ブックタイトル17歳からのメッセージReport2018

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17歳からのメッセージReport2018

17歳からのメッセージ3617歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリとても、幸せなことだ。ずっとそのぬくもりを感じていられるように、私はこれからもその手を大切に大切に握り続けようと思っている。小さな段ボールの中には、缶のキャットフードと二匹の仔猫がいた。生まれて数日しか経っていないであろうその仔猫たちは、寒空の下、身を寄せ合って震えていた。両親は見た。その仔猫たちが数名の大人によって捨てられているところを。「ごめんねぇ、いい人に拾ってもらいねぇ。」父は重度の猫アレルギーだったため、一度その場を通りすぎた。数時間後、同じ道を通った時、そこにまだ仔猫がいた。手のひらよりも小さな仔猫は衰弱しきっていた。私が朝起きてリビングへ行くと、母が仔猫に授乳していた。きれいな青い目で腹はミルクでパンパンだった。昨晩の出来事を両親から聞いた。腹が立った。開けることのできない缶のキャットフードを置いて、少しでもいい人になったつもりだったのか。飼い猫が産んだのであれば、その仔猫も責任をもって飼うべきだと思った。冬の深夜に捨てられた二つの小さな命は、私の人生を大きく変えた。仔猫と出会った五年後、親元を離れ農業高校動物科学科に進学し、日々畜産動物や愛玩動物について学んでいる。日本では今日も二二〇頭以上もの愛玩動物が殺処分されている。ペットショップで動物を買うことは、殺処分という負の連鎖に加担することになる。捨て猫、ペットショップ、殺処分。この三つが連動していることを、いったい何人が理解しているのだろうか。◆かわいいの裏側兵庫県立農業高等学校(兵庫県)楢原さくらさんは僕より頭がいい上にスポーツもできる。同じ部活動に入っていても、いつもいつもボコボコにされて、「妹に負けてる。」だの、「ださいね。」などと、スポーツにおいても比較される。同じ人間でも、やはり生まれついての才能というのは否めないのであろう。僕は両親にも祖父母にも親せきにも、比較をされ続け、例えば、僕が僕なりに良い点数をテストでとったとしても、姉や妹の方が良い点数だと、僕の点数もかすむ。長年頑張ってきた柔道で、やっとの思いでとった三位も、姉や妹がとった優勝や、学年一位の前には、やはりかすんでしまう。今、昔のことを思い出して泣けてきました。人間やっぱり、才能というものは生まれつきに持ち合わせている個性だから、今から持ちたくても、持てるはずがないのである。だけど、見返したいじゃないか、人間ならそう簡単に自分で自分を否定したくない。全てを才能のせいにしたくない。諦めたくないじゃないか、人間だもの。いつかは自分の才能以上のことを成し遂げたいじゃないか、人間だもの。自分の可能性を信じてみたいじゃないか、人間だもの。私は、人の温もりが大好きだ。手をつないだり、ハグをしたり。誰かとつながっていられるような気がして、「一人じゃないんだよ。」と言われているような気がして。元気づけられる。小さい時から、姉、兄、妹と手をつなぎながら散歩をした。父、母に、抱きついていた。つまり、小さい時から人の温もりに囲まれ、人の温もりに囲まれ、人の温もりが大好きだったのだ。年頃になるとそのようなことも恥ずかしくてしなくなった。けれども、大事な時には、手をつなぐ。友達や恋人とは、少し恥ずかしいという気持ちはあっても、手をつなぐことができる。色々な人と手をつなぐことで、色々な人の手の感触、温もりを感じてきた。この人の手は離したくないと思う人がいる。それは親や恋人、大切な友人の手だ。物理的ではない。ずっと、つながっていたい、そう思う。そんな人達が私にはいる。◆ぬくもり(大阪府)匿名希望中身よりも外見を常に気にして過ごした中学生時代。その理由は二つある。一つは、周りと違うのが嫌で、人の目が気になり周りについていくのに必死な自分が居たからだ。そして、最大の理由が、生まれつきもった病気があることだ。そのせいでコンプレックスがあり、外見ばかり気にしていたのだ。誰でも一目で分かる私の病気は、高校入学前の私を不安にさせた。いじめられないか、友達はできるのかたくさんのことを考えた。入学してから一週間。毎日お弁当を一緒に食べるほど仲の良い友達ができた。そして、私は自らその中の二人に自分の気持ちを打ち明けた。「そんなことで嫌いにならないよ。」「花鈴らしくが一番だよ。」と、友達は声をそろえて言った。涙が出た。その時に初めて、外見ばかり気にせず自分らしくいようと思えた。こんな私を生んだ親をうらんだことや、周りに外見のことを言われたこと、今までの人生で辛いことはたくさんあった。高校に入学し、自分らしくいようと思えたからと言って、コンプレックスは消えないが、生まれつき病気をもつすべての人に伝えたいことがある。それは、生まれつきで外見を気にすることはあるけれど、それを一つの個性として受け入れてくれる人はたくさんいるということ。辛いことは多いと思うけれど、私は自分らしく生きていこうと思う。僕はいつもいつも、自分より優れた姉や妹弟と比較されて生きてきた。姉は僕より頭がいい。同じ塾にかよっていても、僕は先生に言われ続けた。「○○君のお姉ちゃんはとても頑張っているのに、なんで○○君はやらないの?」と。僕の妹◆これからも私で……大阪市立南高等学校(大阪府)山下花鈴さん◆比較され人生大阪市立都島工業高等学校(大阪府)西尾龍馬さん