学長・野風草だより

No.116

No.116  2011年7月14日(木)

『大学選びの新常識』のインタビュー「愛と志のある教育で・・・」

「大学選びの新常識 2012年度版 (講談社MOOK)」 で、インタビューを受けました。以下は、その内容です。

愛と志のある教育で一人ひとりの個性を花開かせたい。

世をおさ(経)め 民をすく(済)う 「経済」の原点へ。

大阪経済大学のホームページには、徳永光俊学長のエッセイ『野風草だより』が随時更新されています。学長就任からほどなく掲載された昨年11月の第1号で、徳永学長は所信表明として、大阪経済大学がめざす教育の姿を「愛と志のある教育」と記しています。
「教育の目的は何か。そう問われたら私は、どう生きるべきか考える力を養い、長い人生の終わりに、良い一生だったと振り返られるよう導くこと、と答えます。いまの社会で生きていくためには、ビジネススキルや資格も大切でしょう。しかし、その前にまず『人間』であるべきです。実学を学ぶ経済経営系の大学であればなおのこと、ここでの4年間で人としてもっとも大切なものを育んでいただきたい」。
徳永学長は、東日本大震災の被災地にボランティアとして学生とともに赴きました。そこで深い悲しみを抱える被災者の姿を目の当たりにし、その思いをいっそう強くしたといいます。
「経済とは、『経世済民』の略語です。世をおさ(経)め、民をすく(済)うことこそ経済の目的。私たちは、いまこそ経済の原点に立ち返り、もう一度温かい 日本、美しい日本を取り戻さなくてはなりません。そこで必要なのは、人々への愛と、どんな困難にも負けない強い志ではないでしょうか」。

夢へ向かってやり抜く力と他人に手を差し伸べる心で大経大PRIDEを育てる。
こうした理念にもとづき、徳永学長は、大阪経済大学がめざす人間像として「しっかりもん」「あったかもん」「やんちゃもん」の3つを挙げています。
「しっかりもん」とは、やり抜く力を持った人間のこと。就きたい職業や理想の将来像といった夢を実現するため、手厚いサポート体制を用意。学生生活全般の相談に応じる「学習支援室」や、担当教員がさまざまな悩みに対応する「クラスアドバイザー」制度、進路の不安や悩みにきめ細やかな個別相談で応える「進路支援センター」などを設置し、堅実なキャリア形成を支援しています。

ふたつ目の「あったかもん」とは、他人、困難にある人へ手を差し伸べる心を持った人間です。学生のボランティア活動を積極的に支援するほか、地域住民と一緒に企画・受講する授業を実践。昨年は「経済学特殊講義」として消防署員を招き、住民と防災活動に取り組みました。
「地域の方々とどんな授業にしたらいいかを話し合っていたとき、防火水槽のふたが重くて持ち上げられないお年寄りの声をいただき、それならばと一緒に消火訓練を行う授業を作りました。参加されたお年寄りにも喜ばれ、学生にとっても世代を超えたコミュニケーションから学ぶことは多かったと思います」。
もっとも力を入れているのが、「やんちゃもん」の育成です。
「いまの若い人は、ともすれば意識が内にばかり向いてしまい、外への発信を苦手としています。強い意志を持ち、少しくらい枠をはみ出しても積極的に外の世界に関わり、自分を表現していける学生が一人でも多く現れてほしいと願っています」。
これを実践する場となっているのがゼミです。同大学では伝統的にゼミ教育を重視しており、ゼミ同士で研究内容をプレゼンテーションする「学内ゼミナール」大会も実施。審査員にはインターンシップの受け入れ先企業を招き、学外にも積極的に発信します。昨年は、合同学術発表会「西日本インカレ」に出場した同大学のゼミが、グランプリを獲得しました。
「こうした『しっかりもん』『あったかもん』『やんちゃもん』を集め、大経大PRIDEを育てていきたいと思います」。

一生の幸せを見据えた就職へ導くキャリア支援。そっと手を添えじっと待つ。
就職支援にも「愛と志」の理念が踏襲されています。例えば企業を退職したOBが、その企業の実情を学生にアドバイスする「シニアサポーター制度」。入社案内や企業のウェブサイトでは知り得ない企業の素顔が垣間見えるとあって、学生からも高い評価を得ています。
「良い会社に就職できるかどうかより、一生の幸せをどう実現するかのほうがよほど大切ではないでしょうか。そもそも良い会社とはどういう会社なのか。社会人の講演などを通して、企業の姿勢を見極める目を養って欲しいと思います」。
こうした考えのもと多くの学生を社会に送り出してきた経験から、徳永学長は「教育ほど幸せな仕事はない」と語ります。
「学生は誰もが、いつも伸びようとしています。私たちにできることは、その個性に気付き、望むときに水を与えてそっと手を添えじっと待つこと。それだけで学生は個性を輝かせはじめるのです。その個性を花開かせて社会で活躍してくれれば、これに勝る喜びはありません」。