17歳からのメッセージReport2004

17歳からのメッセージReport2004 page 28/40

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17歳からのメッセージReport2004

あるし、いろいろな仕事に就く可能性もある。自分にぴったりな仕事を見つけることが、今の目標だ。僕は、去年の春から仕事につき、今で一年以上がたちます。昨年の夏の話になりますが、学校は夏休みに入っても、仕事は休みではありませんでした。おまけに、学校がある時は、夕方から始まる授業に間に合うように仕事を終わらせてもらっていましたが、夏休みは学校が休みだからと、仕事は普段より長く六時までありました。仕事をしているとき、「友達はみんな家でクーラーの効いた部屋でのんびりしてる」と思うと、ちょっと気分がめいりました。高校生になって初めての夏休みなのに、僕はつなぎを着て仕事です。だから、あまり楽しくありませんでした。そのころは、仕事が終わって家に帰ると、風呂にはいるのが唯一の楽しみになっていました。毎日疲れ切っていて、ほかに何も出来ないと思えたくらいでした。ところが、夏休みも終わりの頃になって、僕には大きな自信がついていました。そして、僕は夏休みに仕事でたくさんのことを覚えたと思います。人間関係もうまくいくようになったし、仕事のことも詳しくなりました。さて、今年ももうすぐ夏休みです。今年もまた暑くても仕事をがんばろうと思っています。去年のように色々なことを覚えて、いろんな技術を身につけたいと思っています。私の親は働いている。周りの大人も働いている。私自身も高校を卒業したら、就職して働くことを考えている。なぜそこまで働くのか。働く、ということについて考えてみた。私の考えた働く、ということは、お金を稼ぐ、社会への貢献、生きがいを感じるための三つだと思う。一つ目のお金を稼ぐというのは、お金が無いとものが食べられない、子供を養っていけないなど、生活面で大変苦労すると思う。また、趣味にお金を費やせないとなると、娯楽も減り、楽しい生活を望めなくなる。二つ目の社会への貢献というのは、例えば、部品を造らなければ、ものが動かないし、店を営まなければものが買えないし、働くことによって社会に充分貢献できていると思う。私自身、ある企業に体験学習として行った時、「社会へ貢献するという気持ちが大切」とおっしゃっていた。その言葉を聞いた時は、「そうだな」と素直に思った。三つ目の生きがいを感じるということは、私に合う仕事を選んだら、その仕事に生きがいを持ち、楽しく仕事が出来ると思う。一生続けることが出来ると思う。働く、ということは、人それぞれ考えが違うと思うが、自分が思うように働いていけば、それで充分だと思う。私の将来の夢は看護師になることだ。看護師という職業は大変めずらしいものだと私は思う。美容師や食品・衣料の販売員など、多くの職業は「ありがとうございました。」と、お客にお礼を言い感謝する。だが、看護師は違う。仕事をして逆にお礼を言われるのだ。大部分の人が何とも思わず、常識として自然と言っているのだと思うが、考えてみると不思議である。看護師として当然のことをしているにも関わらず、感謝してもらえるのだから、こんなに喜ばしい職業はないだろう。病院実習を通じ、患者さんと接する中で、まだまだ未熟でたいしたこともできない私の看護に患者さんは喜び感謝してくれる。どんなに辛く大変でも、患者さんの笑顔や言葉で本当によかったと、心からそう思えるのだ。看護師と患者さんの関係はこうして成り立っているのだと思う。だから私は患者さんや家族の気持ちに、精一杯の看護で応えることのできる看護師になりたい。私が看護師として働くということは、多くの人の感謝の気持ちに応えるため、日々努力することだと私は考える。私は、働く、ということはとてもすばらしいと思っている。働くことは、自分の夢を叶えることだと思うからである。毎年4月になるとテレビで新社会人の人たちが特集される。みんなキラキラと輝いている。それは、自分のなりたかった夢を叶えることができた喜びがあるからだと思う。私はその人達を見て、いいなと思う。私の母も働いている。小さい頃は母がずっと仕事に出掛けるので寂しい思いをすることも多かった。だから母に仕事をやめてほしいと思っていた。しかし、高校生になった今、働くことのすばらしさを知った。母が幼い私に寂しい思いをさせることがあっても仕事を続けてきたのは同じように働くことのすばらしさを知っていたからであろう。そして、「忙しい、忙しい」と言いながらも今までずっと働いてこれたのは、母が自分の夢を叶えることができた喜びを忘れていなかったからだと思う。母はいつも輝いている。私はそんな母を尊敬すると同時に、私も母のような大人になりたいと思う。母は私に働く、ということのすばらしさを教えてくれた「先生」だ。進路の話を親とする。「公務員にでもなったら?休みはあるし、給料も安定してるし。稼いだお金で好きなことすれば?楽よ。」と、冗談交りに言われる。この言葉を聞くたびに、私にとっての「働く」と母親の言う「働く」とのギャップに少し悲しくなる。私にとっての「働く」とは、好きなことをするためにお金を稼ぐのではなく、好きなことをしてお金を稼ぐことである。以前の私は、「生きるため」「生活をするため」に働くのだと考えていた。それはその時の自分に、本当にしたいことがなかったからだ。でも、今は違う。将来を真剣に考え、進路を決めていくうちに本当にしたいと心から願うものを見つけた。そのことが「働く」=「人生」だと私の考えを変えた。「人生」というと少し大袈裟かもしれないが、それだけ私にとって「働く」ということの意味は大きい。どんなことがあっても私は働き続けたいと思う。定年退職は嫌だ。なぜなら、私が仕事を辞める歳を他人に決められるものではないと思っているからだ。私は私が満足するまで働き、働いたことを誇りに思いたい。また、そのように思える仕事を私は目指す。働く、ということ。それは果てることのない生き甲斐であり、人生である。私は「ハーフ」である。日本人の父とフランス人の母の間に生まれた私は、世間で「ハーフ」と呼ばれている。しかし、私は自分が「ハーフ」だと意識したことはない。成長に伴い他人とのかかわりが多くなっていくにつれ、自分は「ハーフ」という異質な存在として周りからみられていることに気づかざるをえなかった。家を出た途端、私は「外人」になる。すれ違う人々の私に対する偏見に満ちた目は、幼い頃から恐怖だった。物心がついた頃から他人の奨励賞?17歳からのメッセージ[受賞作品集]??26聖霊女子短期大学付属高等学校(秋田県)服部エレーヌさん「一人の人間」として生きる自由課題?テーマ?鳥取県立鳥取工業高等学校(鳥取県)楮原勝俊さん働く、ということ岡山県立津山東高等学校(岡山県)政保由衣さん働く、ということ久留米信愛女学院高等学校(福岡県)小西香さん母は「先生」大分県立大分雄城台高等学校(大分県)古城千尋さん証和歌山県立和歌山第二工業高等学校(和歌山県)栗生直樹さん「働くということ」