ブックタイトル17歳からのメッセージReport2018

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17歳からのメッセージReport2018

17歳からのメッセージ2017歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリ私にはずっと身につけているネックレスがある。それには祖父と祖母の遺骨が入っている。祖母が亡くなった時に母が「これからもずっと一緒にいられるように。」と提案してくれたのが始まりだった。その時まだ祖父は健在だった。祖母が亡くなってからの四年間、祖父は二世帯の大きな家で一人ぼっちだった。毎日何をして過ごしていたのか遠くに住んでいる私には分からなかった。でも絶対に寂しかったはずだ。近くに住みたいと何度も思った。そう思っているうちに祖父は病院に入院してしまった。それからはあっという間だった。ある日、病院から電話があり、急遽向かうことになった。母は「制服も準備してね。」と言った。まだ頑張って生きているのに、と胸が苦しくなった。でも一番辛かったのはそれを言った母だったと思う。着くまでの八時間、車の中で私はずっとネックレスを握り締めていた。久しぶりに会った祖父は見たことのないくらい痩せていて弱々しかった。呼吸もとても苦しそうで私の名前を呼ぶことはなかった。私は祖父の手を握った。握り返されたのは二・三回、それっきりだった。それから数週間後、ネックレスの中に小さくなった祖父が入った。こんなにも早く入ることになるとは想像もしていなかった。そのネックレスには重みがある。きっとそれは祖母と祖父の愛情だと私は思っている。これからも見守られながら一生懸命に生きたい。今までの自分、これからの自分テーマ1◆ネックレス函館白百合学園高等学校(北海道)小林みのりさん目に映ったのは、雄大な雲だった。身体がとまった。この雲に比べて、私の悩みなんてちっぽけだと思ったわけではない。誰にも、私の苦しみを小さなものだとは言わせない。ただ、無性にしゃぼん玉を飛ばしたくなっただけだ。私は部屋に駆け戻り、しゃぼん玉セットを取った。再び、青空に包まれた屋上に舞い戻り、しゃぼん玉を飛ばした。どんどん飛ばした。思った通り綺麗だった。明日の私を手放してしまったら、この光景も見れなくなるのだろうか。そうだとしたら、寂しい気がした。別に、しゃぼん玉の為に生きるのではない。生きる理由なんてない。でも、今日の生きるきっかけにはなった。明日は明日で、きっと別のきっかけを見つけるだろう。私はそうやって、明日も生きていく。「高校生は元気があるねえ。」と、私の高校とある高校とのスポーツ交歓会を見に来た私の祖父母が言った。両校の生徒たちが楽しそうで見ているだけで元気をもらった、とも言っていた。私は内心、「楽しかったけどそんなに大したことしてないのに」と思っていた。しかし祖父母がとても楽しそうに私たち高校生の姿を話しているのをきいて、「高校生が一生懸命に取り組んでいる姿は、元気を与えることができるんだ」と気づいた。「一生懸命取り組む姿」が誰かに元気、勇気、希望を与えることがある。私たちの「若さ」が誰かを笑顔にするかもしれない。それらはとても素晴らしいことだが、「今」しかできない期間限定のものなのだ。「今」は過ぎたらもう二度とやってこない。期間限定が終了するのを、ただ何もせず適当に、やる気を出さず不真面目に、待つだけで本当にいいのだろうか。高校生の私たちだからこそできることがある。高校の三年間なんてあっという間に終わってしまうだろう。人生八十年のうち、たった三年だ。この三年はとても希少な三年。当たり前にしていることが当たり前じゃなくなる前に、熱中できるものを探し、一生懸命取り組み、失敗して涙を流し、成功してまた涙を流し、がむしゃらに生きてみるべきだ。私たちは今、誰かの「光」になれる!死にたい。私はよく、その4文字で頭の中がうめつくされる。全ての事が不安だから。自分が大嫌いだから。私が昔抱えていた、場ばめんかんもくしょう面緘黙症が尾をひいているから。そんな理由が積み重なって、その4文字に支配される。屋上の手すりから、身を乗り出した事がある。その時私の◆「今」は「光」鹿児島県立武岡台高等学校(鹿児島県)吉盛杏さん◆しゃぼん玉沖縄県立那覇商業高等学校(沖縄県)大城姫さん奨励賞●94作品