17歳からのメッセージReport2012

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1117歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージく聞かない。何度同じ事を言っても「初めて聞いたわ。」と言う。自分の5人の兄や妹のことも、昔の話を散々した上に、文句まで言う。私は小さいながらに何故こんなにわがままに好き勝手に生きているのだろうとおばあちゃんに対して思っていた。ある日、3階にあるおばあちゃんの部屋を通りすぎた。すると仏壇に向かって話しかけるおばあちゃんの姿があった。「離れて暮らしている兄ちゃんと妹達を、どうかお守り下さい。娘も旦那さんもそして孫もどうかこの先幸せに暮らせますように。」それを聞いて、私は思わず涙が止まらなくなった。誰も見ていない所で、家族の幸せを願っているおばあちゃんは本当の〝優しい人?なんだと、その時思った。いつも文句ばっかり言ってるくせに、自分のことは何も願わず、私の未来の幸せを願ってくれてたんやね。その時からは、おばあちゃんの〝うるささ?も、愛情だと分かったし、いつもは苛々しながら聞いていたおばあちゃんの文句も可愛いく思った。いつか私も年をとって、おばあちゃんになったら、文句ばっかり言ってるかもしれんなあ。でも、おばあちゃんみたいに〝愛のある文句?を言えてますように。おばあちゃん、大好き。大阪府立高津高等学校(大阪府)小西壮大さん心の眼人が生活の中で手に入れる情報のほとんどは視覚によるものだと言われている。このことからも、視覚は私たち人間にとって大変重要なことではあるが、目に映るものが時に大切なことを見えなくさせてしまうこともある。それを痛感した体験があった。私が小学校に入学したばかりのことだった。いつも通り学校から帰宅し、家の近くの公園で遊んでいた時、一人のおばあさんに道を尋ねられた。おばあさんの顔には大きな青アザがあり、その容姿に私は恐怖に近い衝撃を受けた。幼いながらに差別をしてしまったのだ。道案内を頼まれた私は、道順だけ教え、案内は断ってしまった。しかし、おばあさんが「ありがとう。」と微笑んで言った時、自分の間違いに気づき、ひどく申し訳ない気持ちになった。今でも、あの時案内してあげればよかったと思うことがある。見た目の第一印象だけで偏見を持った自分を悔やんでしまうのだ。だからこれから私は、偏見や差別のない「心の眼」を持ちたい。視覚だけではわからない、人の気持ちや思いやりに気づける「心の眼」を持てば、この世界はもっと優しい色に輝いて見えるはずだ。大阪府立千里高等学校(大阪府)吉見紅音さん私のあだ名は「おかん」「おかん!」知らない誰かがそう叫んだ。呼ばれたわけでもないのに反応してしまっている自分がいる。「あっ。違うか。」一人でぽつりと呟いた。たまにこういうことが起こるのだ。なぜなら私のあだ名は「おかん」だから。高校1年生の春。わくわく、ドキドキと胸をふくらませながら入った部活動でその名は付けられた。理由を聞くとただ一言「母っぽかったから。」とだけ言われてしまった。会って間もない人達にいきなり「おかん」と呼ばれるのは正直なところ抵抗があったが、慣れというのは恐ろしいものでいつの間にかそんなことも思わなくなっていた。ただ他人からしてみればやはり変わったあだ名らしく、練習試合に行くと大抵の人に「えっ!おかん?」といった反応を示された。そんな私も先日、とうとう部活動を引退してしまった。涙あり、笑いありの2年間は私にとって、とても大切なものとなった。また、あだ名負けしないようにと少し意識して行った母らしい振る舞い(みんなの癒しの存在になれるようにと常に笑顔でいたなど)も、将来の為になった……と思う。「おかん」と呼ばれるのも予行演習だと思えば可愛いものだ。今後、私達は結婚し子供も持つことになるだろう。そんな時までもみんなの「おかん」であり続けたい。これからは今までよりもいっそう母らしさを極めていこう。関西学院千里国際高等部(大阪府)良川葵さんこれからの私私の体には日本人と韓国人の血が流れている。このことを知ったのはちょうど1年前である。高校入学後、韓流アイドル流行の影響のせいかよく周りに韓国人と間違えられた。肌の色、目の色、目の形がそう思わせるらしい。ある日家に帰ってお父さんにその話をした。するとお父さんは爆笑した。私は不思議な顔をしてお父さんを見た。お父さんは急に改まってお父さんが韓国人であることを私に伝えた。いつもくだらないギャグをいって私を笑わせるお父さんなので私は信じなかった。しかしお父さんはそのまま話を続けた。お父さんの実家の法事法式、食事、文化の違い、それからお母さんとの国際結婚に至るまでの話、結婚後の戸籍についての話。私は目を潤ませてもう一度お父さんに本当なのか尋ねると、やはり事実であった。このことを知った私はもちろん驚いたが、嬉しくもあった。よく考えてみると、お母さんの実家とお父さんの実家の文化が全く異なる。親戚にしてもそうだ。日本人と韓国人の違いがよくわかる。観察していると明白に違いが表れるのでおもしろい。おばあちゃんは私は日本人だと言い聞かせる。世間に知られて孫が差別を受けるのを恐れているのだろう。しかし私は全く恐れを感じない。堂々と胸を張って言いたい。私は大学で世界の文化について学ぼうと考えている。梅花高等学校(大阪府)山本祐愛さん口先女から「あんたそれ何回目?ほんま口先だけやな!」あぁ。また言われてしまった。何回目だろうか。私はいつも口先だけだ。そんな私に母はいつも怒る。この前は口先女と言われた。口裂女かい!と言葉を飲み込んだ。「なぁ、どうやったら有言実行って実行できんの?」母は少し驚いた顔をした。せやなぁ、と母は少し考えていた。「そんなんアレやん。不言実行すればええねん。」何を言うてん銀賞