史資料の収集・整理

 

史資料は歴史研究の生命線です。本研究所は、歴史研究と関わりのある図書、雑誌、古文書を中心とする史資料の収集と整理を、最も重要な活動の一つに位置づけています。最新の出版情報や古書市場の動向の把握に努めるほか、史資料寄贈受入の依頼にも積極的に対応し、研究環境の充実を図っています。
本研究所が所蔵する図書は、19世紀半ば以降に出版された日本語の文献が多くを占めますが、欧文やアジア言語の文献も少なくありません。経済史に関するものだけでなく、社会史、政治史、文化史を主題とする文献も多数所蔵しています。

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 ※所在が「日経史」のものが日本経済史研究所所蔵です。閲覧をご希望の方は本学図書館カウンターへ

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古文書では、特筆すべきものとして中島家文書と井野口屋飛脚問屋記録が挙げられます。

中島家文書は、近世初期から明治中期に至る商家の文書群です。一紙もの(継紙・切紙なども含む)、冊子(竪帳・横帳)、折本、綴り、書簡など、総点数は5,000点を超えます。中島家は近世初期創業の京都の呉服商で、屋号を「銭屋」と称しました。本業の傍ら薩摩島津藩や佐賀鍋島藩などの蔵元もつとめ、大規模な大名貸を行っていました。

井野口屋飛脚問屋記録は、近世の飛脚問屋の記録で、竪帳33冊から成ります。時期は享保81723)年から天保141843)年までです。井野口屋は尾張藩の御用飛脚問屋で、名古屋と京・大坂・奈良ほか各地域を結ぶ通信事業を営んでいました。この記録は近世通信史の史料として貴重であり、2003年の開所70周年を記念して、翻刻史料集を史料叢書4冊~7冊(全4巻)として2000年から2004年に刊行しました。

そのほか、畿内の近世文書の所蔵も豊富です。村方(地方)文書として河内国讃良郡木田村文書(231点)、摂津国島下郡耳原村文書(87点)、町方文書として京都町宗林組文書(35点)、商業関係の文書として河内国石川郡喜志村岸家綿屋文書(約400点)、河内国讃良郡岡山村文書(826点)などがあります。