学長・野風草だより

No.8

No.8 2010年11月17日(水)

「超氷河期」での産業セミナー

今年度の就職率が60%を切る「超氷河期」の昨今です。
就職やインターンシップでお世話になっている企業の方々をお招きして、毎年開かれている産業セミナーは、今年は281社355名の参加で盛会でした。本学陸上競技部監督で報徳学園高校を何度も全国優勝に導いた鶴谷邦弘氏が、「頂上を目指して」のテーマで講演されました。
今年は初めての試みとして、2名の学生がインターンシップの体験を話しました。堂々とした態度で時間通りに的確にまとめており、感心しました。企業の方の評判も上々でした。名刺を交換しながら、お世辞とはいえ、「経大さんの卒業生はしっかりしてますよ」と、誉めていただくのはありがたいことです。また、「私も経大の卒業生です」と紹介されると、ええっ!こんなにもたくさんの卒業生が頑張ってくれてるのかの思いにさせられます。
就職まで大学が世話するのではなく、就職してからも企業と一緒に大学が21世紀の日本を担う有為な人材を育てていきたいものです。お世話いただいた進路支援部の皆さま、ご苦労様でした。以下は、その時に配布されたインターンシップを紹介する冊子に書いた挨拶です。

「マナーの経大」は「堅実で清新な学生」を育てます
本学は、1932年の建学以来「自由と融和」、「人間的実学」を教育理念として掲げてきました。2007年にミッションステートメントを定め、「つながる力No.1」を大学の内外に発信してきました。2012年の80周年に向けて、学長として私が重点を置く本学の教育目標は、「ゼミの経大」「マナーの経大」「就職の経大」の3つです。
最近では、社会人基礎力、学士力が強調され、就職のためのスキルアップ、知識の増大が盛んに言われています。それらはこの就職難の時代に必要なものですが、その前提として「一人前の社会人としてのマナー」を身に付けなければなりません。皆さまにご協力いただいているインターンシップをはじめとして、地域調査・海外実習などの現場体験型教育やゼミでの少人数教育を通じて、実社会でたくましく生ける、そしてマナーを身に付けたさわやかな学生を育てていきたいと思っています。
私たちは創立80周年を迎えるにあたり、初代学長黒正巌博士が言った「道理は天地を貫く」の建学の精神に立ち戻ります。ギリシアのソクラテスは、「生きることでなく、よく生きることをこそ、何よりも大切にしなければならない」と言い、「吾が道は、一を以って之を貫く」と、中国の孔子は言いました。古今東西の思想に通底する核心(よく・一・道理など)は同じです。私は、日本文化の歴史と風土に根ざした目に見えない「いのち」への畏怖、「おかげさま」という道理が天地を貫いている、と考えています。

「道理」をどのように解釈するかは、人さまざまで良いのです。学生たちに4年間で、日本、世界で唯一の経大オリジナルのこの言葉の意味を深く考えて、人生の軸に据えることをすすめていきたいと思います。グローバル化が進み、先が見通せない現代日本において、経大は「道理貫天地」をキーワードに、21世紀の日本を担う有為な人材を育てます。ゼミ・マナー・就職の経大教育を中心にしながら、芯棒が一本通った「堅実で清新な学生」を育てます。
こうした教育目標を実現していくうえで、インターンシップの果たす役割は極めて大きいと考えています。何卒、学生たちを厳しくご指導いただければと思います。皆さまとともに、新しい日本を「創発」する青年たちを育てられる事を念願しています。