17歳からのメッセージReport2014

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40 17歳からのメッセージ40 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧私は考えている。私のような、人とは変わった趣味を持ち、人に言いづらい方もいると思う。でも、それを極めたときに「一種のスペシャリスト」として胸を張ってその趣味を誇ってもらいたい。広島県立大門高等学校(広島県)矢野敬子さん郵便屋のおじさんとの夏休みギィーギィーギィーガチャン。油の切れた自転車をこぐと聞こえるこの音。人によっては耳ざわりだと思う人がいるかもしれないけれど、私はこの音を聞くと、少し泣きそうになってやわらかな気持ちでいっぱいになる。小学校三年生の夏休み。その日は珍しく、早起きしたのを覚えている。宿題も何もする気が起きず、ゴロゴロしていた時、変な音が聞こえてきたのだ。「ギィーギィーギィー。」私は気になって外に飛びでた。その音の正体は、郵便屋さんが自転車をこいでいる音だった。今までバイクに乗った郵便屋さんしか見たことのなかった私は「暑いねぇ、お嬢ちゃん。」と声をかけられるまでポケーとしていた。首に巻いたタオルで、止まらない汗をふきながら、その郵便屋のおじさんは、毎日、私の家の前を通り、私も毎日、おじさんと少しの言葉を交わす。それが楽しみとなっていた。ある日、私は、どうしてバイクではなく自転車なのかと尋ねた。するとおじさんは、「バイクには乗れないんだ。でも自転車には乗れるからね。出来ないからやめるなんて嫌だから、おじさんにも出来る道を探したんだ。この仕事が好きだからね。」と答えた。当時の私にはこの言葉の意味が少ししかわからなかったけれど、心から「すごい」と思ったのは覚えている。それ以来、その郵便屋さんとは会ってないけれど、郵便屋さんとの出会いは私にとってとても大切な宝物だ。(広島県)匿名希望聞きたくない大切な人だった、あの人の悪口を言わないでください。最近の日本は離婚率が上がっているのか、片親しかいない友達が増えている。私自身も父一人、娘二人の三人家族だ。一人で私達を育ててくれている親に聞いてほしい話がある。時々、離れていった親、大人から言うと離婚相手の話が話題にあがることがあると思う。私の家でも本当に時々だけど話題にあがる。「あいつのせいで、お金が全然無い、あいつのせいで。」毎回この言葉から始まる、相手の悪口。確かに私もひどいな、とかもっと別のやり方は無かったのかな、と思う。だけど私は、その悪口に返事は出来ない。そんな事があっても嫌いになれない母親だから。皆も思う事があると思う。親のあんな所が気に入らない、と思ってても「嫌いなの?」と問われると「嫌いではない。」と答えてしまう。どうしても家族は嫌いになれないのだ。だから離婚して、苗字が変わってしまった親も、私は嫌いになれない。父の口から母の悪口ではなく「ママのあんな所が好きだった。」みたいに、楽しくて、笑顔になれるような話が私は聞きたい。仕事の愚痴とかは、たくさん聞くから、確かに大切な家族だったママの悪口は言わないでください。徳島県立阿波西高等学校(徳島県)大野稜太さん強さとは…私はいつも不思議に思うことがある。この世の中に正解はあるのだろうか、と。確かに数学や社会の問題には答えが一つある。しかし、人の人生には正解はない。大人は自分が生きて学んだこと、先生に教わったことしか伝えることができない。それを子供に伝えてその子供が金持ちや幸せになるかというとそうでもないだろう。人間は勝手な生き物であって自分は全て正しいと思っている。その正解が間違っているということも疑わずに。私は音楽部に所属し、部長でもある。私は部長という立ち場に立つのは初めてで、後輩をどう引っ張って行けばよいか未だに分からない。厳しい言葉を発すれば、その子は傷付くかもしれない。しかし、その厳しい言葉を言わないとその子は成長しないと思う。ならばどうすればよいか。その子を信じ、厳しい言葉をぶつけ、信じて成長するのを見守ってやればいいと私は思う。そうして成長できたなら、それは「正解だった」と言えるだろう。つまり、私が思う「正解」とは、自分と他人を信じれる強さだと思う。例えそれが間違っていると言われても、それが成功するまで続ければいい。そうすれば、それは間違いや失敗ではなくなり、「正解」になるのだ。どこの世界でも輝いている人は輝いているし、輝いていない人は輝いていない。輝いている人はきっと、自分を信じて、それを自分の手で「正解」にしたからこそ、自分の強さに変えられたのだろう。愛媛県立宇和島東高等学校(愛媛県)楠葉紀和子さん私たちにできること私は自分の生まれた地、宇和島をとても大切に思っている。この思いは、私が中学3年生のときに地域の避難訓練に参加し、強さを増した。避難訓練など行ったことのなかった私は避難場所である山の広場に自分の想像以上の数の高齢者がいることに非常に驚いた。若い世代が少なかったため父に頼まれ点呼や整列をする役割を引き受けたが、もし本当に地震が起こってしまったら私は落ち着いて地域の人々を誘導することができるだろうか、高齢者の方々のサポートをすることができるだろうかと不安になった。地震に関連していうと、2011年3月11日に起きた東日本大震災についても私の防災に対する意識を強くさせた。私は最初、この大震災をどこか他人事に思っていた。しかし、つい最近になって私の住んでいる地域でも眠っていても目が覚めるぐらいの大きな地震があった。津波がくるかもしれないからと慌ただしく避難の準備をする両親とは裏腹に、私は何をして良いやら分からずただ茫然と立ちつくすだけだったのだ。私はこの経験により、地震はとても身近で恐ろしいものだと考えるようになった。また、災害に対する知識や判断