研究関連

藤本義治

生産立地・集積」の数理的分析と「創業立地」の分析 【藤本義治】

企業集積が工業地帯全体の稼働率を押し上げる

機械工業がある特定地域に集積する現象は特徴的です。京浜工業地帯や東大阪市のように、企業が集積した地域に立地的優位性があります。下請け企業が多く集まっている方が、工場の稼働率が上がり、効率が良くなり、業務に及ぼす効果が大きいのです。
私の研究は数式を使う数理モデルによる研究です。モデル設定しますが、必ずしも現実に完全にフィットしているわけではありません。実際の状況と必ずしも一致するわけではありません。それでも傾向はわかります。生産が集積すれば、稼働率が上がるというなどの結論が導き出されました。
実際の例と比べて考えます。京浜工業地帯は最も集積が進んでいます。機械工業でも板金やプレスといった得意分野を持つ下請け企業が数多くあります。一般的な親企業、下請け企業という系列関係ではなく、どの企業の発注にでも応えることができる高い技術力、能力を持った下請け企業がそろっているのです。企業はどの下請け企業にでも発注できるので、均等に仕事が行きわたり、全体としての稼働率が上がります。数式で導いた結論と似ています。

「創業立地」の分析

「創業立地」の研究もしてきました。企業が創業時、最初の工場を建てる場所を決めた理由は何かということです。「たまたま土地があったので、そこに工場を作った」というように意外に経済的合理性とかけ離れている場合もあります。名古屋の某工作機械メーカーは妻の実家に近い場所に建てました。経済的な合理性だけで立地されたわけではありません。これに対し、企業の規模が拡大し工場を増やすのは「分派立地」と呼ばれます。こちらは「交通の便」「質の良い労働者の確保」といった経済的合理性に基づいています。工場の海外進出は最も合理性を追求したものです。こちらはなんとか説明できますが、創業立地は企業ごとに個性があり、体系的にまとめるのは難しいし、道半ばというところでしょうか。
大学では経営学全般を教えています。「会社とは何か」「生産とは何か」など実社会で役立つ内容なので、興味を持っていただけると思います。