を視野に入れ、長期的戦略を立てて活動していかなければなりません。2015年に噂されている立命館大学の社会科学系学部の茨木進出、2018年からの18歳人口の急減と、逆風が強まります。入試が好調な今の時期にこそ、内向きに縮こまらず外向きに大胆に動くことが大切です。
長期的な検討課題となりますが、第3次中期計画にあるように、大阪市内にある経済・経営系の伝統ある都市型中規模複合大学として、関西で確固たる地位を築くことが最優先課題です。むやみに拡大路線、総合大学化の道を取る必要はありません。
大学院、2研究所、3センターなどが中心となって、大阪市内にある4年制大学として関西経済、中小企業、地域コミュニティーなどを中心とした研究の活性化を図ります。2032年の100周年に向け「経済・経営系の大学としてNo.1」を目ざし、経大の関係者みんなが「元気の出る強い大学」として迎えられるようにしましょう。

今後とも教職員はじめ全スタッフの皆さまと十分に相談しながら、学長としてのリーダーシップを発揮して、「道理」に即しつつ、100周年に向け一筋に経大改革をすすめて参ります。ご協力、ご支援のほど、よろしくお願い致します。