ブックタイトル2020履修のてびき|2020年度入学生用|大阪経済大学

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2020履修のてびき|2020年度入学生用|大阪経済大学

「教員免許状を取得しようかな?」と思っている人たちへ教育職員養成課程で学ぶこと 教育職員養成課程(略して「教員養成課程」「教職課程」「教職」)は、文字どおり未来の教員養成を目的としています。でも、「自分が本当に教師になれるのだろうか」「なれたとしても、やっていけるのだろうか」と迷っている人が多いのではないでしょうか。たしかに教員採用試験は、とても狭き門です。そして教師として採用されたあとも、とても多忙で、神経をすり減らすような厳しい職場環境が待っています。「いじめ」「不登校」問題あるいは、学力低下問題など、学校教育のあり方が根本的に問われている今、教師に対する批判も強く、それは気楽な職業ではありません。でもだからこそ、このような時代、学ぶ楽しさを子どもたちに伝え、子どもたちの心によりそえるような教師が強く求められているともいえましょう。教職課程で学ぶことによって、みなさんがそのような教師として育ってくれることを、私たちは願っています。 もちろん、迷うことは当然です。むしろ大学入学のはじめから「自分は教師になろう」「自分は教師に向いている」と思っている場合は、逆に、よく考え直した方がよいかもしれません。現在の学校教育は、教育基本法によって「人格の完成」を目的として成り立っています。それが公教育の理念なのです。ところが学校教育の実態は、みなさんの経験上おわかりのとおり、受験中心の競争メカニズムで動いているのです。私たちは、憲法・教育基本法の理念にもとづいて、教育改革をすすめるべきだと考えています。ですから、みなさんのこれまでの学校教育の経験だけにもとづいて教師になりたいというとき、それは誤解にもとづく誤った理想の教師像をイメージしている可能性があるのです。 また、教師になるつもりはないけれど、教員免許状は取得してみたいという方も大歓迎です。教師になるつもりはないのに免許状だけを取得するのはよくないことだという意見もありますが、それはまちがっています。「未来の市民」を育てる仕事は、教師だけの責任ではありません。子どもを育てる責任の第1は、親(保護者)がもちます。教師は、親の責任の一部を肩代わりし、社会全体の教育に対する願いを実現する立場にいるのです。また地域の住民も、子どもの教育(子育て)に関わっています。近年、幼い小学生を巻き込んだ悲惨な事件が目立ちます。子どもたちを守るためには、学校や保護者のみならず、地域の人々の協力が不可欠なのです。ですから、親(保護者)や地域に生きる人々が、教育についての識見をもち、教師と協力しあえるということは、子どもにとって大きなプラスになります。日本の教員養成制度は、この点も視野にいれているのです。これを開放制教師養成制度といいます。教師になる人だけが免許状を取得するのではなく、教師になるつもりのない人でも、免許状を取得できるという制度にしているのです。その趣旨は、教師になるつもりはなくても、将来、市民として、親(保護者)として、学校教育に理解をもって、子どもを中心に教師と協力しあえる人をたくさん育てよう、ということです。ですから、教員免許状だけほしいという人も、積極的に教員免許状取得をめざしてください。必ず将来、役に立つ場面があるでしょう。51