ブックタイトル17歳からのメッセージReport2018

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17歳からのメッセージReport2018

17歳からのメッセージ3417歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリ僕はこの世に才能なんてものはないと思っている。才能と呼ばれているものはその人の努力の現れに違いない。自分は努力していないが上手くできる、と考えている人がいるなら考えてみてほしい。本当に努力していないのかを。何も、自覚している事だけが努力ではない。「無自覚の努力」だって存在するのだ。中学の頃の僕はこれといった苦手科目もなく、勉強面で悩む事はあまりなかった。大した努力もしていないと感じていた僕はそれが僕の才能なのだと考えていた。しかし、今になってわかる。僕は週五で塾に行っていた。中学の僕にとってそれは当然の事であり、何も疑問には思っていなかった。自分にとって当たり前な事は努力とは呼べないのか。否、立派な努力である。僕は塾に行く事で無自覚のうちに勉強時間を増やせていたのだ。ここでぜひ皆様にも日頃の自分を思い出してほしい。自分にとって当たり前の事でも他の人より頑張っている事はないだろうか。新しい努力をする前に、今までの自分の無自覚の努力を褒めてあげてはどうだろう。私には大切にしているペンがある。みんなから見ると、ごく普通のペンにしか見えないかもしれない。だけどそのたったの一本のペンには私にとって忘れられない思い出が詰まっていて、私はそのペンを使う度にいつも頑張ろうと思える。私は英会話スクールに通っていた。そこで教えてもらっていた先生が私にそのペンをプレゼントしてくれた。その先生の授業は分かりやすいうえに面白く、今でも楽しかった授業の日々を私は鮮明に覚えている。覚えている、というよりも忘れることができないのが本当のところだ。ある日その大好きな先生は帰らぬ人となってしまった。◆努力大阪府立千里高等学校(大阪府)松村佳吾さん◆大切なペン大阪府立千里高等学校(大阪府)村嶋葵さん保健所での殺処分の数は年々減ってきている。しかし未だに年間約8万頭のかけがえのない命が人間の手によって奪われていることは事実だ。私は動物の命の価値は同じだと思う。だからこのような現実から逃げずにしっかり向き合って少しずつからでも命を救っていきたいと考えている。そして将来的には殺処分がゼロになるようなあたたかい世の中になることを願っていきたいと思う。「チュピー!」朝起きてリビングに行くと、まず家で飼っているデグーが鳴く。デグーはアンデス山脈に生息する一種のネズミだ。毎朝、おなかをすかせたデグーにえさをやるのが私の日課だ。次に母が起きてくると、またチュピーと鳴き、回し車を回し始める。遊んでほしいのアピールだ。父が起きてくる頃に回し車の回転速度は最大になる。そうして遊んでもらうと、それまでの勢いが消え、休憩タイムになる。昼間にはおなかを豪快に広げてお昼寝をしている。こんなふうに、デグーにも生活リズムがある。だがそれは、食べる、遊ぶ、寝るのみの非常に単調なものだ。私はそんなデグーを見て、幸せとは何なのだろう、と考えてしまう。十分にものはあるけれど、何も変わらない平坦な生活は幸せなのだろうか。彼が今幸せなのかは分からない。そもそもデグーが幸せという概念を持っているのかも分からない。でも彼は全力で生きている。小さな体を目一杯使って、全力で鳴いて、全力で食べて、全力で遊んで、全力で寝ている。その姿がたまらなくかわいいのだ。幸せでも、そうじゃなくても、全力で生きよう、彼を見て思ったことだ。全力でやれば何かがちょっと良くなるかもしれない。私にとってデグーはかわいい大切な癒しの家族であり、人生について考えさせてくれる、人生の先生でもあるのだ。◆デグーに学ぶ大阪府立千里高等学校(大阪府)深谷美遥さんだ。楽観的な人は悲観的な人の考え方が理解できない。逆もまた然り。もっと話題を限定して、読書の話をしよう。読書とは限りなく能動的な行為だ。本屋に足を運び、大量に積まれた本の中から数冊見繕って、お金を払って、包装をといて、ページをめくる。エネルギーをたくさん消費する行為だ。本を読む人はなぜそうしてまで本を読むのか。それは簡単な話である。読書という経験をすることによって得られるものがあると知っているからだ。そのことは本を読まないとわからないし、きっと知っている人はやっぱり「これだ」と思う一冊…自分の人生をも変えるほどの一冊に出会ったことのある人たちだと思う。そして、読書にも自分の姿勢は影響してくる。「この本から何か得てやろう」と思わなければ、永遠に「読書っていいな」とは思えない。読書好きはきっと無意識だろうけれど。その「いいな」が無ければ、時間を無駄にしたように感じてしまう。だから本を読まない。他人に読書をしよう、なんて言わない。けれど、本を読めば確実に何か「素敵なもの」が手に入ることを、全ての読書好きは、きっと知っている。今、日本では年間約8万頭の犬と猫の殺処分が行われている。「病気になって世話がめんどうになった。」「引っ越すことになった。」など飼主の自分勝手な理由で保健所へ連れて行かれているのだ。私はこのような飼主はとても無責任だと思うし、どうして何の罪もない動物が殺されないといけないのか、と許せない気持ちになる。私は犬を飼ったときから気づいたことがある。それは動物にも人間と同じようにたくさんの表情があるということだ。楽しい時にはとても幸せそうな顔をするし、さみしい時には悲しそうな表情をする。今では私にとってかけがえのない家族の一員だ。私はどうしてこんなに愛しいものを虐待したり殺処分したりするのか理解することができない。◆動物たちの命大阪府立千里高等学校(大阪府)土肥彩花さん