研究関連

本間 利通

専門職の働き方を調査・分析 組織事故や不正の防止のための枠組みを検討

「組織コミットメント及び職業コミットメント」と「組織行動」の関連を調査

  私は現在、主に「組織コミットメント及び職業コミットメント」について研究しています。コミットメントは忠誠心とも言われますが、「組織及び職業に対する関わり方」の問題として扱っています。コミットメントには、情緒的な関わり方・存続的な関わり方・規範的な関わり方という三つの次元がある(Allen & Meyer, 1990)とされ、私はその見方に基づいて、アンケート調査や理論的検討を行っています。


  組織コミットメント及び職業コミットメントは特定の組織行動に関連するという想定があり、それを実証するために、2015年度は調剤薬局に勤務する薬剤師を対象としてアンケート調査を行いました。薬剤師の責務のひとつである「疑義照会(疑問や不明点のある処方箋について医師に問い合わせる)」という行動に着目して、薬剤師のコミットメントと疑義照会の関連性を見るためにデータを収集しました。その結果、特定の疑義照会と情緒的・規範的職業コミットメントが関連する傾向があることが分かりました。
 

理論的基盤を作り、企業・社会に具体的な提案を

 この研究の最終的な目標は、組織事故や不正の防止です。あまり理解されてこなかった専門職の働き方を分析することで、より良い制度を企業・社会に対して提案できるようになります。もともとの研究テーマはホイッスルブローイング(内部通報・告発)でした。組織事故や不正はホイッスルブローイングによっても防止されるため、こちらも継続して調査・研究を行います。専門職が通報しなかった、あるいは通報できなかったために大きな社会問題が起きるケースは、これからも起こりえます。そのために、事故や不正を未然に防ぐ仕組みのための理論的基礎を作成することに大きな意義があると考えています。今後の課題のひとつは、アンケート調査における測定に関する問題です。より適切に組織コミットメントを測定できるように、質問項目の妥当性・信頼性などを考慮して改良を加えます。
  学部では「経営組織論」の授業を担当し、組織構造のようなマクロの組織論と、働く人のモチベーションやリーダーシップといったミクロの組織論を講義しています。今後も自分自身が面白いと感じるテーマの研究を続け、それを授業やゼミにも反映することで、学生の成長をサポートしていきたいと考えています。