ブックタイトル17歳からのメッセージReport2018

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17歳からのメッセージReport2018

17歳からのメッセージ2317歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリか。」と言おうとしたけれど、そこで思いとどまった。手助けすれば相手が喜ぶことはわかっていたけれど、それより無関心でいるほうが安全だと決めこんでしまったのだ。本当は、困っている人を助ける勇気がない自分が弱いだけなのに。私はおばあさんを追いぬき、改札口があるホームに着く階段を下りた。手伝わなかったことを後悔して振り向くと、一段ずつ下りてきていた彼女と目が合った。いたたまれなくなり足早に改札口を抜け、駐輪場へと急ぐ自分が、逃げているように思えて情けなかった。そのとき、私のところへ歩いてくるおばあさんが見えた。彼女は私に近づくと、「手伝おうとしてくれたん?ありがとう。」と言いつつ、荷物の中からいくつかのびわを取り出して、私の手においた。「何もできなかったのに…。」と私が言うと、「いいのよ、ありがとう。」と彼女は手を振り、歩いていった。家に着いてからびわをいただくと、甘酸っぱくてみずみずしかった。無関心でいることを繰り返すと、自分の周りは変わらない。一言でも発しようとするだけで、世界は広がっていくのだ。私は、関心を持てる人でありたい。僕は明るくて話しやすい性格だ、とよく人に言われる。自分でもそう思う。明るすぎてうざがられるくらいだからだ。しかし、今の自分がこうしてあるのは、中学校の友人のおかげだと思っている。小学生の頃、人見知りで内気な性格だった僕は、友達が少なかった。幼稚園の時から知っている幼なじみには、自分を表に出して話すことができたが、クラスメイトにはそうもいかない。内気なのが原因でいじめられることもあった。中学校に入学し、僕は野球部に入った。毎日一緒に活動しているチームメイトには心を開くことができた。その中でも特に仲の良い友達がいた。休みの日はいつも遊び、学校でも一緒に過ごした。するとある日、その友人がこう言った。「明るいお前の方が俺は好き。」◆親友の一言兵庫県立神戸商業高等学校(兵庫県)松本航さんと。その瞬間、自分の世界観が全てひっくり返ったように感じた。たった一言で大げさだと思う人もいるかもしれない。しかし、今までいじめを受け、存在否定されているようにさえ感じていた僕にとってその言葉はそれほど大きなものだった。それから僕は、人に明るく接するよう心掛けている。うざがられてもいい。受け入れてくれる人はいる。そのような考えもできるようになった。言葉の力は計り知れない。たった一言で人をこれほどまでに変えてしまったのだから。ぼくは今まで「明日のことは明日考えればいい」と思っていた。正直なことを言うと、今もなおその考え方は絶賛継続中だ。しかしこの考え方を改めなければならない年齢になってしまったのである。選挙権を持てる年齢が少し前なら二十歳だったのに二〇一六年に十八歳に引き下げられたのだ。今現在ぼくは、十七歳だ。選挙権の獲得まで一年ちょっとしか時間が残されていないのだ。投票するということは、責任を持って「この人なら政治を任せていい」という絶対的な自信を持って票を投じなければならない。そんな絶対的自信は今のぼくには無い。まあ、そんなものは明日…。と、すぐ思ってしまうのがぼくの良くないところでもある。「明日のことは明日」と考えてしまうぼくは、今年から高校二年生になって責任と後輩が増えました。高一と高二は一つしか年齢が変わらないけれど、見た目も中身もかなり違う。去年の今のぼくと今現在のぼくはかなり違うはず。大きく成長した点は、たくさんある。身長。体重。足の大きさ。手の大きさ。外見も変わったが、最も変わったと感じるのは考え方である。ものの見方や捉え方多くが変わった。少しずつ大人になっていると自分でも感じるようになった。しかし変わっていないところが一つある。これからの自分は、「明日のことも今考える」ということを自分に言い聞かせ続けたいと思います。◆明日のことは明日神戸市立神港橘高等学校(兵庫県)由元凌さん今日は、父の誕生日だ。プレゼントは、父の好きそうなお菓子と自分で描いた父の似顔絵だ。なぜ似顔絵かというと、プレゼントが思いつかなかった時、母に「絵、上手なんだから描いてあげたら?」と言われたからだ。私は絵が好きだ。理由は本当に好きなので「好きだから」としか言えない。正直、父に自分の絵を見せると細か過ぎるような所をねちねちと賞をもらった絵にも言ってくるのであまり乗り気では無いが、父の事を嫌いなわけではないし、感謝している事もあるので、紙と鉛筆を用意して、丁寧に描き始め、自分が納得できるまで描いて、ついに完成した。誕生日当日。母には大丈夫だと言われたが、またねちねち言われるかもしれないという不安もあった。「おめでとうございます。」と言いプレゼントを渡す。ドキドキと心臓の音が聞こえてきた。「うぉーすげー!」と父が言った。うそかと思った。が「お前もこんな絵が描けるようになったんだな。」と言われ、安心で力が抜けた。本当にうれしかった。もっと描きたいと思った。父はへやに飾ると言い自室に小走りで行ってしまった。将来私は、絵の仕事に就きたい。今日の父の顔を見てそれがより一層高まった。人々の心を動かせる様な絵を描くという明確な目標もできた。今日は父の誕生日なのに逆にプレゼントを貰ってしまった。ある日の夕方、学校から帰る途中の最寄り駅で降りると、一人のおばあさんが同じ電車から降りた。彼女は大きな荷物を引っぱり上げて、改札口に続く歩道橋のような連絡通路の階段を上っていた。それに気づいた私は「お手伝いしましょう◆プレゼント桜花学園高等学校(愛知県)安藤光瑠子さん◆無関心でいることセントヨゼフ女子学園高等学校(三重県)樋口実波さん