ブックタイトル17歳からのメッセージReport2018

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17歳からのメッセージReport2018

17歳からのメッセージ2217歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリ『あなたの清き一票を是非私に』という言葉をよく聞く時期がある。小学生の私はその言葉を聞き流していた。放課後遊ぶ事で頭が埋め尽くされ、政治なんて少しも入っていなかった。中学生になり、選挙ポスターを少し見るようになった。だが、やはり政治に興味がない私は友人と「この人が真面目そう。」や、「友達と同じ名前だ。」など遊び程度でポスターを見て話をしていた。高校生になり、残り一年で卒業する私は今までとは違う。今日、選挙権が二十歳から十八歳に下がった。その事によって意識せざるを得ないのだ。大人など程遠いものだと考えていた私は気付いた。今年、選挙に行く、今年誕生日が来たら残り二年で成人し、お酒が飲める、そして法律的には結婚も出来てしまう。気付けばもう大人への道を歩いていた。私が、成長していると実感する時がある。それは過去を振り返っている時だ。今、この文を読んでいるあなたにも思い当たるのではないだろうか?中学生の時に〝小学校は楽しかったな?高校生の時に〝中学校は楽しかったな?と思い返す事を。それは私が考えるに成長しているからである。振り返る事が次へ繋がるからだ。後悔しないよう、今を楽しみ努力する事が今とこれからの私の目標だ。将来、「学生の頃は楽しかったな。でも、今も楽しいし幸せだ。」と言えるような人になっていたい。当たり前のことなんてない。私はそう思う。ここから書く文章は綺麗事だと感じる人もいるかもしれない。高校生になった頃の私はきっとそう思っただろう。以前の私は誰かに何かをやってもらうことが当たり前だと思っていた。幼い頃からやってもらっていることは特にそうだ。◆気付けば長野県中野立志館高等学校(長野県)田中莉那さん◆当たり前のことなんてない伊那西高等学校(長野県)桐野瞳子さんしかし、「めんどくさいから」と理由をつけて母に任せっきりにしてきた裁縫や食器洗い、掃除。ある日、トイレ掃除を一人でやってみたが、結局母に聞かなくてはできなかった。裁縫は正直苦手。母がサラっと縫ってしまう物も倍の時間がかかった。やってみて初めて母の大変さに気づく。両親の存在の大きさ。一人では何もできない。明日両親が病気にかかるかもしれないのに。当たり前だと思い口に出せなかった「ありがとう」の五文字。たったの五文字。いや、大切な五文字。面と向かって気持ちを伝えるのは正直恥ずかしい。勇気は一瞬、でも後悔は一生。大切な五文字を伝えられるのは一緒にいられる今だけ。自分の言葉で気持ちを伝えたい。当たり前のことなんてないのだ。今自分がここにいられるのも奇跡かもしれない。その時その時を大切にしたい。時間は戻せないから。高校生活も終盤を迎え、両親への日頃の感謝と恩返しの気持ちを込めて今を全力で生きていきたい。この世界にはいくつもの本がある。その中で僕が読んだ本は、一パーセントにも満たない。一気に読み上げてしまうモノもなかなか進まないモノもあったけれど、僕はいつも本の世界に魅了される。根拠はないがこの先の人生で素晴らしい「本のようなストーリー」に出会えそうな気がしている。読んできた本のジャンルはいろいろだ。今日までに自分が体験したこと、まだ体験したことのないようなこと、様々な題材の本を読んできた。実際の僕は、恋愛で一喜一憂したり、些細な理由で友達を嫌いになったりする普通の世界を生きている。ケンカも、山の中を一人で歩く恐い体験も、大切な人を亡くした経験もしているが、あくまで「普通の人生」を過ごしてきた。そして、消したい過去もある。自分の好きなことだけでは通用しない「社会」の中で、嫌なこと辛いことは、この先もいくどとなくあると思う。それを耐えてこそ、その先にいいことが待っていると思う。それが遠い未来か明日か◆人生のタイトルとは?清水国際高等学校(静岡県)杉山裕真さんはわからない。過去の経験を帆として、人生という海を進もうとするのなら、今の僕は風を受けて、進めるようなサイズの舟では無く、すぐ壊れてしまうほどもろい。だから、これからの自分は困難にうち勝てるような人になりたいと思う。もちろん今の僕は、本の主人公にはほど遠い毎日を過ごしている。だけど、僕の一生を本にした時、主人公として人を感動させられる一生を送る。そんな未来の自分にしたい。私は中学生の頃自分の「普通さ」が嫌だった。勉強、運動すべてが普通だった私の周りには、勉強が得意な子、運動がズバ抜けてできる子など、個性を持った子がたくさんいた。その子達を見てすごいと思う反面、羨む気持ちと妬む気持ちが心のどこかにあった。それが私はとても恥ずかしかった。でもある日どうしても足が速くなりたくて、思い切って足が速い友達に聞いてみた。その子は「普通に走っているだけだから、言葉でどうやって言えばいいかわからない。」と言って教えてはもらえなかった。普通に走るってどうやるんだよと思ったけれど、口には出さずかわりに「足が速くて、とっても羨ましいよ。」と言った。すると友達に「あんたは絵が上手じゃん。私はそっちの方が羨ましい。どうやって描いてるの。」と言われ、私はその友達がついさっき言った言葉と似たことを思った。普通に描いているだけなんだけどと。その時、ハッと気付いた。私が羨ましくて妬んでいたものは、できる人にとっては普通のことなのだと。それに気付いた瞬間、妬ましさや羨む気持ちを持っていたことが、馬鹿馬鹿しくなった。そして自分の「普通さ」が好きになった。私の普通さは、私の個性。自分の「普通な個性」をこれからも、大事にしていこう。◆私の普通は私の個性愛知県立愛知商業高等学校(愛知県)田邉梨華さん