研究関連

梅原英治

財政学を武器に政治・経済・社会をトータルにとらえよう!

財政は政治・経済・社会をつなぐリング

私たちの暮らしは、政治・経済・社会という3つのシステムから成り立っています。財政は3つのシステムをつなぐ重要な役割を担っており、財政学を学べば、政治も経済も社会もトータルに理解できるようになります。
経済では市場という競争原理が支配しますが、政治では国家権力という強制原理が働き、社会では人々がともに生活する共同原理が働きます。つまり、世の中には市場原理だけで割り切れない部分があり、そういう分野が財政学では重要な対象になります。

ものごとを多面的に把握することが大事

ものごとをトータルに理解しようという姿勢は、私たちの生き方にもかかわります。ものごとにはいろいろな面があり、一面だけをとらえて、すべてを分かったつもりでいるのは危険なこと。例えば、日本の財政はGDP(国民総生産)の2倍近くの借金を抱えていますので、「日本もギリシャのようになっちゃうよ」と言われていますが、国債の95%が国内で購入され、国民の資産となっていて、国債金利は1%前後と低い。「日本がギリシャのようになる」なら、こんな低い金利では誰も国債を買わないはず。
また、人口の高齢化というと、「胴上げ型」から「騎馬戦型」「肩車型」へ、若い人の負担がだんだん重くなるような図がよく登場します。しかし、65歳以上でも働いている人はいっぱいいますし、64歳以下でも働いていない人がたくさんいます。65歳以上の人を社会に負担だけを負わせているかのようにいうのは間違っています。
総合的理解の重要性を強調するのは、財政学という分野では、消費税の問題ひとつとっても、政府筋やマスメディアから強力な情報が一方的に流され、信じ込まされやすいからです。一歩立ち止まって「ホントかな?}と、別の面から考えてほしいのです。授業では、ものごとを「タテ」(歴史的に)、「ヨコ」(構造的に)、「ナナメ」(国際的あるいは学際的に)と多面的にバランスよく理解することを強調しています。一方的な情報に惑わされない広い視野を育めば、人生も豊かになりますし、生きる力もわいてきます。

努力を続けていれば、いつか夢はかなう

就職活動でも同じです。有名企業ばかり目を向けないで、着実な経営を行っている中堅企業・中小企業、なかには小さくても世界的なシェアを誇る元気印の企業が関西にはいろいろあるので、広い視野で就職活動に取り組んでほしいですね。
私は大学教員になるまで時間がかかりました。そういう自分の経験に基づいていえば、小さくてもいいから夢をもつこと、それに向かって努力をすること、あきめないで続けていけば、いつかは夢がかなうものだと信じています。夢を信じて頑張りましょう!