研究関連

國友順市

「会社の法人格とは何か」を考える 【國友順市】

国によって異なる「会社の法人格」

会社法は、会社の設立・解散・組織・運営・資金調達などに関する法律です。平成18年に商法第二編の会社編を抜き出す形で「会社法」という単行法が施行されました。会社法の特徴の一つは、「規制緩和」です。例えば、株式会社の起業が簡単になり、それまでは株式会社の設立に1000万円の資本金が必要でしたが、1円の資本金で設立できるようになりました。また株主総会と取締役が1人というシンプルな機関設計も可能になりました。

私は「会社の法人格とは何か」という研究を長く続けています。会社は法人であるとされていますが、「法人の意義」については、我が国においてはもちろん、国により考え方が異なるため、さまざまな学説が存在しており、未だ理論上では解決されていない難しいテーマも存在しています。
会社法に限らず、法の研究者の研究が活用されるのは主に司法の場、つまり民事の裁判においてです。会社法が適用される争いが起きて裁判が行われた時、私たち研究者の理論を裁判所がどう考慮して判決に反映させるかに注目しています。そして裁判所が下した判決に対して、判例評釈といった形で、私たちの考えや意見を社会に公表しています。

企業の不祥事を分析

会社法の授業では、条文の説明だけでなく、今日はこれだけは覚えて帰ってほしいというトピックを用意するようにしています。たとえば「株主と何か」といった問題を、会社の従業員との関係できるだけ分かりやすい形で説明するように心がけています。
また、ゼミでは学生たちに「なぜ企業の不祥事は後を絶たないのか」について、「コーポレイト・ガバナンス」や「経営判断の原則」などをキーワードに分析してもらっています。

会社のすべては、会社法の枠組みの中で動いています。会社法を学べば、自分が勤めている会社に関する法的な基礎知識を得ることができます。さらに私たちは会社を離れても、網の目のような法律の規定の中で生きています。日々の生活の中でトラブルを引き起こしたり、あるいはトラブルに巻き込まれたりしないため、学生たちには基本的な法律知識と倫理観を身に付けてもらいたいと思っています。