学長・野風草だより

No.202

No.202 2012年4月13日(金)

2012年度の基本方針説明会

新築のJ館3階の第1会議室で、2012年度の基本方針説明会がありました。教職員全体で、130名の参加がありました。真新しい建物で、こうして教職員が一緒に集まれるのは、うれしいですね。最初に理事長から法人としての説明が行われました。本年の記念すべき80周年を全員でお祝いしようと、強調されました。そして入口の入試と出口である就職に、とくに力を注いでいこうと話されました。

私からは、パワポを使いながら、教学の基本方針を30分ほど話しました。Ⅰでは、何よりも創立80周年事業を成功させようと呼びかけました。とりわけ、学生たちの参加が重要で、学生らしい発想での企画をどんどん実現させたいものです。Ⅱでは、入試、教務、学生生活、国際交流、就職、研究の各分野でのデータを事前に送って検討してもらうことにしました。これは、5年、10年の短期・中期的なデータを見ることで、本学の歴史的推移を正確に知るとともに、他大学との比較を載せることで本学のポジションを確認してもらうためです。ご協力いただいた関係部署の皆さま、ありがとうございました。

Ⅲでは、私が学長に就任してからの1年半ほどの間に強調してきた大経大としてのめざす教育の方向を、まとめて報告しました。教育の特徴として「ゼミ・マナー・就職」、どのような学生を育成するのかとして「しっかりもん・あったかもん・やんちゃもん」、そして大学としての学風・品格を「大経大FAMILYが、大経大STYLEで、大経大PRIDEを育てる」と表現しました。そのうえで、Ⅳとして今、力を入れるべき点として、研究力・教育力・就職力・語学力・地域力・ブランド力の6点を具体的にあげて説明をしました。

Ⅴでは、これからの教学の基本的な視点として、大学全体として7400名弱という学生数であることのスケールメリットを生かして、学生一人一人に目配りをしたきめ細かい教育を実現していくことこそが、大経大の進むべき教学の王道であると強調しました。目先にとらわれることなく、小手先に終始することなく、周りに振り回されることなく、80年の長きにわたり営々と築きあげてきた大経大の人間教育の伝統を継承し、さらに発展させましょう。そのためには、教職員一人ひとりの自覚、自律が求められますし、組織としてのPDCAサイクルの確立が急務です。

最後にⅥとして、私の「生命・人生・いのち」(上田閑照)の重層的な60年を振り返りながら、私の研究―教育―大学を貫いてきたものは何かをお話しするつもりでしたが、時間切れでした。私は35年間、史資料を調査し、現場の農家と話し、そしてアジア各地を回りながら、農業史、農業経済、農業哲学を研究してきました。そして25年間、大経大で教育に携わってきました。ゼミ卒業生は500名にもなりました。農業と教育に通底するものは、「いのち」を育てるということだと、学長になって1年半がたち気づきました。遅きに失した感はあり、内心忸怩たる思いですが、建て前でなく、他人の言葉ではなく、やっと胸にストンと落ちたのです。「いのち」を育てるコツは、「そっと手を添え、じっと待つ」です。私は教職員の皆さんに、賛成するかどうかは別にして、是非この見方について考えていただきたいと思います。教育という素晴らしい仕事に携われる喜びを、教育の芯棒は何かと考えることで、深めていただきたいと思います。

本学は今年80周年を迎えますが、初代学長の黒正巌博士は、「道理は天地を貫く」と言われました。鈴木亨元学長は、「空の大悲」によって私たちは存在者として存在すると言われました。この二つの言葉は難しいですが、極東のモンスーン地域の日本列島で何万年と暮らしてきた人々の生き方の原点を表現したものだと思います。こうした大先輩によって本学が導かれてきたことは、この上もない喜びです。難しい言葉ではありますが、私はこの本学の学問的伝統を私なりに咀嚼して、若い学生たちに伝えていきたいと思います。 学生の皆さんに、「こころざしを立てて貫く、おかげさまと感謝し祈る」ことの大切さを伝えたいと思います。