17歳からのメッセージReport2012

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17歳からのメッセージReport2012

40 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージんと一般的になってきたため、最初程の抵抗感はない。それはそれで良いと思う。しかし、私は声を大にして言いたい。本そのものが大事な文化や思い出であり、おろそかにしてはいけない物であると。和歌山県立那賀高等学校(和歌山県)髙岡玲菜さん今いいたいこと。高校生になってから、不安なことが増えた。テストでいい点をとれるかとか、友達とうまく付き合えるかどうかとか、そんな感情とは少し違う、何か言葉では説明できない、ぼんやりとした何かがつきまとっている気がする。最近の日本は、決して穏やかではない。東日本大震災や、原発事故、政治の乱れ。特に震災に関しては、多くのことを考えさせられた。自然のおそろしさ、人間の命のはかなさを知った。自分の心も、この出来事にどうやら影響されているらしい。いつ起こるかわからない大きな災害にいつもおびえているわけではない。しかし、人間の一生がこうも簡単に終わってしまうと知ってしまった以上、何か、あせりのような物を感じ、早足になってしまっている気がするのだ。でも、早足になると足がもつれてこけそうになる。高校は、大人の道への階段だと思う。だから社会についていろいろと考えることも多くなる。そうすると、自分はこのままでいいのか、などと考えてしまう。ある意味将来への不安とも言えるのかもしれない。早足になって足がもつれないように、これから私はもっとスピードを上げて、心の中の「もや」も振り払えるくらい、思い切り駈けだしていきたい。この不安がいつか消えるように、明るく生きていこうと思う。広島文教女子大学附属高等学校(広島県)田坂夏海さんおばあちゃんの言葉日本に生まれたから毎日ご飯が食べられる。日本に生まれたから死と隣合せの生活を送る事も、眠る前に、また目が覚めますようにと祈った事もない。そんな風に何気なく過ぎて行く日々を私達は生きている。この地球のどこかで、食べ物もなく、いつ訪れるともしれない死の影に怯えながら武器を手に取る人達がいるというのに。平和な日本。私は日本の広島に生まれた。祖父母は原爆を知っている。近所の大好きなおばあちゃんは小学校の「夏休み原爆講習会」で毎年話をしてくれる被爆経験のある人だった。物心ついた時にはもう原爆の事は知っていた。沢山話も聞いたし、平和公園、原爆資料館は何度も行った。終戦記念日には必ず特番の、原爆をテーマにしたドラマを見た。しんどい、怖いという言葉では言い表せない。辛くて辛くて、心も体も全部痛かった。それでも見なくては、と泣きながらも番組を変えたりはしなかった。授業で世界にまだ戦争があるという事を知ったのは中学年の時。自分が見てきたもの、聞いてきた事が存在し続けている事が怖くて、近所の大好きなおばあちゃんに自分はどうしたらいいのか、と尋ねた。その時のおばあちゃんの言葉が今でもずっと忘れられない。「全部大事にしんさい。失くなってからじゃ遅いけぇ。」大切にしたい。沢山のものを大切にしていきたい。かけがえのないものに失ってから気付く事のないように。日本中、世界中の人に届けたい、おばあちゃんの言葉。徳島県立小松島高等学校(徳島県)米原由里香さん私の大切なこと私は最近見た動画でとても心に残ったものがあります。「クドリャフカ」という犬の物語で、それは人の犯した誤ちでした。今ではロケットに人が乗り宇宙に行くことは出来ますが、初めは犬が実験に使われていたそうです。犬たちはたくさんいて、宇宙に行くためにトレーニングや実験を受けさせられ研究されてきました。その中でも「クドリャフカ」は比較的に元気で、ロケットに乗せられることになりました。そのロケットは打ち上げ成功で「クドリャフカ」は宇宙へと旅立ちました。しかしロケットには数日の食料と水しかなかったのです。それでも「クドリャフカ」は人を信じ続けました。食料も水もつきかけたとき、人は「少しでも休らかな眠りを」と「クドリャフカ」に毒を盛り殺したのです。ずっと信じていた相手に殺された「クドリャフカ」。私はこの話を見て言葉じゃ表せないぐらい胸が苦しかったです。何かを犠牲にしなければ、人は何も得ることは出来ないのでしょうか。私はそんなのは嫌です。誰かの代わりなんて絶対にないと思います。しかし人間は必ず誤ちをしてしまいます。それなら私はせめて犠牲になったものたちのことを忘れないでいたいと思います。誰も傷つかない時代なんて永遠に来ないかもしれません。でも、願わずにはいられないのが人というものだと思うのです。私の人生で出来ることなんて知れているかもしれません。ただ、思う心を無くさぬように生きることだと思います。徳島県立富岡東高等学校(徳島県)西田このみさん面白い雨今年も梅雨はやってきた。どんよりと曇った空に、べったりと肌にはりつくような湿気、そして何よりも、降る時と場を選ばない雨が、人々を鬱鬱とした気分にさせる。しかし、雨は鬱陶しいだけではない。我々日本人は昔から花鳥風月といって、身近な自然から美を見出す達人だった。英語で雨を表すのは「rain」だけだが、日本語の場合では30種類を超える。例えば、激しく降る雨のことを篠突く雨(しのつくあめ)と呼んだり、草木を潤う雨を甘雨(かんう)と呼んだり、降ったり止んだりする雨を霖雨(りんう)と呼んだりと、言い出したらきりがない。また、必ずしも?雨となるわけではなく、卯の花腐し(うのはなくたし)や御山洗(おやまあらい)、薬降る(くすりふる)、奨励賞