学長・野風草だより

No.230

No.230 2012年6月12日(火)

森詩恵先生のイギリス便り

イギリスに留学している森先生から、お便りが届きました。何事もチャレンジだと思って、頑張ってるそうです。英語はうまくなくても、ジェスチャーでなんと かなるんだ!と実感し、7月にイギリス老年社会学会で報告することができることになったそうです。すごいですね。あと2か月の留学、充実したものになるこ とを期待しています。

こんにちは。経済学部の森詩恵です。昨年9月からイギリスのウエスト・ヨークシャー州にあるリーズ大学に留学しています。リーズは、鉄道でロンドンから北へ2時間15分ほどのところにあり、さらに北にあるスコットランドのエジンバラへも3時間ほどで行くことができます。日本では車が好きでしたが、イギリスでは鉄道の旅をしようと思い、リーズからエジンバラ、そしてグラスゴーからリーズへと周遊旅行に出かけました。
行きは東側の海岸沿いを走る鉄道でエジンバラへ、そして帰りは西側を走る鉄道でグラスゴーからリーズへ。イギリス留学帰りは、ヨークシャーデイルという渓谷を眺めながら列車に揺られました。
イギリスは田舎が素敵とよく言われますが、列車から見える景色が本当に綺麗で何時間見ても飽きません。

イギリスを留学先に選んだ理由は、素敵な景色だけではありません。
私の専門分野である社会政策はイギリスと深い関係があり、わが国の社会保障・社会福祉もイギリスの影響を受けているからです。私は現在、高齢者の介護保障政策について研究していますが、イギリスでの高齢者介護の現状を知りたかったので、そのためには現場での声を聞くことが最も大切だと思い、教会が運営している高齢者デイセンターに訪問させていただきました。デイセンターとは、高齢者がお家からセンターに来て、話したり、お昼を食べたり、レクリエーションをしたりするところです。
イギリス留学どうしても人と関わる機会や外出する機会が少なくなる高齢者に対して、健康面や精神面から支援し、社会的孤立を防ぐ役割を果たしています。日本では、介護が必要でない高齢者の方が介護保険制度のデイサービスを利用することは難しくなりましたが、イギリスでは高齢者の「日常生活を支える」という視点が今も強く感じられ、「介護の有無」だけでない生活支援の重要性を改めて実感しました。
デイセンターでは一緒に折り紙をしたり、ボランティアの方が作ってくれたランチ(シェパーズパイ:ラム肉のミンチとマッシュポテトのオーブン料理)をいただいたり、みなさん、突然訪れた私を温かく迎えてくださいました。

また、こちらで同じ分野の研究者や現場の方々と出会えたことも、今回の留学の成果だと思います。そしてわが国における家族介護の状況を報告する機会にも恵まれ、イギリスの方も高齢化が進むわが国が取組んでいる制度や介護の状況を知りたいのだとわかりました。

今年のイギリスは、6月にエリザベス女王の在位60周年のお祝い、そしてロンドンオリンピックとイベントがたくさんあってにぎやかです。個人的にも、年末にフラットが水漏れして緊急連絡先に電話したり、今度は水道管破裂で断水になったりしました。とても大変でしたが、その度に周りの人々に助けられ、またその優しさにふれられたことも海外生活での良い経験だと思います。あと2ヶ月、イギリスで充実した日々を過ごしたいと思います。