学長・野風草だより

No.112

No.112 2011年9月28日(金)

毎日新聞インタビュー「愛と志のある教育」

来年、創立80周年を迎える大阪経済大学(大阪市)。経済・経営系の大学として、個性的で「自由と融和」を貴ぶ教育を貫く。目指すのは「つながる力」を土台に変化し続ける社会の動きに翻弄(ほんろう)されない芯を持ったまっすぐな人材の育成。そのために大切なこととして、徳永光俊学長は「愛と志のある教育」を掲げる。【聞き手は相原洋・毎日新聞学芸部長、写真は望月亮一】

--「愛と志のある教育」とは?

◆学生一人一人に目配り、心配りをした「愛のある教育」、21世紀の日本を担う有為な人材を育てる「志のある教育」です。初代学長の黒正巌(こくしょういわお)博士は「道理貫天地」と言っています。学徒出陣の学生たちに贈った言葉で、いかなる困難に遭おうとも、道理は天地を貫くということに確信を持ち、生き抜けというメッセージです。学生たちには大経大オリジナルのこの言葉の意味を考え、人生の軸に据えることをすすめています。私は3・11以降、とりわけこのことが大切なのではないかと感じています。

--来春開設する学部について。

◆経営情報学部を改組し、情報社会学部情報社会学科を設けます。社会で起きるさまざまな事象に多面的にアプローチできるように、情報学と経営・経済学に加えて社会学系の科目を強化します。これらを総合的、体系的に学習することで、幅広い視野や問題を解決する力を身に着けていきます。

--具体的には?

◆「現代社会」「経営・経済社会」「情報コミュニケーション」の3コース制にします。1年次では3コースの基本的な内容を学び、2年次からコースを選択します。所属コースの分野を深く学んだり、他コースの分野について幅広く学んだり。目標に合わせて専門科目を履修できる仕組みにします。

--経営学部も増強するのですね。

◆第一部経営学科の定員を85人増やして300人にします。近年、入試倍率が高い人気学科になっており、この機会に大きくします。税理士や経営コンサルタントなどの専門家を志向した「スペシャリスト養成コース」は、他大学の経営学部と比較しても、大変ハードな履修システムになっています。このほか、実務家や創業経営者に必要な「経営学」、「起業」の専門科目が充実しています。

--ゼミに力を入れていると。

◆教育の特徴の一つとして打ち出しているのが「ゼミの大経大」です。ゼミはおおむね1年次からスタートし、ほとんどの学生が4年間を通じて深くかかわります。15人前後の少人数で、教員と学生の距離が近く、和気あいあいとした雰囲気で進められます。活発な意見交換や討論、発表などを通して自分で考え、自分なりの問題を発見することにつながっていきます。

--その発表の場にはどんなものが?

◆全学部から参加するゼミナール大会です。各ゼミが研究成果をプレゼンテーションし、出来栄えを競うイベントです。昨年始めたのですが、35チームが参加し熱戦を展開してくれました。テーマが適切か、企画内容は論理的か、発表は分かりやすいか、などの厳しい審査を勝ち抜くために学生たちは全力を出し切りました。優勝チームは西日本のゼミナール大会でグランプリを獲得しました。今年は学生がより主体的に動き、大会名も「ZEMI-1グランプリ」になりました。10月末の学園祭で発表しますが、大きく成長していく学生たちの姿を見るのが楽しみです。

--他の特徴に「就職」も挙げています。

◆「就職の大経大」とうたっています。本学の10年度の進路把握率は98%です。4年間一貫のキャリアサポートシステムが機能しているからこその数字です。学生にメールを送ったり、連絡をとったりして、常にフォローし続けている証しと言えるでしょう。教職員はすべての学生の進路を把握する姿勢で学生とのつながりを密にしています。マンモス大学ではできないことを実践していきます。

--大学も先が見えにくい時代です。

◆大学の姿も10年、20年先のことを読むのは大変難しいでしょう。ただ、教育とは「そっと手を添え、じっと待つもの」という根本は変わらないと思います。手は添えるけれど、未来を決めるのは若い人たちです。若者が自分たちの力で育つように見守っていくのが私たちの務めです。

私としては、目標を立てて進む「しっかりもん」、他人への気遣いができる「あったかもん」、それに「やんちゃもん」を育てたいですね。今の学生は概しておとなしいので、少々外れてもいいから何事にも積極的にチャレンジする「やんちゃもん」を輩出したいものです。本学で学んだことが「大経大PRIDE」として、その後の生きる力の源になってくれればうれしいです。

毎日新聞 2011年9月28日 大阪朝刊
http://www.mainichi.jp/life/edu/university/news/20110928ddn010100052000c.html