学長・野風草だより

No.226

No.226 2012年6月8日(金)

大学関西フォーラムでの寺島実郎氏の講演

読売新聞大阪本社主催による大学関西フォーラムの第11回シンポジウムが、ヒルトン大阪で開かれました。昨年は3.11の東日本大震災があって、河田恵昭 関西大学教授のお話を聞きました。今回のテーマは、「育てようグローバル人材~君は世界と競えるか~」で、多摩大学学長・日本総合研究所理事長の寺島実郎 氏の基調講演「世界の構造転換と日本―グローバル人材育成の
必要性―」がありました。私は、『脳力(のうりき)のレッスン I・II・III』(2004,2007,2010 岩波書店)を読んで共感するところ大でしたので、多いに期待していました。当日は、「寺島実郎の時代認識  資料集2012年初夏号」を配布していただき、勉強になりました。その後のパネルディスカッションは、所用のため参加できませんでした。講演の詳細など は、6月30日の読売新聞に掲載されており、私の感想は一番下にある通りです。

 最初に、グローバルとインターナショナルの違いは何かを話されました。この20年ほどで、国家を前提としたインターナショナルから、地球を一つの星とし て見ていくグローバルの視点へと変わってきた。そこではとくに、アジアダイナミズムとも言うべき中華圏ネットワークに注目しなければならない。それではグ ローバル人材とは、どのようなものか。語学力やパソコンを使いこなすスキルだけでは、これからのグローバル化には対応できないだろう。優秀な多国籍人をマ ネジメント出来るプロジェクト・マネジメント・スペシャリストが必要とされてくるのであり、その根底には人の心を動かす力、他人のために涙を流せる全体知 を持った人材でなければならない。 これからの大学教育は、そのような方向で進めていって欲しいと結ばれました。

『世界を知る力―日本創生編―』(2011 PHP新書)の内容紹介には、次のように書かれています。「日本中の人々が、不安、苦悩、孤独感にさいなまれ ている。『日本は再生できますか?』―親鸞聖人の思想、幕末の志士たちの生き様、関東大震災の教訓・・・私たちの歴史を振り返ることで見えてくるものは何 か。ユーラシア大陸東端に位置する日本の地政学的な可能性。そして『原子力という火』と対峙する近代主義者としての覚悟。『絶対他力』からはじめて自立自 尊の大切さが浮かび上がる。いま本気で考えるべきことは何か。」是非、一度お読みになって下さい。素晴らしい機会を与えていただいた読売新聞大阪本社に感謝します。