2005年度秋学期

2005年度秋学期 実施結果

【概要】
 
(1)目的

 マーチン・トロウ『高学歴社会の大学』(東京大学出版会,1976年)によれば,高等教育への進学率が15%以下の場合はエリート型,15%を超えるとマス型,さらに50%を超えるとユニバーサル型に変化すると指摘している。日本では2005年度,18歳人口のうち,大学への進学率が42.4%,短大への進学率が7.5%,したがって,大学・短大への進学率が合計して49.9%になり,まさにユニバーサル段階を迎えている。
 ユニバーサル段階を迎え,学生も大衆化し,変質していく。最近,「基礎学力がない」「学習意欲がない」等,そのような教員の嘆きをよく耳にする。学生の学習意欲の低下は教員の教育意欲にも反映していく。したがって,授業の品質を維持し,向上していくためには,授業の評価を定期的に実施し,学生の意見や感想を真摯に受け止めることが必要である。
 2005年6月,連絡協議会において授業評価の実施を了承している。まず,2005年度秋学期に実施し,2006年度以降,春学期,秋学期各一回,実施する。さらに,連絡協議会は次の4原則を確認し,各教授会に報告している。
① 授業評価を全学的に実施すること。
② 質問項目は経済学部の質問項目をベースにすること。
③ 授業評価の結果を査定に結びつけないこと。
④ 授業評価の結果を公表すること。
 
 2005年12月7日から2006年1月23日の間に授業評価を実施した。対象科目は基礎演習,教養演習,演習,卒業研究,健康とスポーツ科目の方法学(体育実習科目)を除く全科目である。教員自らが授業中,質問用紙を配布し,回収している。対象科目のうち,約86.4%で授業評価を実施しており,全学的に実施した初回としてはほぼ満足した数値といえるだろう。
 授業評価を実施すれば,その信頼性がよく問われる。例えば,「学生がふざけて回答したものもあり,そのような授業評価は信頼できない」と。しかし,学生のふざけた回答もその授業に対する評価といえるのではないだろうか。また,個別に信頼できない回答があるにしても,クラス平均値は信頼できるものである。授業評価を個々の教員は真摯に受け止め,今後の授業の改善に役立てていただきたい。
 さらに,授業評価の結果から取組まなければならない課題は山積している。例えば,教員年齢と授業評価との関係,履修者数(多人数授業・少人数授業)と授業評価との関係,専任教員・非常勤教員と授業評価との関係,Ⅰ部・Ⅱ部の授業と授業評価との関係,授業評価の学部間の相違等。これら課題は授業評価を定期的に実施しながら,解決していきたいと考えている。

(2)期間
 2005年12月7日(水)~2006年1月23日(月)
 
(3)対象科目
 基礎演習、教養演習、演習、卒業研究、健康とスポーツ科目の方法学(体育実習科目)を除く全科目
 
(4)アンケート項目
 ●全17問
 ●内容はこちらを参照
 
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