17歳からのメッセージReport2005

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17歳からのメッセージReport2005

17歳からのメッセージ?受賞作品集??銀賞?生きした光が潜んでいた。仕事の成功について話す母はいつも楽しそうであった。彼女の仕事に対する姿は「一人の人間として働く大切さ」を私に教えてくれた。私も将来は化学者として、世界の資源問題を解決しようと考えている。その時は彼女達のように、誰にも負けない「自分」を保ち続けて働いていこう。「私の夢は専業主婦になることです。」そんなことを言い始めたのは、もうはるか昔だったような気がします。私の家は共働きで、毎日学校には鍵を持っての登校でした。それを寂しく思っていたのかどうかははっきり覚えていません。ただ、物心ついた頃から私は日曜日のテレビでお馴染みの『ちびまる子ちゃん』や『サザエさん』に出てくる、あの平凡な、それでいて奥行きのある、そんな「お母さん」になりたかったのです。女性でも社会で働くのが一般となった今、専業主婦を「なまけもの」や「能無し」などと言う人がいますが、私は違うと思います。専業主婦だって「家事」を仕事とした立派な「働く女性」なのです。そんなことを考えていると、フッと一つの思い出を思い出しました。幼稚園の頃、先生に「お母さんはどんな仕事をしているの?」と聞かれ、私はそれに嬉しそうに、そして何より母の仕事を誇りのように自慢気に話していました。今、私の将来の夢には、たくさんの選択肢が増えました。けれど、どの選択肢を選んでも、あの時自分が思ったような、自分の子供から誇りに思われるような、そんな「働く女性」になりたいと思っています。キャリアウーマン。そう呼ばれる女性達は、今日の日本で増えてきているらしい。キャリアウーマンと聞くとほとんどの人は、必ず若くてバリバリ仕事のできる女性と思ってしまう。それに、そういう人達の職業は、会社の秘書やスチュワーデスなど華やかなものだと、私達は勝手に思ってしまう。しかし私の身近には、若くもないし華やかな仕事をしてるのでもないキャリアウーマンがいる。それは私の母だ。母はもうすぐ50歳になるけど、昔からずっと食堂で働いている。食堂といっても、そんなに楽ではなく、いろいろなお客さん相手に、かなり気をつかっているらしい。そんな母は、自分の接客は誰よりも心がこもっていて、来たお客さんを良い気持ちにすることができるのだと自信をもっている。それに、接客は自分の天職だとよく私に言ってくる。それを聞く度、やっぱり母はキャリアウーマンだと思う。自分の仕事に誇りを持ち、仕事を楽しんでしている大人は少ないと思うから。だから、私は自分にしかできない仕事を見つけ、仕事を楽しんでできる大人になりたい。母の様に、仕事場で輝けるようなキャリアウーマンになりたい。最後に。お母さん、いつもご苦労様です。いつも、ありがとう。私は、働くということは精神的にも経済的にも自立することだと思う。子どもの頃は、親の建てた家に住み、親の稼いだお金で生活してきた。しかし、成人すれば、自分で職業を探し、自分で家を借り、自分の稼いだお金で生活しなければならない。家事も今までは親にしてもらっていたものを自分がやらなければいけない。だから私は働くということと、自立するということは繋がっていると思う。働くということは、決して楽なことではない。お金をもらうのだから、それなりの体力と時間を費やさなければならない。自分の自由な時間が減ってしまうのである。しかし、悪い点ばかりではない。私も高校に入り、ずっとアルバイトをしてきたが、その中でたくさんの人に出会い、交流を深めてきた。年上の人と話す機会が以前に比べて多くなり、その会話の中で、たくさんのことを学び成長することが出来た。その他に、今まで毎月おこづかいを親からもらっていたのをやめて、自分の働いたお金で服を買ったり、遊びに行くことができるようになった。私はこのことで自立への第一歩を踏み出せたのではないかと思う。働くということは、とても大変なことだが、自立して大人になるためには必要不可欠なことだと思う。高校を卒業し、仕事を見つけ、自分の働いたお金だけで生活できるようになった時、私も大人になれる気がする。父親の姿を見ていると働くことが容易に思える。紳士服の仕立て屋として自営業をしている父なので、毎日スーツを着て、決まった時間に出勤するわけでもなく、昼過ぎまで寝て、休日は、釣りに出掛ける。そんな父に、「もっと勉強しろ」だの、「ダラダラと過ごすな」だと言われると、腹が立って仕様がない。なんなら変わって勉強でもしてみろと言いたくなる。父は、新聞配達所も経営している。本当に新聞配達は辛いぞと父はいつも言うが、体力に自信のある僕は、絶対に余裕だと、その度父に言い返す。春休みのある日、じゃあ一度やってみるかと言われ、やることになった。夜も更けた午前2時半頃、母親に叩き起こされ、配達所へ行くと、20歳から65歳くらいの様々な年代の人達が慣れた手つきで新聞を区分けして、単車にまたがり、次々と出発していく。そんな姿に見とれてしまった。僕は彼らの1/4の50件だけ、自転車で配ることになった。一時間弱で配り終わり、家に帰ると一気に眠気がして、再びベッドに入った。目が覚めると、時計は13時を回っていた。父はもう仕事に出掛けていた。私にとって一番身近で働いている人といえば家族である。父は公務員、母は教師、そして祖母は家事などみんなそれぞれ働いている。それでは学生である私自身は働いているといえるだろうか。いいや、私は学生は働くための下準備の期間であると思う。私達が毎日勉強していることは全て将来働くためだ。しかし最近将来何をしたらいいのか分からないという悩みが学生の間に広がっている。私はとりあえず勉強しておこう、大学に入ろうと思っていた。だが高二になり大学、進路を決めるにあたって私にはある疑問がつきまとって離れない。”何のために働くのか“満員電車で居眠りをしている大人達にこの疑問を投げかけてみたい。彼らは何と答えるだろうか。”子供のため、家族のため“と答えるかもしれない。では私達はまだ見ぬ未来の家族のために毎日方程式を解き、単語を覚えているということなのか。私達にとって働くということはとても曖昧でそのために日々学ぶことは濃い霧の中を歩いているような、なんとも不安なことである。だがそんな時は私達が幼い頃から尋ねられてきたこのセリフを思い出したい。”将来の夢は?“そう、働くことは私達にとっ大阪府立旭高等学校(大阪府)井坂裕子さん50才のキャリアウーマン大阪府立芥川高等学校(大阪府)井上晃子さん大人になるために大阪星光学院高等学校(大阪府)大森淳平さん父の仕事大阪女学院高等学校(大阪府)岸岡李津子さん夢大阪女学院高等学校(大阪府)荒木みゆきさん「働く女性」になる。14