17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージReport2003 page 56/76

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17歳からのメッセージReport2003

17歳からのメッセージ?[受賞作品集]??奨励賞? 54置き、鳥のさえずりや川のせせらぎのCDをかけ、お風呂にはアロマテラピーの入浴剤を入れます。そしてベッドには快眠グッズには欠かせない抱きマクラを置き、お香をたきます。でも、なぜ人々は、「やすらぎ」や「くつろぎ」を物に求めるのでしょうか。誰かと話をしたり、ただ一緒にいるだけで、いやされることもあるのに…。人は人によって、傷ついたりすることもあるだろうし、立ち直れないくらいに悲しいこともあるかもしれないけど、結局は、ほかの誰かに救われるのです。お金で「いやし系グッズ」を買うのもいいけれど、ちょっと横を見れば、隣で誰かが手を差しのべているかもしれないと思います。それは家族かもしれないし、友人あるいは、先生かもしれません。もしかしたら、偶然に会った人かも…。もっと人とつながるアンテナを広げれば、そこには、別の誰かもアンテナを広げているのです。そして、その「誰か」は、「いやし系グッズ」よりも本物の「いやし」を与えてくれるかもしれません。もし、あなたに大好きな恋人と親友がいて、その2人が今海で溺れているとする。けれどあなたは、2人のうちどちらか1人しか助けられない。さぁ、あなたは恋人か親友どちらを助ける?こんな質問をされたら、大抵の人は黙って考えてしまう。しかし私のある友達はすぐに「親友」と答えた。その理由は親友なら世界にたった一人だが、恋人はまたつくればいいということだった。果たして彼女は実際その状況になったら本当にそのような行動をとれるのだろうか。彼女に恋人ができた初めの頃は、私も一緒に喜んでお祝いした。しかし日がたつにつれて彼女の話題は彼の話ばかりになった。私と遊んでいても彼女は彼に夢中だった。私が彼女に相談をもちかけてもうわの空だった。彼に嫉妬しているわけではないが、私に対する接し方が許せなかった。そしてとても寂しかった。友達優先か恋人優先かという問題で色々な関係が壊れることがある。恋人に夢中になることはとてもいいことだけれど、周りのことが見えなくなるのはいいことではない。自分が大好きな人に価値や順序をつけることはできない。だからこそまわりを見失わないようよく見て行動してほしい。私はかつて女優だった。あの頃は孤独な模範生を演じていた。誰も私の正体を知らず、私の演技に気付く人はいなかった…はずだった。なのに…どうしてあなただけは気付いたのですか?私が仮面をかぶっては《本当の自分》を隠し《ウソの自分》を演じていることを…。あなたは私にそっと近づき私の固く、厚い仮面を取ってくれて、私を強く抱き締めてくれた。その時、私の心の中で何かがくずれ、今まで感じたことのない温かい何かを感じました。それ以来、私は演じることを忘れました。今では《本当の自分》と真正面に向き合うこともできます。誰かを信じ、自分を信じることもできます。あなたは今どこにいますか?もし、また会うことができるなら、あなたに伝えなければならないことがあります。あの時、伝えられなかった言葉。《先生、ありがとう。》と…。私の日当たりのいい通学路には唯一影ができる小さな木がある。その木を見ると、私はいつも思い出すのだ。それは、ある蒸し暑い夏の日の出来事だった。当時、私は高校二年生で、先の見えない将来や友達関係に苛立ちを憶える日々が続いていた。その日の下校途中も、なんとなくいらいらしながら自転車を走らせていた。すると突然、黒い雲と一緒に夕立ちがやってきたのだ。私はあわてて自転車を止め、目の前の木の下に駆け込んだ。その瞬間、いきなり滝のような雨に変わった。するとその時、老婦人がずぶ濡れになりながらそこへ入って来たのである。私が持っていたタオルを差し出すと、彼女はにこりと微笑んだ。それからどのくらいたったのだろうか。雨はすっかり止み、私は木の下から空をふっと見上げた。すると、そこには七色の橋が輝いている。雲一つない青空にくっきりと浮かび上がったとても美しい虹だった。その後、私が老婦人に別れを告げると、彼女は「ありがとう。楽しかったです。」と、笑顔で告げてくれた。虹へ向かって歩いていく彼女の姿は、まるでドラマのワンシーンのようだった。私は彼女のその言葉がとてもうれしく、同時に今までの私の心にひっかかっていたもの、それが、目の前にある空のように晴れていくのを感じた。たった一度の出会い、しかし私を変えたこの出来事はこれからもずっと私の心に残っていくだろう。あの日見た虹のように。「あなたのことが好き」沈んでいく夕日の赤い光の中で私は呟いた。その光の中であなたを想いながら。昨日もすれ違い、赤い光に照らされたあなたを見つめるだけだった。初めて出会ったあの時と同じように、ただ見つめるだけだった。でも今日のあなたは私に笑顔をくれた。私はそれが嬉しくってしばらくの間、顔から笑みが消えなかった。夜がくるといつも私は不安になる。あなたは私のことをどう思っているのだろう?この気持ちどうすれば伝えられるのだろう?この先、私は一体どういう運命をたどるのだろう?光もない漆黒の闇にまぎれて消えてしまいそうになる心に問いかける。しかし、その心の長かった夜が明けようとしている。気がつけば夜が明け、朝日の白い光に照らされていた。人を好きになること。好きというその心が一番大事だと今わかった。たとえあなたがどう思っていようとも、私の心は真実だから。そして心に少しの勇気と光をもった私は今日も歩いてゆく。そしていずれは、あなたと共に。父が仕事をクビになった。こんな、ショッキングなニュースが家に飛び込んできた。前々から、そんな気のあった父。何故という理由は、ここでは伏せようと思う。それは、これから父が安全に社会復帰してくれることを願ってである。こんなことがあって以来、どこか家の中が暗い。父と母が言い争いをして、母と祖母が涙を流した。親戚中がこれからのことについて、話し合うため何度か家に集まった。全てが夢じゃないか、嘘じゃないか。現実が現実でないような気がして、怖かった。ただ、ただ、怖くて怯えているような感覚に襲われる日が、何日か続いた。私は、それでも父のことを信じていたかった。けれど、それは、ある日憎しみに変わった。今、私は高校三年生である。当然、進路を決めていかねばならない立場に立たされているのだが、私は当初、専門学校行きを望んでいた。けれど、それは少々無理のある夢への扉だった。金を捨てるようなものだと、母にも先生にも言われ、諦めたが本当は無理しても、無駄になっても行きたかった。それぐらいの覚悟が私の中にあった。でも…諦めた。”悔しい…お父さんのせいだ…“。でもね、お父さん。私は今、ちゃんと次の夢への扉を見つけた大阪朝鮮高級学校(大阪府)李智玲さん先生ありがとう大分県立佐伯豊南高等学校(大分県)渡邉唯衣さん虹大阪府匿名希望心長野県匿名希望信じること、お父さんへ神戸国際高等学校(兵庫県)李智沙さん私の願い