学長・野風草だより

No.55

No.55 2011年3月15日(火)

学生生活の「作品」としての卒業論文

昨年度から、卒業式に「卒論タイトル集」を編集して、卒業生の皆さんにお渡しすることにしています。今年度は91ゼミの卒論タイトルを掲載することが出来ました。87%に当たります。昨年度は70ゼミ、71%でしたので、たくさんの先生方に協力していただきました。先生方、お世話いただいた教務課の皆さんに御礼申し上げます。

私のゼミでは、右の写真のように卒業式に全員の卒論を製本してプレゼントしています。学生生活の記念すべき「作品」として、ゼミ全員の「共同作品」として、大経大での思い出にして欲しいと思っています。でも、これ重くて転勤しても持っていけへん、実家に置いてるわ、という声が聞こえてきましたので、近年はCD-Rも作製して渡しています。情報処理部の教材作成支援室に助けていただきました。無理を聞いてくださり、ありがとうございました。以下は、「卒論タイトル集」に寄せた私の巻頭言です。

卒論は、おかげさま

みなさん、ご卒業おめでとうございます。この「卒業論文タイトル集」に、あなたの名前と大学生活の総決算ともいえる卒論のタイトルを載せて、その労に報いたいと思います。ご苦労様でした。
35年も前の私の卒論を思い出しています。初代学長黒正巌博士の直弟子の先生に学びました。農業経済史を専攻していましたので、幕末・維新期の織物業について、故郷松山の伊予絣を例に書きました。内容はさっぱりですが、書き上げたという達成感だけは、今も残っています。
みなさんも、10年後、20年後に自分の卒論を思い出したら、どんなでしょうね?人によって様々でしょうが、この達成感だけは共通しているのではないでしょうか。やり遂げたという達成感を得たというのは、人生にとってとても大切じゃないでしょうか。それなりの努力をしなければ、達成感は得られないのですから。
今は卒論指導する立場です。みなさん、卒論作成のプロセスを思い出してみてください。①まずはテーマを何にしようか、うーんと迷ったことでしょう。課題発見力。②次にどんな風にしたら最後まで書き切れるか、あれやこれやシナリオを描いたはずです。企画力。③いよいよ調査研究です。先行研究を論文やネットで調べていく。データを収集したり、フィールドワークをする。調査力。④さあ、どうやってまとめよう。ここできっと悩んだんじゃないかな。どういう構成にして、どう論理的に展開するか。構想力。⑤ここまでくれば、あとはどんどん書いていくだけ。図表を作成したり、ネットからコピペしたり、写真を取り込んだりして、わかりやすく表現する。でも思ったことがうまく書けない。文章力。⑥最後は、出来たものを上手にレジュメにまとめたり、パワポで発表して、先生やゼミ仲間に理解してもらう。表現力。
ざっと書き出しただけでもこれだけの力を、卒論を書き上げたことで、みなさんは身に付けたわけです。これって、すごくない!これらが卒論を通して、みなさんが経大で獲得した実力、学力なのです。それらを一緒くたにまとめたら、達成感として実感しているのです。ええっ、そんな大げさなもんじゃないよと言われるかもしれません。でも社会で働き出したら、知らずしらずのうちににじみ出てくるんです。大丈夫だよ、自信持って。
しかし、もうわかっていると思うけど、それらはあなた一人の力で得たものでは、ありませんよね。卒論だけでなく、経大での学生生活を思い出してみてください。友だち、ゼミ仲間、クラブやサークル仲間、たくさんの先生と職員。そして何よりも、お父さん、お母さん、家族、学費を負担していただいた方。そんなこんなみんなの「愛」が、みなさんの卒論には一杯詰まっているんじゃないでしょうか。「おかげさま」かな。